エンジニアはものづくりで貢献することが好き。
程度の違いはあれど、誰もが自分のテクで、チームに、プロジェクトに、ユーザーに貢献したいという想いはあると思います。そんな想いで活動していて、「あれ?なんか思っていたのと違うな?」という状況に陥ったことはありませんか?
バッドストーリー
フェーズ1:ネタを見つけて対応する
ある日あなたは、それほど関わりのないチームでの困りごとを発見します。それは Excel マクロなのか bookmarklet なのか Shell なのか分かりませんが、何かしらの手段を講じれば自動化できそう。
そんなわけで空き時間を見つけて対応。共有して使ってもらい、「おお、これは便利」という声をもらいます。「もうちょっとこんな風にしてほしいんだけど…」という声にもタイムリーに対応。
チームの作業は効率化され、あなたは承認欲求が満たされ、なかなか良い感じです。これは幸せになれるかもしれない。
フェーズ2:色々なことに首を突っ込み出す
自分が貢献できるネタは色々なところに転がっているのではないか?そんなあなたは嗅覚するどくネタを発掘し、次々に技術面からの対策を打っていきます。
顔も広がり、あなたは求められる存在に。
フェーズ3:手を広げすぎて対応しきれなくなってくる
そうはいっても半分ボランティアの活動。あなたは主たる業務があります。便利マンだけになっているわけにはいきません。色々なチームから、提供したツールの改修・改善依頼が飛んできますが、複数ネタを一気にさばくのは難しい。
必死に時間外にも対応しますが、後手後手の対応にならざるを得ません。これはまずい。
フェーズ4:各所からのヘイトが溜まってソウルジェムが濁る
便利機能を提供していたはずが、「それがあって当たり前」のモノになってくると、動かないことに対しての鬱憤が溜まります。その鬱憤はあなたにむけて発せられ、人づてに悪い評判も耳に入ってくるようになります。
おかしい、皆の幸せを追求したはずなのに、なんでこんなことになっているんだ。
魔女(あるいは魔王)の誕生です。
落とし穴
エンジニアはものづくりで貢献することが好き。
ときにこれが落とし穴になることがあります。
あなたには自己顕示欲は無いかもしれません。けれど「自分が作ったもの」で貢献したい、という想いはあるかもしれない。これが罠です。
こんなバッドエンドにならないために、意識しておくと良いことを紹介します。
対策
対策1:相手に「仕組み」を共有する
あなたが提供するものが何なのか、どう動くのか、修正したい場合はどこをどう直すのかも共有してしまいましょう。メールやチャットで共有するのではなく、時間を取って対面で、目の前で実際に修正する様子を見せてあげると効果的です。いきなり全ては引き取ってくれることは期待できないかもしれませんが、そのうち、自分たちでメンテナンスできるよう期待して、オープンに共有していきましょう。
対策2:仲間を増やす
自分ひとりがヒーローになる必要はありません。同じ問題意識を抱えた仲間を作りましょう。相互に貢献できる組織が作れるように、仲間を増やしていきましょう。自分1人しかメンテナンスできないものを作らないことが理想ですね。
まとめ
あいつら本当に好き勝手いいやがって!
そんな一言が口をついて出たら、もしかしたら視野が狭くなってしまっているかもしれません。
もともと、皆の幸せを追求していたはず。
原点に立ち返って、その実現のためには何をすべきか?を考えられると良いですね。
年の瀬に、チームのあるある話を書いてみました。
※この話はフィクションです