この記事について
この記事は34歳未経験のおじさんが第一志望の自社開発企業に内定を頂いた話しです。私のように現状に危機感を覚えたりしてプログラミングを勉強している方の参考になれば幸いです。
あくまで転職活動を通しての個人的見解なので異論、反論は謹んで認めさせて頂きます。
そしてこの記事は30代未経験が転職をする為の近道になるものではありません。あくまで考え方についてや転職市場の情報を記載したものです。近道を探してる方は 「エンジニア 転職 3ヵ月」 とかで検索してみて下さい。
そこで出てきた検索結果に飛びつきたくなると思います。
しかし絶対不幸なります。
20代前半はまだそれほど技術がなくても「ポテンシャル採用」の希望があります。
30代のエンジニアへの転職に必要なのは個人的に以下の3つ
- 前職での経験・・・マネジメントや課題解決能力など、プログラミングスキル以外でも活躍の幅があるか?
- 自走力・・・どの企業も教育コストは将来のある若者にかけたいです。おじさんは勝手に成長しまししょう。
- 現状のスキル感・・・もちろんクラウドワークスに応募してる訳ではないので、簡単なLPとかメモアプリとかだと採用担当者の目にも止まりません。
そう、つまり30代エンジニア転職において「近道」はない。
甘えや迷いを捨てて日々のインプットとアウトプットの繰り返し。これだけです。
大丈夫。出来ます。これから自分の基本スペックを紹介します。
カス過ぎてヤバいです。そんな自分でも出来たから大丈夫です。
初期スペック
パソコンのスキルはExcel、Wordの基本操作とパワーポイントで普通に資料作れるくらいでした。
タイピングもほぼ人差し指ですね。
寿司打で得した事はありません。
プログラミングももちろんやった事ないです。
関係ないですがパチンコ屋で働いてたクセにパチンコ嫌いだったのでパチンコの知識もありません。笑
マジで初期スペックはヤバいです。よくやったと思います。
学習初期はTwitterで転職を成功されたアカウントにDM送りまくって色々聞いてました。
転職理由
私の勤めているパチンコ産業は衰退産業です。そして世間的なイメージも良いとは言えないですね。
唯一の救いは転職回数は0で「継続力がある」という強みのエビデンスにはなりました。
職場環境は激ホワイトです。コロナ禍でボーナス全支給。残業ほぼ0。
私は課長職で給料は手取りで30万ちょいですかね。
人間関係もめちゃくちゃ良くてプライベートでも一緒に旅行とか行ったりしてました。
普通に楽しかった。
毎日決まった時間に行って決まった時間に帰れば特に不自由なく暮らせます。
だ・け・ど・そこが落とし穴
毎日ぬるま湯に浸かって脳死状態で働き続けて、気付いたら40~50歳になってる未来が見えました。
同役職の先輩課長達を見てるとさらに危機感が込み上げてきました。
そうなると将来は会社を支えるフリをして会社にしがみつく事しか出来ない存在になります。
そもそも衰退産業で仮にキャリアアップしても自分の市場価値が上がる事にはなりません。
つまり、会社の看板が外れたら何もできない40~50歳のおっさんの出来上がりです。
なぜ、来月も来年も同じように給料が振り込まれると思い込んでいるのか不思議でした。
その様な環境から猛烈に脱出したくてプログラミングを開始しました。
なぜ自社開発か
ここで主な職種を3つ紹介
SES
ソフトウェアやシステムの開発・保守・運用などの特定の業務に対して企業にエンジニアを派遣します。
勤務形態や服装など派遣先の規定に従います。
まぁ、よくブラックとか聞きますがSESがどうと言うよりその企業がおかしいんでしょって感じです。
SESに転職をしたいなら 「転職エージェント」 を使いましょう。
なぜかというと、転職エージェントは応募者が内定するとその人の年収の約30%とかエージェント側が貰えます。
たとえば年収400万だと120万ですね。
これは新卒の慶応義塾大学生を1人採用するコストと同等だそうです。
なのでエージェントを使って募集してるSES企業は比較的ちゃんと面倒見てくれます。
120万払っておっさん採用して放置とか、あまり意味わからないですからね。
「おっさん放置株式会社」に社名変えた方が良いです。
おススメは「michibiki」というエージェント。まだSEO等に力いれてないのであまり知られてないです。
よくあるエージェントは大量の求人をよこし、さっさと内定させようとしますがここは違います。本当に。
私も当初michibikiを利用しようとしましたが、私が自社開発をメインで応募している事を相談すると「じゃあ、エージェント使わないでまずは自分で活動した方が良い」とアドバイスをして頂き、「あなたのポートフォリオなら一ヵ月以内にたぶん見つかるはず」と背中も押してもらえました。
悪い言い方をすれば私は「目の前のお金」です。それを自ら手放すという事は本当にお客様の事を考えているんだと思います。
私はサイトに行っても利用の仕方がわからなかったので問い合わせフォームから直接問い合わせました。
受託開発
主にクライアントからの要望を聞いて、使用技術もこちらで決めて開発していく。基本的に自社内での業務です。
エンジニアとしては受託が一番成長できるかなと思ってます。モダンな技術とかも触れやすい環境ですし。
ヒアリングからリリースまで全ての工程にタッチできる。
あとは色々なクライアント企業との人脈も広がる。
デメリットは納期はクライアントの要望に左右されるのでリリース重なると忙しいかも。
後は開発したものがヒットしてお金を生んでも、それはもちろんクライアントの懐へ。
自社開発
サービスの立ち上げ時期にいなかったら既存サービスの修正や追加機能の開発がメイン。
たまに思いっ切ってリプレースや言語変えてみたり。
特定の言語に偏りがち。狭く深く。私の交友関係みたいな。
でも自分のアイデアやスキルが自社の業績に直に反映される。
ユーザーの課題を直接解決できるし、自社サービスが社会貢献してる実感湧きやすく、帰属意識が芽生えやすい。
色々な部門があっても一つのKPIを追ってるところが多く、ビジネススキルが付きやすい。
将来起業を考えてたりする方向け。
受託の場合は一部のリーダーやマネージャーのみがクライアントとやり取りするが自社開発は社内で活発なコミュニケーションが可能なので自社サービスの成長に携われる。あとは納期にも融通が利く。
て感じで私は自社開発が良かった。
あえて言うなら受託と自社だとエンジニアとしての成長かビジネスマンとしての成長かみたいな違いだと思います。
自分はせっかく前職で身に付けたビジネススキルも生かしたかったので自社です。
でもキャリアパスに差はあまりないようで受託と自社を行き来するエンジニアもいるみたいです。
勉強の仕方
32歳から1年半ほどプログラミングを勉強しました。
総学習時間は2000時間ちょいだと思います。
1年半が約540日なので 2000÷540=3.7
1日平均3.7時間勉強してますね。
まぁ、働きながらだと最初はきついかもしれないですね。
平日3時間土日7~8時間て感じで週30時間は勉強してました。
これは勉強開始して半年くらい経ってからの勉強時間ですね。
それまではもっと少ないです。最初はインプット中心なのでつまらなくてあまり勉強できませんでした。
ある程度自分で考えたものを作れるようになったら結構楽しくなりますね。
最初はProgateやらドットインストールでさらっと基礎やってましたが
やっぱり自分で手を動かしてるようで結局インプットなんですよねあれらは。
人が成長するにはアウトプット以外ないです。「知ってると出来るは違う」ってやつです。
Progateやドットインストールは1ヵ月くらいで辞めてプログラミングスクールを利用しました。
「ウェブカツ!」というプログラミングスクールです。
今回は特に自分が利用したスクールをおススメするわけではないので興味あれば覗いてみて下さい。
力は付きます。
ちなみに途中で自分の単価感掴む為にクラウドワークスで案件取ったり知人の案件手伝ったり。
あと他のスクール生さんより異様にアウトプットの一環で寄り道多かったりなのでそれらなければ一年でスクールは卒業して転職活動行えてました。
ウェブカツの卒業に2000時間かかるわけではございません。
勉強してたりアウトプットしてると必ず壁にぶつかります。
でもその壁はアナタが人類で初めてぶつかる壁な訳はないですよね。
ちゃんとググれば出てくるはずなので乗り越えましょう。
エンジニアとして必須スキルは基本的なところを理解してればググれば「なんでも出来る」事だと思います。
ポートフォリオ
これめっちゃ大事ですね。
一つだと心もとないので出来れば2つくらい欲しいかなって感じです。自分は3つ作りました。
昨今は 「出来る未経験」 が増えてて採用担当の目も肥えてます。
「このくらい出来る未経験がいるんだ。じゃあこれ以下はアウトだな」って感じでたぶん年々基準は上がっていく気がします。
開発企業に入りたいならば「魂のこもった簡単なマッチングサービス」くらいのレベルは最低限必要だと思います。
だいたい10個くらいのテーブルが存在する様なWEBサービス。それに加えてER図やアーキテクチャ図も載せましょう。
以下の様なツールを探しましょう
ER図無料作成ツール
https://laraveldb.com/index.php
アーキテクチャ図無料作成ツール
https://app.diagrams.net/
私のポートフォリオの一つです。
https://re-foods.com/
(AWSの料金が地味に痛いので現在は閉じてます)
それをまとめたQiita記事
https://qiita.com/chakiryou/items/cebcbe6d01fd6860e265
「魂のこもった」っていうのはスクールで出された課題をただこなしたものではないって事です。
以下の手順で作るのが良いと思います。
1、ペルソナ設定(どこに住んでてどんな職業でどんな性格で何が好きかetc・・・)
私はひとまず、近くの良く行くお好み焼き屋さんのおばあちゃんにしました。
2、そのペルソナの困りごとを考える。聞けるなら直接聞く。
3、その困りごとを解決できたり少し楽になるサービスを作る!
4、もがき苦しみながら実装する。
これ大事ですね。自分で考えてもがき苦しむの。面接時に実装で苦労した点とか結構聞かれるのでそれに納得性が出ます。
あとは技術的な質問にも答えやすくなります。
行きたい企業さんがだいたい決まってるならそこの開発実績など見て使用言語を選んでください。
「rubyは衰退言語」とか言われてますがまだ全然使われてる企業はあります。
結構感触の良かったポートフォリオは上記のLaravelを使用したポートフォリオともう一つ、現職で従業員の接客を全社員が共有できるサービスです。以下の様な簡単なCRUD機能+Ajaxを利用したサービスです。
1、従業員がお客様に喜んでもらった接客を終礼の場などで発表
2、その接客内容をWEBサービスに登録
3、全社員がそれを見て「いいね」等のアクションを起こす。
バックエンドはプレーンなPHPのみで書いてコードは見られたものではないですが、実際にエックスサーバーに上げて運用しました。
従業員から喜んでもらえた体験がWEB開発企業へ転職したい気持ちをさらに大きくしました。
この様にIT企業にいなくてもプログラミングを使って何を考え、何を作ったかは非常に重要だと思います。
プログラミングで世の役に立つという 思考 は今からでも身に付きます。
例えば紙ベースの社内報を毎月全社員に配ってるなら、それはWordPressのテーマ作ってあげて、それをカスタマイズしてもらって、サーバーにアップして全社員がPC上やスマホで見られる様にすれば紙で作るより経費削減になりますよね?
アンテナを張ってれば今働いてる会社の問題点とかが見えてきてそれを解決する為のサービスとか、その時持ってるスキルで意外と作れちゃいます。ある程度学習進めてればですけどね。
「作る」→「使ってもらう」 の流れはエンジニアだったら必ず経験します。
それを未経験なりに体験しておくのは大きいと思いませんか?
別に上司に言う必要ないですよ。アウトプットの一環として家で勝手に作っちゃえば良いんですから。
使われなかったらそれでもいーし。ITの知識のない上司や同僚に説明する力も付くし。
例えばエンジニアとして働いていて、非エンジニアへの説明の機会だってあると思います。それの特訓にもなる。
ていう感じでパチンコ屋とは思えない業務を勝手にやってました。
面接対策
これはもう「慣れ」です。自分が失敗したのは志望度の高い企業を最初にどんどん応募してしまって、後の方になると志望度の低い企業が多く残ってる。なんてパターンになりかけました。
なので、志望度の高い企業で面接慣れして、そこで付けた力を志望度の低い企業で発揮して内定を頂くという意味不明なスパイラルに陥りました。
最初の5社くらいは志望度の低い企業で練習くらいの気持ちでやってみるがおススメです。企業からしたら迷惑ですが。
鉄板で聞かれるのは以下の事
1,転職に至った理由(退職理由)
自分の場合は最初に述べた通り、激ホワイトの会社だったので、別に会社が嫌だった訳はなく、成長産業に身を置きたい想いを胸を張って言えました。当然ですが、「嫌だから辞めた」というニュアンスで捉われるとダメです。うちでも嫌なら辞めるんだなと思われます。
2,なぜエンジニアか
これも聞かれます。「それならエンジニアじゃなくても良いんじゃない?」って思われたら採用されないですよね。
自分は社内でWEBサービスを作った経験だったり、ロジカルに物事を考えるのが好きだったのでその辺りを答えました。
エピソード交えると信憑性あがりますね。「こういう体験してこうだったからエンジニアが良い」みたいな。
3,志望理由
前提として採用担当者も応募サイトや企業サイトからの情報しかないんだろうなってのはわかってると思います。その中でなぜこの会社に応募したのか知りたいはずです。
これも志望度の高い企業の場合は自分のエピソードを絡めた方が良いかなと思います。
テンプレみたいに「御社の企業理念に大変共感して~」ではなくですね。
自分はパチンコ屋という職業に後ろめたさもあり、地域貢献や社会貢献をしてる実感がなかったので、少子高齢化対策に寄与してる企業などには、そのまま自分の今までの会社でのモヤモヤと、これからはこういう企業で働きたい。だから御社だ!って感じでした。
わかりずらくてすいません・・・
4,今後のキャリアプラン
今後は独立したいなんて言わない様にしましょう。何の為に採用するかわかりません。ちなみに私は言いました。
これも会社でできる事と採用者のキャリアプランのミスマッチがあると印象が悪いです。
ドラゴンボールの世界で「俺は海賊王に~」なんて言ったら仲間外れにされます。
5,技術的な質問
これはテストがある企業もあるし、面談の中で聞かれる場合もあります。
面談の中では主にポートフォリオや学んできた技術に関しての質問です。
LaravelとVue.js学んできたのにjavaの質問ばかりとかはないです。
ポートフォリオに関して
PFに関しては「なぜこれを作ろうと思ったか」「実装でつまづいた点」や「インフラの構成」、「実装に関しての課題」などを聞かれました。
プログラミングスクールの課題をそのままポートフォリオにしてるとここら辺は中々答えられないと思います。
大事なのでもう一度書きますが
1、ペルソナ設定(どこに住んでてどんな職業でどんな性格で何が好きかetc・・・)
私はひとまず、近くの良く行くお好み焼き屋さんのおばあちゃんにしました。
2、そのペルソナの困りごとを考える。聞けるなら直接聞く。
3、その困りごとを解決できたり少し楽になるサービスを作る!
4、もがき苦しみながら実装する。
この手順でPFを作れば面接ではそれほど苦労しないと思います。
その他技術的な質問はコチラにまとめてます。
応募書類
履歴書はネットで検索してある程度型を作ったら志望動機だけ企業によって変えてた感じです。
職務経歴書はこの方のnoteを参考にしました。
お金掛かりますが大した金額じゃないですし実際これを参考にしたら書類通過率は感覚的には7~8割だったと思います。
極端に書類通過率低い時は履歴書や経歴書の書き方というより単純なスキル不足の可能性が高いです。
「書類通過率低いなら母数増やそう!」みたいな感じで今のWEB制作界隈みたいな考えは違うと思います。
あなたはその先の「開発」の領域に行きたいのなら尚更自分のスキルと向き合うべき。
一度立ち止まってスキルやポートフォリオをブラッシュアップしてみましょう。
絶対それが一番の近道。自分もその覚悟はありました。
Twitter等で同じく転職活動しているアカウントと繋がって情報交換やスキル感を確かめましょう。
その方達がアナタのライバルです。
心構え
企業が求人を出している以上は30代未経験のおじさんでも「選ぶ権利」はあります。むしろ30代だからこそ企業選びに妥協は出来ない。ここまで勉強を頑張ってきたのに「Excel,Wordが出来ればOK!」みたいな企業に転職できたとしてもどんな業務を任せてもらえるかわかりません。
どうせならコードを書けてエンジニアとして成長できる企業が良いと思います。
テスト等を出来るならまだ良いですが、書類のコピーやら、封筒の詰め作業などで1日終わるような所に転職するのだけは避けて頂きたい。
とはいえ、折り合いを付けなければいけないタイミングもあると思いますが、自分を信じてなるべくこだわった方が幸せだと思います。
最後に
転職活動の最終スコアは以下の通りです。
応募・・・20社
書類通過・・・7~8割くらい?
最終選考・・・5社(うち1社は選考辞退)
内定・・・3社(SES 2社、自社開発 1社)
活動期間は約1カ月です。
はっきり言って簡単じゃないです。
ひたむきにちゃんと勉強する事が大事。
辞めなければ絶対大丈夫。
心配になって変なコミュニティに入る事は「行動」でもなんでもない。
「マインドセット」なんていらない。ただちゃんと毎日勉強するだけ。
てか「マインドセット」ってなんやねん。
まぁ、コミュニティ入ること自体は良いんですがそこの主催者を崇拝しない事。
その人の軸でしか生きられなくなる。
その人に認めてもらったり、褒めてもらう事が目的になる。
そうならない為にもあくまで「利用してやる」精神は忘れない事が重要だと思います。
そのコミュニティに利用するだけの価値があるかは別としてですが。
結論
ちゃんと勉強する