1. はじめに
この投稿では、IBM CloudのVirtual Private Cloud(VPC)の仮想インスタンス(Ubuntu)の状態、インフラ視点での可視化&モニタリングする手順を確認します。アプリケーション視点では、次の投稿にて、Djangoの「簡単な投票 (poll) アプリケーション」を使って確認しようと思います。
今回、可視化・モニタリングするツールとして、IBM Cloudのカタログでは、IBM Cloud Monitoring with Sysdig を選ぶことができますが、今回は、IBM Instana ObservabilityのSaaS版を使って可視化・モニタリングしてみます。
なお、今回、利用する環境は、Qiitaの下記投稿で構築したものを利用します。
2. 今回の構成イメージ
IBM Cloudの東京リージョンにVPCを作成し、ゾーン東京1に2つの仮想インスタンスを作成しています。
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仮想インスタンス1(外部アクセスからのアクセス可能)
- 役割: Webサーバ
- OS: Ubuntu 20.04
- Webサーバ : Djangoのrunserver
- Python : 3.8.5
- Django : 4.0.7
- 役割: Webサーバ
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仮想インスタンス2(外部アクセスからのアクセス不可)
- 役割: DBサーバ
- OS: Ubuntu 20.04
- PostgreSQL : 12
- 役割: DBサーバ
今回、2つの仮想インスタンス(OS: Ubuntu)に、 Instana Agentをインストールします。そして、Instana Agentが収集した仮想インスタンス(OS:Ubuntu)の性能情報を InstanaのSaaS版に送信して、Instanaでどのようにインフラとアプリが可視化されるかを確認します。
なお、InstanaのSaaS版は、事前に14日間のFreeTrialを申し込んで使える状態にしてあります。
3. 手順
Instana Agentのインストールスクリプトの入手
Instana SaaS版のFree Trialが開始し、最初にブラウザの画面にInstana Agentを導入する画面が表示されます。その画面の中からLinux
用の ワンライナーのインストールスクリプトを入手します。
仮想インスタンスに Instana Agentをインストール
仮想インスタンスのWebサーバとDBサーバにログインして、Instana Agentをインストールします。
- Webサーバ・DBサーバ共通作業
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リモートサーバへのログイン
まずはリモートサーバにログインします。※クライアントでの作業 ssh -i [秘密鍵のファイル名] root@[DBサーバのIPアドレス]
(注)今回の構成ではDBサーバーは、フローティングIPを設定していないため、外部からSSHでログインすることができません。
Webサーバーに経由でDBサーバーに接続します。※Webサーバでの作業 $ ssh -i [秘密鍵のファイル名] root@[DBサーバのIPアドレス]
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Instana Agentのインストールスクリプトを実行
Linux環境へのInstana Agentのインストールはワンライナーのスクリプトを実行します、$ curl -o setup_agent.sh https://setup.instana.io/agent && chmod 700 ./setup_agent.sh && sudo ./setup_agent.sh -a [認証キー] -d [認証キー] -t dynamic -e ingress-xxx-saas.instana.io:443
Instana Agentのインストールが開始し、下記の様に
Instana agent service started up
と表示されたらインストールが完了し、Instana Agentの起動が開始しています。 初回起動時は、監視するためのセンサー等ダウンロードするため数分程度、起動時間が必要です。Warning: apt-key output should not be parsed (stdout is not a terminal) Updating apt metadata Installing Instana agent Instana agent enabled on boot Starting instana-agent Instana agent service started up
それでは、これからは、Instanaのダッシュボードで、どのようにモニタリングされているのか確認します。
インフラ視点での可視化・モニタリング
下記の画像はInstanaのダッシュボード画面です、「インフラストラクチャー」のメニューをクリックして、インフラストラクチャーの画面を表示するとInstana Agentを導入した仮想インスタンスが、白い筒状のイメージで表現されています。 下記画像の赤枠ではpoll-dbというホストで、InstanaエージェントとPostgreSQLが、動作していることがわかります。
次に、上記赤枠の「ダッシュボードを開く」をクリックすると、下記画像の様に詳細なホストの性能情報を見ることができます。
4. 最後に
Instana Agentを導入すると、IBM CloudのVirtual Private Cloud(VPC)の仮想インスタンス(Ubuntu)をインフラ視点で可視化&モニタリングできるようになりました。
次の投稿「Python(Django)アプリをInstanaで可視化・モニタリングする(1)【設定編】」では、アプリ視点で、Djangoの「簡単な投票 (poll) アプリケーション」を可視化&モニタリングします。
この投稿は、下記、1〜4の流れで、IBM Cloudの Virtual Private Cloud(VPC)の仮想インスタンス作成、Python(Django)とPostgreSQLを使ったサンプルアプリの作成、インフラ、アプリの可視化・モニタリングの順番に構築設定を行った時の記録になります。 ぜひ、1〜4まで参考になれば幸いです。
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Python(Django)アプリの環境構築
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インフラの可視化・モニタリング設定・確認
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(本投稿)Python(Django)アプリの可視化・モニタリング設定
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Python(Django)アプリの可視化・モニタリング設定