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MCPの次は「A2A Protocol」: 2026年エンジニアが押さえる5項目【保存版】

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Last updated at Posted at 2026-04-29

正直、MCPが業界標準になった今、「次は何?」がよく分からないままズルズル時間を使ってる人が多いと思う。自分もそうだった。

並列でエージェントを走らせるオーケストレーターを自作して5.9倍高速化した経験から言うと、MCPだけでは足りない壁が確実にある。今回はその壁の正体と、Googleが2025年に出した「A2A Protocol」が今どこまで来ているのかを、一次情報を全部当たって整理した。

ぶっちゃけ「Anthropic派のエンジニアにとって都合の悪い話」も含む。けど見て見ぬ振りしても仕方ないので書く。

この記事の3行結論

  • MCPは「エージェント↔ツール」の戦い。次は「エージェント↔エージェント」を扱うA2Aが2026年の主戦場
  • A2Aは2025年4月Google発表→2025年6月Linux Foundation→2026年3月にv1.0.0達成。もう仕様レースは終わってる
  • AnthropicはA2Aに公式言及ゼロ。Claude Codeで開発者の手元を取りに行く戦略に振り切った

この記事でわかること

  • MCP公式ロードマップ2026の中身(一次情報・URL付き)
  • A2A Protocolの正確な仕様・主要パートナー・成熟度
  • AnthropicとGoogleで戦線が分かれた理由
  • 実装するときに参考になる日本語情報源
  • 個人開発者が今すぐ取るべき3つのアクション

対象読者

  • Claude Code / Cursor を実務で使っているエンジニア
  • 自前でMCPサーバーを書いた、または書こうとしている人
  • マルチエージェント運用に手を出している人
  • 2026年の技術選定で「MCPの次」を見極めたい人

目次


なぜいま「MCPの次」を考える必要があるか

去年の今頃、MCPは「Anthropicが出した何か新しい仕様」程度の認識だった。それが今や日経xTECHの「ITインフラAWARD 2026」グランプリに選ばれている(出典)。1年半でここまで一気に来た。

ただ、自分でMCPサーバーをいくつか書いて、Claude Codeから複数のエージェントを叩く運用を試してみると、MCPの守備範囲を超える壁にすぐぶつかる。

[Agent] ←→ MCP ←→ [Tool / Data]

MCPはこの「1エージェント↔1ツール」の通信を標準化しただけ。実務で詰まるのは大体ここから先だ。

  • エージェントAが調査→エージェントBに「これ書いといて」と渡したい
  • 数日かかる長期タスクを、回線切断とか再起動を跨いで動かしたい
  • 自社で作ったエージェントから、他社のエージェントを叩きたい

このあたりを真面目に作ろうとすると、自前でJSON-RPCもどきを書くか、LangGraph的なフレームワークに乗るかになる。けど標準化された仕様があれば一番ラク。それを担うのが2026年に入って急に注目され始めたA2A Protocolだ


① MCP 2026公式ロードマップの中身

公式ロードマップ:blog.modelcontextprotocol.io/posts/2026-mcp-roadmap/(公開: 2026年3月9日)

優先4項目が出ている。これを「自分の使い方にどう響くか」で読み解いていく。技術用語で並べても「で、何?」になるから、誰向けのアップデートかをはっきり書く。

1. Transport Evolution: MCPサーバーを公開したい人向け

今のMCPサーバーって、セッションを内部で持つから1台でしか動かないんだよね。これがステートレス化されて水平スケール対応になる。あと.well-knownでサーバーの能力を自動広告できるようになる。

自分の使い方への影響:

  • 自作MCPサーバーを社内・社外に公開したい人 → 本番運用が現実的になる。今までは「動いたらラッキー」だったのが「ちゃんと運用できる」になる
  • ローカルでstdio経由でしか叩いてない人 → 当面は無関係

2. Agent Communication(Tasks): 長時間タスク派向け

Tasks primitive(SEP-1686)に**retry(自動再試行)とexpiry(結果の保持期限)**が入る。

これ、自前で書こうとすると地獄。「途中で切れたタスクどう復帰させる?」「結果いつまで持っとく?」を全部自前ハンドリングしてるエンジニア、けっこういるはず。標準仕様で来るのありがたい。

数分〜数時間かかる調査・コード生成・データ処理を投げる人は対象。短い同期リクエストしか使わないなら関係ない。

3. Governance Maturation: 仕様に貢献したい人向け

今は仕様提案(SEP)を出すとCore Maintainerのフルレビュー必須でボトルネック。これがWorking Group単位で独立採択できるようになる。

つまり「MCPコミュニティに何か提案したい」「特定領域のエキスパートとして関わりたい」人にはチャンスが広がる。普通のユーザーは結果として新仕様の追加が速くなる恩恵を受ける程度。

4. Enterprise Readiness: 大企業導入を視野にしてる人向け

監査ログ・SSO認証・ゲートウェイ動作・設定可搬性が来る。ただしコア仕様じゃなくて拡張として入る点に注意。「MCP本体使えば全部揃う」じゃなくて「拡張パックを入れて」になる。

金融・製造・公官庁のSI案件を抱えてる人には朗報。個人開発・スタートアップは当面無関係。

一言で

「個人の試運転から、本番のリモートサービスへ」をMCPは目指してる。

ロードマップ本文の原文:

"SEPs aligned with the priority areas above will move the fastest"

これが意味するのは、優先4項目に乗らないSEPは2026年中に来ない可能性が高いってこと。

よく見る誤解の訂正

  • 「MCPがServer-as-agent化する」 → 公式に該当用語なし。Tasks primitive改善が中心
  • 「2026年に新トランスポートが追加される」 → 既存(Streamable HTTP)の進化に集中、新規追加なし
  • 「2026-XX-XX みたいな正式バージョン番号が決まってる」 → 未公表

ちなみに優先4項目から外れてるが議論は続いてる項目("On the Horizon")はこの辺:

  • イベント駆動更新(Triggers)
  • ストリーム/参照ベース結果型
  • 認可強化
  • 拡張エコシステム成熟

② A2A Protocolとは何か

ここが本題。A2Aを一言で言うと「他人が作ったエージェントを、中身知らずに頼める仕組み」だ。

例えば「翻訳エージェント(A社製)」「校閲エージェント(B社製)」「営業メール生成エージェント(自作)」が全部別フレームワークでも、A2Aを介せば統一された呼び出し方でやり取りできる。

仕様の基本情報

正式名称: Agent2Agent Protocol(略称: A2A)

項目 内容
発表 2025年4月9日 Google Cloud Next
通信プロトコル HTTP, Server-Sent Events (SSE), JSON-RPC をベース。gRPC バインディング (a2a.proto) も提供
主要オブジェクト Agent Card(JSONによるケイパビリティ広告), Task(ライフサイクル付き), Artifact(出力), Message/Parts(modality別コンテンツ)
認証 "OpenAPI の認証スキームと同等" のenterprise-grade authn/authz。v1.0でOAuth 2.0 device code / PKCE追加、implicit/password削除
MCPとの関係 競合ではなく補完。公式に "A2A complements Anthropic's Model Context Protocol (MCP)" と明記
現在のバージョン v1.0.0(2026年3月12日リリース) Linux Foundation配下で初の安定版

一次情報:

設計5原則(公式)

  1. Embrace agentic capabilities — エージェントの能力を前提にする
  2. Build on existing standards — 既存標準(HTTP/JSON-RPC等)を活用
  3. Secure by default — デフォルトで安全
  4. Long-running tasks 対応 — 長期タスクが第一級
  5. Modality agnostic — テキスト・音声・動画問わない

5番目の「modality agnostic」は地味に効く。テキスト前提のチャットUIに引きずられず、音声/動画もオブジェクトで扱える設計になっている。

採用してる主要企業(50社超→LF移管時点で100社超)

公式発表で確認できる主要パートナー:

Atlassian, Box, Cohere, Intuit, LangChain, MongoDB, PayPal, Salesforce, SAP, ServiceNow, Workday

LangChainがいるのは納得。CohereがGoogleの標準に乗ってるのは少し意外。Salesforce/SAP/ServiceNow/Workdayあたりが揃ってるのが「これマジでエンタープライズ標準目指してるな」感ある。

そしてMicrosoftも公式SDKを提供している。Microsoft Agent Frameworkの Microsoft.Agents.AI.Hosting.A2A.AspNetCore でA2Aサーバーをホストできる(公式ドキュメント)。

つまりA2Aは「Google発・Linux Foundation管理・Microsoft採用」という構図ができている。Anthropicがいないのがポイント。

自分が触るべきタイミングの判断

ぶっちゃけ全員が今A2Aを触る必要はない。判断材料はこのへん:

状況 A2Aを今触るべきか
1人で1個のエージェントを動かしてる(Claude Codeで開発等) 不要。MCPで足りる
自分のサービスに外部エージェントを呼びたい 触る価値あり
複数エージェント連携を作ってる 触る価値あり。自前プロトコル書くより楽
業務SaaS(Salesforce/kintone等)と連携したい 状況次第。各社が公式提供を始めたら必須化していく

③ AnthropicのスタンスとMCP寄贈の意味

ここが個人的に一番面白い。Anthropicって、A2Aに公式言及ゼロなんだよね。

確認した一次情報:

これ全部読み直したけど、A2Aの「A」の字も出てこない

ただし、マルチエージェントの方向性は経営層が明言してる。Mike Krieger(CPO)が2025年12月のポッドキャストでこう言ってる。

「2025年は『assistants』、2026年は『collaborators』」

taking action」「agent-to-agent interaction」「when agents will hire other agents and what that economy might look like」を重点領域として挙げる

「agents will hire other agents」って、A2Aがまさに目指してる世界観そのまんま。なのにGoogleが先に作ったA2Aには乗らない

Anthropic engineering記事(2025年6月)でも、subagent協調の課題は明示してる。

"Currently, our lead agents execute subagents synchronously"
"subagents can't coordinate"

工学的問題として認識してるのに、解決手段としてA2Aに乗るとは言ってない

自分の解釈

ここから先は推測だけど、辻褄が合うのはこういう絵だと思う。

  • MCPはAnthropic自身がオーナーシップを手放した(2025年12月にLinux Foundationへ寄贈)。「ベンダー中立の標準」になった
  • 同じことをGoogle主導のA2Aに対してはやらない
  • AnthropicはClaude Codeという開発者体験の塊で勝負する
  • エージェント間通信の標準化レースには参戦せず、製品の使いやすさで顧客を囲い込む戦略

要するに:

  • Google: A2A標準化で生態系のハブを取りに行く
  • Anthropic: Claude Codeで開発者の手元を取りに行く

主戦場が違う。どっちが勝つかはまだ分からないけど、自分はClaude Codeを毎日使ってるので、Anthropic路線が手元では勝つ気がしてる。生態系全体ではGoogleが取るかもしれない。


④ 実装するときに参考になる日本語情報源

「やってみよう」と思ったときに最初に当たれる日本語ソースを並べておく。実際に自分が漁ったやつ中心。

MCP関連で使える日本語記事

記事 主題 こういうときに読む
Claude Codeで日常業務を爆速化(minorun365)1,920いいね Claude Code + MCP業務自動化 「何ができるのか」を体感したい
MCPの仕組みを知りたい!(megmogmog1965)(181いいね) MCP内部仕様・JSON-RPC解説 プロトコルの中身を理解したい
MCPサーバを使ってみた・作ってみた(からあげ) Cline+Docker、自作Git/GitHub MCP 自作する前の全体像把握
自作MCPで社内API(kawabe0201) 社内レガシーAPIをMCP化 業務システム連携の実装を始めたい
問い合わせ対応 週8時間→30分(susie000720) Notion×MCPナレッジBot 社内Botを作りたい
Enterprise環境で動かない問題(namic) プロキシ・証明書ハマり 社内ネットワークで詰まったとき

minorun365氏の記事が1,920いいねってのが日本のMCP需要の大きさを物語ってる。「Claude Codeすごいよ」記事はもう数で勝てない領域。

A2A関連の日本語記事(数が圧倒的に少ない)

これ以外の日本語の参考情報は限定的。実装するなら公式GitHubのa2aproject/A2AとMicrosoft Agent FrameworkのA2A連携ドキュメントを直接読むのが速い。

国内SIer・公式提供の動向

ソース 内容
NTTデータ「AIエージェント時代のデータ活用」 エージェント時代のデータ基盤論
NECネッツエスアイ「AI Agent Ready」 エンタープライズ向けエージェント導入
サイボウズ公式 kintone MCPサーバー kintone公式MCP

サイボウズがkintone公式MCPを出してる時点で、日本でも標準化は進んでる。

実装で詰まるけど、日本語の解説が薄い領域

実際に手を動かすと以下で情報不足にぶつかる。心の準備として把握しておくと、ハマったときに「ああこれ日本語ないやつだ」と諦めて英語に行ける。

  • A2AとMCPの併用設計
  • マルチテナント本番運用(認可・レート制御・コスト管理)
  • MCP可観測性(OpenTelemetry連携)
  • プロンプトインジェクション対策の実装パターン
  • Streamable HTTP移行・SSE廃止対応

ここに当たったら英語の公式ドキュメント・GitHub Issuesを当たるのが最短ルート。


⑤ 個人開発者が今すぐやるべき3つのアクション

ここまで読んで「で、自分は何すればいいの?」になってる人向けに、明日から動ける3手を置いておく。

アクション1: A2A Agent Cardを1個書いてみる

仕様を読み込む前に1個書くのが圧倒的に速い。Agent CardはJSONでエージェントの能力を広告する仕組みで、A2Aの中核概念。書けば「どういう抽象化なのか」が30分で体感できる。

git clone https://github.com/a2aproject/A2A.git
cd A2A
# READMEのGetting Started参照

アクション2: 既存のMCPサーバーをStreamable HTTPに移行する

2026年ロードマップ通り、stdio→Streamable HTTPの流れは確実。ローカルでしか動かないMCPサーバーを書いてる人は、いまのうちにリモート公開(OAuth付き)への移行を済ませると、複数クライアントから再利用できる。

ぶっちゃけ、stdio版のまま放置すると将来面倒なので、早めに移行しておく方が後で楽

アクション3: Microsoft Agent FrameworkでA2A対応を試す

実務で.NET/Pythonを書いてる人は、Microsoft Agent Frameworkがすでに Microsoft.Agents.AI.Hosting.A2A.AspNetCore でA2Aサーバーをホスト可能。

公式ドキュメント: learn.microsoft.com/en-us/agent-framework/integrations/a2a

これでClaude Codeから外部のA2Aエージェントを呼び出す実験ができる。Anthropicが言及しないなら自分で繋げばいい。


まとめ

今日からやること

  1. 今日(5〜15分): MCP公式2026ロードマップを読む(原文)。優先4項目を頭に入れる
  2. 今週: A2A公式サンプルをclone→動かす。Agent Cardを1枚書いてみる
  3. 今月: 既存MCPサーバーをStreamable HTTPに移行。可能ならA2Aサーバーをホストして「Claude Code↔外部エージェント」連携を実験

この記事の結論を3行で

  • MCPは標準化の戦いを終えた。次はエージェント間通信(A2A)と長時間タスク(Tasks)
  • A2AはGoogle主導でv1.0.0達成。Anthropicは公式言及なし。標準化と製品体験で主戦場が分かれている
  • 自分の使い方が「1エージェント+ツール」ならMCPの優先4項目だけ追えばよく、「複数エージェント連携」が視野に入るなら今のうちにA2Aを触っておくと、対応SaaSが増えてきたときに困らない

参考ソース:

MCP公式

A2A公式

Anthropic公式

日本語参考記事

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