前置き
この頁はゲームプラットフォームQAの特徴について記載していく。
対象としては長期運用しているプラットフォームであり、新規開発の際のQAでないことは念頭に置いていただきたい。
Part1.ゲームアプリQAとの違い
Part2.イレギュラーテスト
ゲームプラットフォームQAの一大イベント
Part3はゲームプラットフォームQAにおける一大イベントについて記載する。
(宣言していた課金機能周りではなく申し訳ございません)
ゲームプラットフォームQAの大規模施策は
年一で必ず到来するイベントと数年に一度発生するイベントの2種類が存在する。
具体的な施策は下記になる。
- 年一で必ず到来するイベント
- 新ガジェット発売
- 新OSリリース
- 数年に一度発生するイベント
- 法改正
- 規約の大幅な変更
- 新課金機能導入
新ガジェット発売
新しいスマートフォン発売などがこれにあたる。
上記の中でも新規機能が搭載されている場合や新iPhoneが発売される場合は温度感が非常に高くなる。
特に林檎信者の多い日本ではiPhoneへの感度が非常に高く、多くの開発チームから依頼が来るため
ガジェット数起因でテストが止まらないよう必要数を事前に調査しておく必要がある。
意識すべき点として検証タイミングがリリース後となるため検知した不具合がそのまま市場不具合になってしまう。
そのため不具合の影響を可能な限り小さくする必要があり
前端末との機能差異などを参考にしつつ事前に検証項目に優先度をつけて効率的にテストを実施する場合が多い。
新OSリリース
新OS、特にスマートフォンの主要OSであるiOSとAndroidの新Verリリースがこれにあたる。
iPhoneの場合など上記のガジェット発売と連動することも多く、必然的にテストが立て込むことになる。
同じOSとはいえiOSとAndroidとでは意識すべき点が異なってくる。
新iOSで意識すべき点として全iPhoneが一斉にアップデートされる
そのため新OS上で問題があった場合に広範囲に影響が出てしまうためβ版などで事前にテストを実施する必要がある。
対して新Androidで意識すべき点として一斉アップデートではなく一部スマートフォンから順次アップデートになる。
そのためユーザーに影響が出始めるのがiOSに比べて非常に遅くなる。
QAとしては喜ばしいことなのだが、その弊害として開発側の温度感が低くなる傾向になり
QA側でスケジュール管理をしないとグダグダになる危険性があることは注意が必要である。
法改正
消費税の増税などがこれにあたる。
基本的には「〇月1日0時から新しい税が適用されます」というケースが多くテスト項目数も膨大になるため
深夜対応と大規模な検証リソースの管理が約束されたイベントになる。
意識すべき点として上記のように深夜の大規模稼働になる場合が多いので
事前からのリソース調整と深夜稼働体制の確立が必須となる。
規約の大幅な変更
Google/Appleの規約変更がこれにあたる。
例としてはそれぞれのプラットフォームで専用通貨の設定が必要になった規約変更が記憶に新しい。
意識すべき点としては法改正の場合と同様にリソース調整と深夜稼働体制の確立に加えて
綿密な影響範囲の洗い出しが必要になることが多い。
規約を参照している箇所や規約へのリンクが存在するページは非常に多いため
漏れがないように事前に開発側と認識を合わせてテスト内容をすり合わせる必要がある。
新課金機能導入
文字通り新しい課金機能の導入がこれにあたる。
月をまたぐことで課金額がリセットされることの確認などが発生するため
記載したイベントの中で唯一リリース時のテストが複数月にまたがることが約束されている。
また課金額のリセットなどが基本的に1日の0時であることや
ユーザーへの影響を最小限にとどめるために深夜リリースになる場合が多いことから
複数回の深夜対応が発生する場合が多い。
意識すべき点としてシステムの作りにもよるがゲームプラットフォームとGoogle/Appleの表記が連動していないことがある。
そのためゲームプラットフォーム上で"100円"と記載されていてもGoogle/Apple上では"200円"で設定されているケースがあるためそれぞれの画面上での確認が必須となる。
また他の課金機能に影響が出ることもあるため影響範囲のすり合わせおよびリグレッションテストは必ず実施することになる。
最後に
どのゲームプラットフォームQAでも上記のイベントが発生することになると考えられる。
そして各項目に記載したように細かい調整や体制の検討、さらに都度の深夜対応が必要になるため
頭も体も疲弊する覚悟をもって臨んでいただきたい。
Part4ではゲームプラットフォームの課金機能周りのQAについて記載する。