以前、【半自律型AI PdM】PendoのNovusがヤバい。コードを理解して分析と改善を勝手に回すという記事を書きました。あのときは、コードを読んで計測を仕込み、Memoryでプロダクトを理解し、行動データから改善案を出し、PRまでつなげるところに興奮していました。
前の記事を書いてから、Novusのアップデートが目覚ましい。Goals、Flags、Guides、Signals、Bets、Replays……と機能が広がり、前の記事で使った「半自律型AI PdM」という表現が、ますます現実味を帯びてきました。
今回は、アプリ内を実際に見て回りながら、どこまでできるようになったのか紹介します。画面は2026年10月時点のNovus(Beta)で、私の小規模なデモアプリのものです。数値そのものより、機能と画面のつながりを見てもらえると嬉しいです。
まず、ホーム画面から「今見るべきこと」が出てくる
Overviewには、利用状況の要約と、気にしたほうがよさそうなSignalが並びます。以前紹介した「レポートを作ってくれる」から、日々開いたときの入口がはっきりした感じです。
さらにDashboardsを開くと、数字の羅列だけで終わらない。期間やセグメントを切り替えながら、データを文章で要約し、「Where to focus」で次に見るべき箇所まで示してくれます。
ここ、めちゃくちゃ便利。たとえばガイドの表示回数が伸びていないことを、単なる「0 views」ではなく、対象のユーザーは画面に来ているのにガイドが出ていない、という調査の入口にしてくれます。
Goals:何を良くしたいかを、言葉で置ける
Goalsの作成画面には「目標を言葉で説明して」とあります。たとえば「新機能の採用率を上げたい」「価値を感じるまでの時間を短くしたい」と入力する入口です。Novusが関連する指標やプロダクト内の要素を探して追跡する設計になっています。
目標一覧や詳細では、Signal、Launch、関連する要素、活動履歴もつながります。ここが面白い。分析を始める前に「何を達成したいんだっけ?」を置いておけるわけです。以前データ分析の前に目標を考えようと書いたのですが、その考え方がNovusの中にも入ってきた感じです。
今回は新しいGoalを実際に作成するところまでは進めていません。画面上で確認したのは、自然言語で作り始める入口と、目標に情報を紐づけて追える構成です。
Flags:段階的な公開も同じ場所で考えられる
いわゆるFeature Flag管理が出来るようになっています。
つまり「新機能を開発したぞ。さて、誰に出す?どれくらいの割合から始める?出したあと使われた?」が管理、分析できるようになっています。
Guides:前回「今後予定」と書いたものが、もう画面にある
前の記事ではガイド作成の自動化を「今後予定」と書きました。今はNovusのGuidesから、AIを使う作成画面に進めます。
テンプレートには、ファネルのオンボーディング、ガイドツアー、アンケート、バナー、ライトボックス、ツールチップ、バッジ。加えて、下の入力欄から「新しいボタンを知らせるツールチップを作って」のように文章で始められます。
Guidesの一覧側には公開状態だけでなく、ガイド全体の閲覧数や健康状態を見る画面もありました。Signalの改善案からガイド作成につなぐ導線もあります。課題を見つけたあと、コード修正だけでなく、ユーザーへの案内まで作れる。これはかなり大きいですね。
Signals:数字の変化から、原因と改善案を深堀りする
Signalsは、Issue(問題)、Opportunity(機会)、Insight(気づき)に分かれています。カードを広げると、何が起きたかだけでなく「何のデータでそう判断したか」「なぜ今これを示したか」まで読めます。
さらにReview planを開くと、話が一段深くなります。
今回見た例では、ファネルの数字をきっかけに、コード中の計測箇所や画面上の操作とのずれまで調べ、ファイル名と行番号を示した修正ステップが出ていました。右上には「Create PR & guide」もあって、Novusに修正PRを切ってもらったり、ガイドを作らせることができます。
Bets:改善の仮説を立てて「当たったか判定」する。
Bets(賭け)。この策に賭けてみよう。
Signalから作られた案やNovusの提案を、Suggested → Active → Decidedで管理するボードです。
カードには「この機能を追加したら、30日あたりのイベントを何件から何件に上げる」「リリース後60日以内に確かめる」といった、ベースライン・目標・期限が入っています。詳細には根拠となるSignal、やり方、計測方法も並びます。
これがいい。「ここを直すべき」で止まらず、「どうなったら成功と言えるか」まで見える。PdMの仮説検証にかなり近づいています。
Memory:製品理解が、サイトマップや計測計画にも広がった
Memory自体は前回も紹介しました。今回は、製品概要に加えて、ペルソナ、Product Areas、Key Flows、Integrations、Documentation、Instructions、Site Mapが並んでいました。サイトマップは、画面と機能のつながりを図で見られます。
「製品のことを覚えている」が、改善案の前提をどこから持ってきたのか見に行ける形になっているのが嬉しいです。
Replays:ユーザーの操作に戻って確かめられる
Replaysでは、セッションを録画で見られます。一覧には利用時間やアクティビティ、フラストレーションの件数があり、強いフラストレーションのあるセッションに絞り込めました。
詳細画面では、再生タイムラインの印から該当箇所に飛べて、横のSession Logでページ遷移やクリックイベントを追えます。Dev ConsoleとNetworkのタブもあります。今回のセッションでは、反応しなかったクリックがログに記録されていました。
Signalの「何かがおかしい」を、実際の操作に戻って確かめられるのは強いです。数字からいきなり改修するより、ユーザーがどこで詰まったかを見られるのがいいですね。
PR Reviews:変更前の指摘から、変更後の影響まで
前の記事でも、PRへのUXレビューができると書きました。今はNovusの管理画面でPR Reviewsの履歴を見られ、個々のコミットを開くと、変更差分とレビュー結果を同じ画面で追えます。
今回見たレビューでは、モバイルの共有機能に対して「ボタンのa11yな名前が足りない」「サインインを挟むと共有URLが失われるかもしれない」という指摘が、表示されていました。コードだけ眺めたレビューでは出にくい、利用の流れに沿った指摘です。
一覧の上には「Shipped vs. Impact」のグラフもあり、PRが出た時期と、その後の利用指標を並べて見られます。PRを出して終わりではなく、出したものがどう使われたかまで戻れるのが面白い。
PR Workflowsの設定画面では、UXレビューと差分分析を個別に有効化でき、指摘の重要度やコメント形式、カスタム指示も設定できます。
Ticket Enrichment:Jira・Linearのチケットにも文脈を持ち込む
管理画面にはTicket Enrichmentも増えていました。Novusで発見した課題をJiraまたはLinearのチケットを切れる機能です。
私のデモ環境ではまだ、ここ設定出来ていませんが、Novusから開発チームにチケットを発行する導線が用意されているのは、かなり実務的ですね。
連携先も増えている
Integrationsには、GitHub、Bitbucket、Linear、Jira、Slack、Microsoft Teams、Granola、LaunchDarklyが並んでいました。コード、チケット、会話、ユーザーフィードバック、Flagなどが統合できるようになっています。
いちばん面白かったのは、機能同士がつながっていること
画面を一通り見て思ったのは、「分析機能がたくさん増えた」だけではなく、かなり実用的になってきています。
- Memoryがさらに強化され、製品とユーザーの文脈を持つ
- Goalsで達成したいことを残せる
- SignalsとReplaysで問題を見つけて確かめる
- Betsで改善や施策案を検証できる
- FlagsとGuidesでリリースや案内を形にする
- PR ReviewsとDashboardsで変更前後を追う
これらが全部Novusの中で見えるようになってきた。前の記事で想像していた「計測結果の取得 → 改修」が、さらに「何を目標にするか」「どう届けるか」「効いたか」まで伸びてきた感じがします。いやぁ、これは面白い。
今回触ったのは主に閲覧と作成画面の確認です。新しいGoal・Flag・Guide・Betを実際に動かして成果を測ったわけではありません。私のデモアプリは利用者も少ないので、ユーザーを増やしてBetsを置いて、GuideかFlagを実際に動かし、結果まで追ってみたいです。
Novusで伸ばす領域がさらに増えたというお話でした。
お後が宜しいようで。
参考:














