この記事は、DeafEnginners AdventCalendar 2022 の最終日(25日目)の記事です。
自己紹介
初めまして!
私は都内のIT企業でデザイナーをしています、大城一記と申します。
私は聴覚に障がいがあり、耳が全く聴こえません。
最近、転職を機に兵庫県から上京してきたばかりです。
私はデザイナーとしてはまだまだ駆け出しではありますが、
聴覚障がいをもつエンジニア、プログラマが集うコミュティ、「デフエンジニアの会」のロゴを私がデザインさせていただいた経緯をこの記事に書きしたため、アドベントカレンダー最終記事(25日目)とさせていただこうと思います。
よろしくお願いします!
デフエンジニアの会とは
デフとは、英語で「Deaf」と表記し、聴覚障がい者という意味です。
聴覚障がいをもつITエンジニアのことを「デフエンジニア」と呼称しています。
デフエンジニアの会では、日本全国のデフエンジニアが集い、
- IT系のエンジニアリングスキル学習会(輪読会、ペアプログラミングなど)
- LT(ライトニング・トーク)大会
- コミュニケーションツールを活用しての情報共有
- Zoomにて情報交換
- 外部から講師を招き講演会や交流会
- アプリ開発プロジェクトへの参画
- IT業界用語の手話作成プロジェクト推進
など、様々な企画が開催されています。
メンバーは全国各地に約50名ほどいます。
※企画にあたり、すべての人が情報に遅れをとってしまうことがないように、文字起こしアプリ、チャットなどのテキスト入力、手話などの情報保証を配備した上で企画を開催しています。
ちなみに、当団体ではデフエンジニアだけでなく、
- プログラマ
- Webデザイナー
- 聴者エンジニア
- 海外在住のエンジニア
- 海外から日本に来たエンジニア
- ITエンジニアなどのIT系職種に就くことを志している学生や社会人
なども在籍しています。
※厳密にいえばエンジニア、プログラマ、デザイナーはそれぞれ職種が違うのですが、団体名称では「デフエンジニア」に統一しています。
完成ロゴ - デフエンジニアの会 -
シンボルマーク
横組ロゴ
縦組ロゴ
なぜ制作したのか
今後、デフエンジニアの会を外部に発信をしていこうというお話になり、当団体内でロゴ制作の募集があったため、私が立候補してロゴのデザインをさせていただきました。
どのようにして制作したのか
実は、私はロゴを制作するのは今回が初めてであったため、当団体に在籍している現役デザイナーのアドバイスやサポートのもと、デザインを行いました。
1. ヒアリング
デフエンジニアの会の主宰者の「まみねこ」さんに、当団体を立ち上げた想いやビジョンやミッション等をヒアリングしました。
デフエンジニアの会のビジョン、ミッションは以下の通りです。
デフエンジニアの会 ビジョン - VISION -
- 聴こえない or 聴こえにくいために、「力をつけることができず周りの人に追いつけない」、「エンジニアという職業を挫折してしまう」という状況をなくす
- デフエンジニア、デフデザイナーが飛躍できる社会をつくる
- 聴覚障がい者(ろう者・難聴者)が聴者とともに、エンジニア、プログラマ、デザイナーを自由に目指せるような社会をつくる
デフエンジニアの会 ミッション - MISSION -
- 日本全国の聴覚障がいを持つエンジニア、プログラマ、デザイナーのコミュニティづくり
- IT業界、仕事の悩みなどの情報共有の場をつくる
- 手話やテキストなどの情報保障を用いて、一緒にエンジニアリングスキルの学習
- 切磋琢磨し、共にスキルアップできる環境をつくる
2. コンセプト設定
ヒアリングした内容をもとに、
- 重要となるキーワードの抽出
- ロゴのコンセプト設定
- ロゴ制作における基準(ルール)の制定
を行いました。
3. ラフ案の作成
コンセプトに沿ったロゴのラフ案を手書きで複数作成しました。
4. ラフ案をもとにIllustratorでデザイン
今回、ロゴデザインにおいて黄金比を取り入れることを決意しました。
(私は黄金比さえも初めてだったので、黄金比とはなんぞや?というところから始まり、調べたり勉強しながら制作しました)
黄金比とは?
一言で言えば、人間が最も美しいと感じる比率です。
AppleやGoogleのロゴも黄金比でデザインされていることで有名です。(興味のある方は「Apple 黄金比」と検索してみてください)
今回、初めてのロゴ制作であるものの、黄金比を取り入れてデザインすることに挑戦しました。
ベースとなるシンボルマークの意味合い
完成シンボルマーク
他のロゴ案もあったのですが、デフエンジニアの会のメンバーほぼ満場一致でこちらのロゴに投票が集まり、こちらに決定しました。
フォント
- ITやテクノロジーを連想させるようなフォント
- インパクトのある文字フォント
- 英字名称も掲載(当団体には海外から来たデフエンジニアも在籍しているため)
- 機械学習やロボティクスを彷彿させるよう、「ジ」の濁点を歯車に
- デフ / DEAFのみ色を変えることでデフを主張
- ロゴが小さくなった時の視認性向上のため、「デ」の濁点のサイズ調整
ITやテクノロジーを連想させるようにデザインしました。
完成!
以上の経緯により、「デフエンジニアの会」ロゴが完成しました。
黄金比など、初めての技術を取り入れたものの無事に納得のいくデザインができて、ほっとしました。
また、デフエンジニアの会の皆さんからも好評を博し、とても嬉しかったです。
今回のロゴデザインを通して学んだこと
正直なところ、自身初のロゴデザインでしたので、とても大変なところがありました。
またデザインにおいては自分目線だけでなく、第三者の意見も取り入れながら制作を行いました。
今回のロゴ制作においての反省点
「何事もデザインは完全な自分流や自己満足で作ってはいけない」ということです。
たいへんお恥ずかしい話なのですが、制作初期の段階で
私はメンバーの一員であるため、所属している私個人から見た「自分がイメージしていたデフエンジニアの会」から連想してロゴをデザインしてしまっていたことが猛猛猛反省点でした。
当時デフエンジニアの会の主宰者の
- なぜデフエンジニアの会をを設立したのか?
- デフエンジニアの存在意義とは?
- デフエンジニアの会のビジョンは?
などといった想いをヒアリングすることも考慮せず、デザインしてしまっていました。
これがとても大きな反省点です。
考えてみれば当然のことですが、
「ロゴをデザインすること」は、その団体(企業)の顔となるものを制作している=今後の運営・活動における命運の責任を負っているということです。
また、デザインは、何かを伝えたり、何らかの課題を解決するためのコミュニケーションの手段の一つということです。
「デザインは、ヒアリングから。」
その当たり前のことを当団体のデザイナーから教わり、ハッとさせられました。
教えていただき、ありがとうございます。
今回のロゴ制作は自分にとっても新たな知見やスキルを学べましたし、とても学び多き経験となりました。
また、自分のクリエイティビティを活かし、貢献することができたのが嬉しかったです。
今後も更にクリエイティビティに磨きをかけ、人々に貢献できるようにどんどんアウトプットしていこうと思っています。
長々と書いてしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
それでは、、みなさん良いクリスマスを!🎅🎄✨
当団体について
当団体へのお問い合わせは、デフエンジニアの会のTwitterのDMにてお問い合わせください。
- デフエンジニアの会 公式Twitter
- デフエンジニアの会主宰者 まみねこさんのTwitter
- 他のメンバーの記事を見る : DeadEnginners AdventCalendar 2022
- Webサイト:今後制作予定です