はじめに
この記事は FOSS4G Advent Calendar 2024 12日目の記事です。
FOSS4G GlobalイベントであるFOSS4G Belem 2024に現地参加してきたので、雰囲気や内容について共有します!
FOSS4G Globalとは
概要
- 毎年開催されている世界規模のFOSS4Gイベントです
- 今年はBrazil, Belemで開催されました
- 期間は 12/2~12/08 でした
日程
- 12/2-12/3
- ワークショップ
- 12/4-12/6
- メインセッション
- 12/7
- コミュニティスプリント(もくもく会)
ワークショップ
私たちは12/3の午前中のワークショップに参加し、午後のワークショップの講師を務めました。
私たちのワークショップについては、またどこかで笑
会場
IFPA: Instituto Federal do Pará, Campus Belém(パラー連邦工科大学)
なんというか、年季を感じる建物でした笑
はじめに受付でワークショップの受付をして、教室に移動しました。
参加したワークショップ
「Deep Dive into Cloud-Native Geospatial Raster Formats」というタイトルのワークショップに参加しました。
Cloud Optimizedなデータフォーマットについての紹介の後、Jupyter Notebookを使いながら、Tiff, COG, Zarrのデータ構造やプロパティなどを解説していました。
フライトの疲れとジェットラグもあり、あまり集中して聞けなかったので後日ゆっくり振り返ります・・涙
資料はこちら!(公開されています!)
メインセッション
ここからは、私が聞いたセッションのうち一部を紹介します。
発表は英語でした。聞きながら、ChatGPTに翻訳&要約してもらいました。内容少し違う部分があったらごめんなさい!
会場
Hangar Convention Center
とても綺麗な会場でした!
GeoHealthCheck - QoS Monitor for Geospatial Web Services
GeoHealthCheckは、OGCウェブサービスや他のウェブサービスの稼働状況や品質をモニタリングするためのオープンソースツールです。
FlaskベースのWebアプリケーションと、バックエンドで動作するスケジューラ「Runner」によって構成されています。
主な機能には、サービスの稼働率の監視、ダウンタイムの履歴分析、通知(メールやWebhook)機能が含まれます。また、プラグインを使って独自のチェックを追加可能です。インストールはDockerを使用する方法が推奨され、軽量かつ柔軟にカスタマイズ可能です。
現在、UIとAPIのアップデート、さらにPrometheusなどの外部モニタリングツールとの統合が計画されています。また、コードを拡張したり、翻訳を追加したりして、コミュニティがプロジェクトに貢献できます。
How open-source GIS drives better results for children
ユニセフでは、地理空間データを効率的に処理し、地図化可能にすることで、そのデータを実際に活用できるものにしています。それは子どもたちが気候変動や洪水の影響をどれほど受けているか、または学校へのアクセスがどれほど限られているかなどの重要な質問に答えるのに役立ちます。
Azureベースのソリューションを含むパイプラインインフラを整備していましたが、ライセンス費用やスケーラビリティなど、クローズドソースソフトウェアの課題を考慮し、オープンソースの地理空間ソリューションに大きく投資しています。
その一例が「GeoReports」というプラットフォームで、これはユニセフが生成する多くの指標データ(子どもの貧困、教育、健康、予防接種済みの子どもの数など)を地理的にコード化して管理する基盤となっています。世界中で活動する中、このようなデータを統一的かつ体系的に地図化することは非常に重要です。
また、2つ目のプラットフォームであるGeoSiteについても紹介します。これはセルフサービス型のプラットフォームで、ユーザーは自分の企業認証やアカウントを使って簡単にログインし、数分で地図やダッシュボードを作成できます。時間ごとの指標を地図化し、色分類や可視化方法をカスタマイズできるなど、非常に柔軟です。GeoReportとGeoSiteの技術基盤はPostGIS、Django、React、MapLibreで構築されており、両プラットフォームはGitHubでオープンソースとして公開されています。
これにより、ユーザーはデータを簡単に比較したり、新しい指標をリアルタイムで計算したりできます。例えば、指標間の加重平均を計算するレイヤーでは、ユーザーが重みを変更すると、それに応じて結果が即座に更新されます。
ユニセフがGISやオープンソースソリューションを活用している具体例をいくつか簡単に紹介します。例えば、ハリケーンやサイクロンが子どもや子ども関連サービスに与える潜在的な影響を予測するプロジェクトがあります。NOAAと協力してサイクロンデータを取得し、リスクレイヤーやミッションレイヤーと重ね合わせることで、影響を予測し、準備を進めています。
また、ザンビアでは、空間分析とQGISなどのツールを活用して、早期幼児教育センターの最適な立地を特定するプロジェクトを行いました。この分析により、影響が最も大きい場所を特定し、マップやオンライン製品を作成しました。
Enhancing Geospatial Data Processing with Python: A Case Study using IBGE data
- Pythonライブラリの活用
- GeoPandas: 地理情報データの操作に便利なライブラリで、ShapefileやGeoJSON形式のデータの読み込み、編集、空間演算が簡単に行えることが紹介されました。
- Rasterio: ラスター形式のデータ(衛星画像や地形データなど)の処理に特化しており、効率的なデータ抽出や変換に役立つと説明されました。
- Fiona: データのI/O操作に適しており、特に大規模データを扱う際に有用であると述べられました。
- Apache Airflowを用いたワークフローの管理
- Python以外のアプローチとして、Apache Airflowのようなワークフロー管理ツールを使用することで、大量の地理情報データ処理を効率的にスケジューリングし、エラーを最小化しながら実行できる方法が紹介されました。
- 例えば、AirflowのDAG(Directed Acyclic Graph)を使ってデータ収集、前処理、分析、結果のビジュアライゼーションを一連のプロセスとして管理する例が挙げられました。
おわりに
FOSS4Gのグローバルカンファレンスの参加は初めてで緊張しましたが、とても楽しかったです!
ワークショップもトークも初めて聞く内容が多く、とても勉強になりました!
現地の雰囲気については、よければ以下のページをご覧ください