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【Git入門】第1章 Git とは

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Last updated at Posted at 2026-11-01

Git は、ファイルの変更を記録し、いつでも前の状態に戻したり、ほかの人と同じファイルを分担して直したりするための道具です。この章では、ツールを使い始める前に、Git の考え方と、この教材で使う言葉を学びます。

この章で学ぶこと

  • バージョン管理が必要な理由
  • リポジトリ・コミット・履歴など、Git の基本の言葉
  • 自分のパソコンのリポジトリと、GitHub のリポジトリの関係(プッシュ・プル・クローン)
  • ブランチの考え方
  • TortoiseGit と GitHub Desktop の違いと、どちらを選ぶか

1.1 バージョン管理とは

ファイルを直していると、「昨日の状態に戻したい」「どこを変えたのか確かめたい」と思うことがあります。Git を使わない場合、次のようにファイルをコピーして残すことが多くなります。

コピーで残した例
list.html
list_コピー.html
list_20261020.html
list_最終.html
list_最終_修正版.html

この方法には、次の問題があります。

  • どのファイルが最新か、どこを変えたのかが分からなくなる
  • 複数のファイルをまとめて直したとき、どの組み合わせが正しいかが分からなくなる
  • ほかの人と同じファイルを直すと、片方の変更が上書きされて消えることがある

ファイルの変更の記録を、決まった方法で残しておくことを バージョン管理 といいます。Git(ギット)は、いちばん広く使われているバージョン管理の道具です。Git を使うと、ファイルはいつも1つのまま、変更の記録だけが積み重なります。いつ・誰が・どこを・なぜ変えたのかが残り、前の状態にいつでも戻せます。

1.2 リポジトリとコミット

リポジトリ

Git で変更を記録したいフォルダーを、Git に「このフォルダーを管理する」と登録します。登録したフォルダーを リポジトリ といいます。リポジトリにしたフォルダーの中には、.git という名前の隠しフォルダーができ、変更の記録はすべてその中に保存されます。

ふだん直しているファイルは、これまでどおりフォルダーの中にあります。この、ふだん作業しているファイルの置き場所を 作業フォルダー(作業ツリー)といいます。

【ご注意】.git フォルダーは消さない・直さない

.git フォルダーには、変更の記録がすべて入っています。消すと、それまでの記録がすべて無くなります。中のファイルを直接開いたり、書き換えたりしないでください。

コミット

ファイルを直しても、Git はすぐには記録しません。区切りのよいところで「ここまでの変更を記録する」と Git に指示します。この記録を コミット といいます。コミットには、次のものが一緒に残ります。

残るもの 内容
変更の中身 どのファイルの、どの行を、どう変えたか(差分)
コミットメッセージ 何のために変えたかを、コミットする人が文章で書いたもの
作者と日時 誰が、いつコミットしたか
コミットの ID コミットを見分けるための、英数字の長い番号(例:3f2a9c1…)

コミットを積み重ねたものを 履歴 といいます。履歴を見れば、いつ・誰が・何のために変えたのかが分かり、どのコミットの状態にも戻せます。

差分

前の状態と今の状態の違いを 差分 といいます。ツールでは、消した行が赤、足した行が緑のように色分けして表示されます。コミットする前に差分を見て、意図した変更だけになっているかを確かめるのが基本です。

作業フォルダーでファイルを直し、差分を確かめてからコミットすると、リポジトリの履歴に記録が1つ積み重なる
図1-1 作業フォルダーで直した変更を、コミットで履歴に記録する

1.3 GitHub と、プッシュ・プル・クローン

ここまでのリポジトリは、自分のパソコンの中にあります。これを ローカルリポジトリ といいます。ローカルリポジトリだけでは、パソコンが壊れると記録も無くなり、ほかの人と共有することもできません。

そこで、インターネット上にもリポジトリを置きます。これを リモートリポジトリ といいます。この教材では、リモートリポジトリを置く場所として GitHub(ギットハブ)を使います。GitHub は、リポジトリを預かって共有するための Web サービスで、無料のアカウントで使えます。

ローカルとリモートの間では、次の3つの操作でコミットをやり取りします。

操作 向き すること
プッシュ(push) ローカル → リモート 自分のコミットを GitHub に送る
プル(pull) リモート → ローカル GitHub にある、ほかの人のコミットを取り込む
クローン(clone) リモート → ローカル GitHub のリポジトリを、履歴ごと丸ごと自分のパソコンにコピーする(最初の1回だけ)

GitHub のリモートリポジトリと、自分とほかの人のローカルリポジトリの間で、プッシュ・プル・クローンでコミットをやり取りする
図1-2 GitHub を通して、自分とほかの人がコミットをやり取りする

【知識メモ】Git と GitHub は別のもの

Git は、パソコンの中で変更を記録する道具です。GitHub は、Git のリポジトリを預かる Web サービスです。Git だけでも、自分のパソコンの中で変更を記録できます。GitHub のほかにも、GitLab や Bitbucket など、同じ役割のサービスがあります。

1.4 ブランチ

新しい機能を作るときに、作りかけの変更で、ほかの人の作業や動いているものを壊したくないことがあります。Git では、履歴を枝分かれさせて、ほかに影響しない場所で作業できます。この枝分かれを ブランチ といいます。

  • リポジトリを作ると、最初に main という名前のブランチができます。この教材では、main を「いつも正しく動く状態」として扱います。
  • 作業するときは、main から新しいブランチを作り、そこでコミットします。
  • 作業が終わったら、ブランチの変更を main に取り込みます。この取り込みを マージ といいます。

ブランチとマージは、第8章・第9章で、実際に操作して学びます。

1.5 2つのツールと、どちらを選ぶか

Git は、もともとコマンド(文字で入力する命令)で操作する道具です。この教材では、画面で操作できる次の2つのツールを使います。どちらも無料で、中で動いているのは同じ Git です。

TortoiseGit GitHub Desktop
作っているところ TortoiseGit の開発チーム(オープンソース) GitHub
使えるパソコン Windows だけ Windows と mac
操作の仕方 エクスプローラーでフォルダーやファイルを右クリックし、メニューから操作する。フォルダーやファイルのアイコンに、状態を表す印が付く 専用の画面を開いて操作する。変更・履歴・ブランチが1つの画面にまとまっている
画面の言語 日本語(言語パックを入れる) 英語
インストールするもの Git for Windows と TortoiseGit GitHub Desktop だけ(Git が入っている)
できること Git のほとんどの操作。GitHub 以外のサービスとも同じように使える よく使う操作に絞っている。GitHub と組み合わせて使うのに向いている

次の順で選んでください。

  1. 職場や学校で使うツールが決まっている場合は、そのツールを選びます。
  2. mac で取り組む場合は、GitHub Desktop を選びます(TortoiseGit は Windows だけです)。
  3. 決まっていない場合は、どちらを選んでもかまいません。この教材で学べることは同じです。

選んだツールの第2章から進めてください。

【知識メモ】現場ではコマンドで操作することもある

現場では、Git をコマンドで操作する人もいます。ツールとコマンドのどちらでも、中で行われることは同じです。この教材で学ぶ「リポジトリ」「コミット」「プッシュ」などの考え方は、コマンドを使うときにもそのまま使えます。

公式ドキュメント

この教材の内容をさらに詳しく調べたいときは、次の公式ドキュメントを引きます。今は読まなくてかまいません。困ったときや、教材で扱わなかったことを調べるときに使ってください。

資料 内容 言語
Pro Git(日本語版) Git の公式サイトにある Git の解説書。コミット・ブランチなどのしくみを詳しく説明している 日本語
Git リファレンス Git の命令(コマンド)の正式な説明 英語
GitHub Docs GitHub の使い方(リポジトリ・プルリクエストなど) 日本語
GitHub Desktop のドキュメント GitHub Desktop の使い方 日本語
TortoiseGit マニュアル TortoiseGit の各画面とメニューの説明 英語

この中で最もよく使うのは、Pro Git と GitHub Docs です。どちらも日本語で読めます。

1.6 この教材で行うこと

この教材では、HTML入門で作る HTML のファイルを題材にして、次の順に進めます。

  1. ツールと GitHub のアカウントを準備する(第2章)
  2. HTML のファイルを置いたフォルダーをリポジトリにする(第3章)
  3. HTML のファイルを直してコミットし、履歴を見たり、元に戻したりする(第4・5章)
  4. GitHub にリポジトリを作ってプッシュし、別のフォルダーにクローンしてプルする(第6・7章)
  5. ブランチで作業し、マージする。コンフリクトを直す(第8・9章)
  6. GitHub の画面で、プルリクエストを使って変更を確かめてから取り込む(第10章)

ほかの人と一緒に作業する練習は、GitHub の Web 画面でファイルを直して「ほかの人の変更」の代わりにします。1人でも、すべての練習ができます。

1.7 まとめと確認問題

まとめ

  • ファイルの変更の記録を決まった方法で残すことを バージョン管理 といい、Git はその道具
  • Git で管理するフォルダーを リポジトリ といい、記録は .git フォルダーに入る
  • 区切りのよいところで変更を記録することを コミット といい、コミットを積み重ねたものが 履歴
  • GitHub は、リポジトリを預かって共有する Web サービス。ローカルとリモートの間は、プッシュ・プル・クローンでやり取りする
  • 履歴の枝分かれを ブランチ、ブランチの変更を取り込むことを マージ という
  • ツールは TortoiseGit(Windows だけ、右クリックで操作)と GitHub Desktop(Windows と mac、専用の画面で操作)から選ぶ

確認問題

問1 ファイルをコピーして残すやり方と比べて、Git でバージョン管理するとよい点を2つ答えてください。

解答を見る

ファイルはいつも1つのまま、いつ・誰が・どこを・なぜ変えたのかが記録として残ることと、どのコミットの状態にもいつでも戻せることです。ほかの人と同じファイルを直しても、変更が上書きされて消えにくくなることもあげられます。

問2 プッシュとプルは、それぞれどちらからどちらへ、コミットを送る操作ですか。

解答を見る

プッシュは、ローカルリポジトリ(自分のパソコン)からリモートリポジトリ(GitHub)へ、自分のコミットを送る操作です。プルは、リモートリポジトリからローカルリポジトリへ、ほかの人のコミットを取り込む操作です。

問3 mac で取り組む人は、TortoiseGit と GitHub Desktop のどちらを使いますか。また、その理由を答えてください。

解答を見る

GitHub Desktop を使います。TortoiseGit は Windows でしか使えないためです。


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第2章 開発環境の準備(TortoiseGit)

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【Git入門】目次

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