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【HTML入門】第1章 HTML と Web ページ

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Last updated at Posted at 2026-10-12

この章ではまだ HTML を書きません。Web ページがブラウザに表示されるまでの流れと、HTML と CSS の役割、この教材で使う HTML と CSS のバージョン、HTML を学ぶうえで必要な用語を理解しましょう。

この章で学ぶこと

  • Web ページがブラウザに表示されるまでの流れ(リクエストとレスポンス)
  • HTML と CSS の役割の違い
  • この教材で使う HTML と CSS のバージョン
  • タグ・要素・属性という用語
  • この教材で使う道具(Eclipse・Tomcat・Chrome)と、ファイルの置き方

1.1 Web ページが表示されるまで

Chrome などの ブラウザ で URL を開くと、Web ページが表示されます。このとき、ブラウザは自分でページを持っているわけではありません。ページのファイルを持っている サーバー に「このページをください」と頼み、送られてきたファイルを画面に表示しています。

ブラウザからサーバーへの頼みごとを リクエスト、サーバーからブラウザへの返事を レスポンス といいます。

ch01-1.png
図1-1 Web ページが表示されるまでの流れ(この教材の場合)

  1. Chrome で URL を開くと、Chrome は Tomcat に「このファイルをください」という リクエスト を送る
  2. Tomcat は、URL で指定されたファイルを読み出す
  3. Tomcat は、ファイルの中身(HTML)を レスポンス として Chrome に返す
  4. Chrome は、受け取った HTML を読み取って、ページを画面に表示する

ふだん見ている Web サイトでは、サーバーはインターネットの向こう側にある別のコンピューターです。この教材では、Tomcat というサーバーのソフトウェアを自分のパソコンで動かし、同じパソコンの Chrome から使います。

サーバーの側から考える

これまで皆さんは、ブラウザ(Chrome)を使う側でした。ブラウザを使う側から見ると、リクエストを送って依頼し、その結果をレスポンスとして受け取ります。

この教材では、皆さんはサーバー(Tomcat)の側に立ち、レスポンスとして返す HTML を作ります。サーバーの側から見ると、ブラウザからリクエストを受け取り、その結果をレスポンスとして返します。同じリクエストとレスポンスでも、立場によって「送る・受け取る」の向きが逆になるので、考え方を切り替えてください。

立場 リクエスト レスポンス
ブラウザ(Chrome)を使う側(これまで) 送る 受け取る
サーバー(Tomcat)の側(この教材) 受け取る 返す

URL の読み方

URL は、リクエストの宛先です。この教材では、次のような URL を Chrome で開きます。

http://localhost/html/ch03/hello.html
部分 意味
http:// ブラウザとサーバーがやり取りするときの決まり(HTTP)を使う、という意味
localhost サーバーの場所。localhost は「自分のパソコン」を表す
/html Eclipse で作るプロジェクトの名前(第2章で作る)
/ch03/hello.html プロジェクトの中の、ファイルの場所(ch03 フォルダーの中の hello.html)

【知識メモ】ポート番号

1台のパソコンの中では、サーバーのソフトウェアが ポート番号 という番号でリクエストを受け付けます。URL では http://localhost:8080/… のように : の後ろに書きますが、80 番だけは書かなくてよい決まりです。この教材では、Tomcat を 80 番で動かすので(第2章で設定します)、URL にポート番号は出てきません。

1.2 HTML とは

HTML(HyperText Markup Language)は、Web ページの内容と構造を書くための言語です。文章の中の「ここは見出し」「ここは段落」「ここは表」という部分を、タグ という印で囲んで表します。

次の HTML を見てください。どう書くかは第3章で学ぶので、ここでは雰囲気をつかめれば十分です。

hello.html
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>はじめての HTML</title>
</head>
<body>
  <h1>はじめての HTML</h1>
  <p>HTML で書いたページです。</p>
</body>
</html>

<h1> と </h1> で囲んだ部分は「見出し」、<p> と </p> で囲んだ部分は「段落」という意味になります。この HTML を Chrome で開くと、次のように表示されます。

hello.png
図1-2 上の HTML を Chrome で表示したところ

タグそのものは画面に表示されません。Chrome はタグを読み取り、見出しは大きく太い文字に、段落は普通の文字にして表示します。

【知識メモ】HyperText と Markup

HyperText は、リンクで別の文書へ移動できる文書のことです(リンクは第5章で作ります)。Markup は、文章に印を付けて意味を表すことです。HTML は、計算や条件分岐をするプログラミング言語ではなく、文書の内容と構造を表す言語です。

1.3 HTML と CSS の役割

Web ページを作るときは、HTML と一緒に CSS(Cascading Style Sheets)を使います。役割は次のように分かれています。

言語 役割 書く内容の例
HTML ページの 内容と構造 を表す ここは見出し、ここは表、ここは入力欄
CSS ページの 見た目 を決める 文字の大きさ、色、表の罫線、余白

次の2つの画像は、どちらも同じ HTML で書いた社員一覧の表です。図1-3 は HTML だけ、図1-4 は CSS で見た目を整えたものです。

list-plain.png
図1-3 HTML だけで表示した社員一覧

list-css.png
図1-4 CSS で見た目を整えた社員一覧

HTML だけでも、表の内容は正しく伝わります。罫線や余白、見出しのマスの背景色は、CSS で付けています。この CSS は第7章で作ります。表と CSS を使った社員一覧の画面は、第10章でもう一度作り、Spring入門 の社員管理アプリにつなげます。

1.4 HTML と CSS のバージョン

HTML のバージョン

HTML は 1990年代の初めに生まれ、HTML 4.01、HTML5 のように、番号の付いた版を重ねてきました。

今の HTML は HTML Living Standard です。主要なブラウザを作っている Apple・Google・Microsoft・Mozilla などが参加する WHATWG という団体が管理しています。Living Standard は、版を区切らずに少しずつ更新し続ける仕様なので、番号が付いていません。

もともとは、W3C という団体が番号付きの版の HTML を管理していました。2019年に両者が1つの仕様にまとめることで合意し、2021年に W3C は WHATWG の HTML Living Standard を正式な HTML の仕様として認めました。今は、HTML の仕様は HTML Living Standard の1つだけです。

第3章で、HTML の1行目に <!DOCTYPE html> と書きます。ここにバージョンの番号が無いのは、HTML の仕様が1つだけで、番号で区別する必要がないためです。

【知識メモ】「HTML5」という呼び方

書籍や求人などでは、今でも「HTML5」という呼び方をよく見かけます。多くの場合、今の HTML(HTML Living Standard)のことを指しています。

CSS のバージョン

この教材で使う CSS は、一般に 「CSS3」 と呼ばれるものです。CSS3 は正式な版の名前ではなく、CSS 2.1 より後に、機能ごとに追加・更新されてきた CSS をまとめた呼び名です。CSS では、どのバージョンを使うかを書く必要はありません。

今の仕様 よく使われる呼び名
HTML HTML Living Standard HTML5
CSS 機能ごとの仕様(CSS 2.1 より後に追加・更新されたもの) CSS3

Chrome は、これらの最新の仕様に沿ってページを表示します。最新版の Chrome を使っていれば、この教材で使うタグや CSS はすべて正しく表示されます。

1.5 タグ・要素・属性

HTML を学ぶうえで、まず覚えておきたい用語が タグ・要素・属性 の3つです。

ch01-2.png
図1-5 タグ・要素・属性

用語 意味 例
タグ < と > で囲んだ印。意味を表す部分を、開始タグ と 終了タグ ではさむ。終了タグには、名前の前に / が付く <p>、</p>
要素 開始タグから終了タグまでの全体。開始タグと終了タグの間にあるものを、要素の 内容 という <p>HTML で書いたページです。</p>
属性 開始タグの中に書く、要素についての追加の情報。属性名="値" の形で書く href="ch02.html"

図1-5 の下の例は、リンクを作る <a> タグです。href 属性で、リンク先のファイル(ch02.html)を指定しています。画面には内容の「第2章へ」だけが表示され、それをクリックすると ch02.html に移動します。

要素の名前は、タグの名前で呼びます。たとえば、<p> タグで囲んだ要素は「p 要素」です。終了タグを書かないタグもあります。これらは第4章で学びます。

1.6 この教材の進め方

この教材で使う道具

この教材では、次の3つのソフトウェアを使います。インストールと設定は、第2章で行います。

ソフトウェア この教材での役割
Eclipse(Pleiades All in One) HTML や CSS のファイルを作って書く。Tomcat の起動と停止も Eclipse から行う
Tomcat 作ったファイルを、リクエストに応じて Chrome に送るサーバー。Eclipse に同梱されている
Google Chrome URL を開いて、ページの表示を確かめる

Eclipse は、統合開発環境(IDE:Integrated Development Environment)と呼ばれるソフトウェアです。ファイルの作成と編集、サーバーの起動と停止などを、1つの画面でまとめて行えます。Eclipse は Java の開発でよく使われていて、Spring入門 でも使います。

ファイルの置き方

第2章で、Eclipse に html という名前のプロジェクトを作ります。第3章からは、プロジェクトの中に章ごとのフォルダー(ch03、ch04 …)を作り、その中にファイルを作っていきます。たとえば、第3章で ch03 フォルダーに作る hello.html は、http://localhost/html/ch03/hello.html という URL で開けます。

各章の進め方は、目次ページの「各章の進め方」のとおりです。

1.7 まとめと確認問題

まとめ

  • ブラウザがサーバーに リクエスト を送り、サーバーが レスポンス(HTML)を返すことで、Web ページが表示される
  • この教材では、自分のパソコンで動かす Tomcat がサーバーになる。URL の localhost は自分のパソコンを表す
  • HTML はページの内容と構造を、CSS はページの見た目を書く言語である
  • 今の HTML は HTML Living Standard。番号の付いた版は無い。CSS は一般に CSS3 と呼ばれるものを使う
  • タグ は < と > で囲んだ印、要素 は開始タグから終了タグまでの全体、属性 は開始タグの中に書く追加の情報である

確認問題

問1 ブラウザからサーバーへの頼みごとと、サーバーからブラウザへの返事を、それぞれ何と呼びますか。

解答を見る

頼みごとは リクエスト、返事は レスポンス です。

問2 URL http://localhost/html/ch05/index.html を開きました。localhost と html は、それぞれ何を表していますか。

解答を見る

localhost は、サーバーの場所が自分のパソコンであることを表します。html は、Eclipse で作ったプロジェクトの名前です。この URL は、html プロジェクトの ch05 フォルダーの中の index.html を指しています。

問3 HTML と CSS の役割の違いを説明してください。

解答を見る

HTML はページの内容と構造(見出し、段落、表など)を表し、CSS はページの見た目(文字の大きさ、色、罫線、余白など)を決めます。

問4 今の HTML の仕様は何と呼ばれていますか。また、バージョンの番号が付いていないのはなぜですか。

解答を見る

HTML Living Standard です。版を区切らずに少しずつ更新し続ける仕様なので、番号が付いていません。

問5 <a href="ch02.html">第2章へ</a> について、次のものを答えてください。
(a)開始タグ (b)終了タグ (c)属性名 (d)属性の値 (e)要素の内容

解答を見る

(a)<a href="ch02.html"> (b)</a> (c)href (d)ch02.html (e)第2章へ


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目次

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第2章 開発環境の準備

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