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【建築士×ChatGPT】DXF解析の次は「めり込み」だ。LN根拠から検討書作成までをHTML1枚で自動化するツールを作った

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7倍壁時代の柱脚めり込み検討を、HTML1枚×根拠の連鎖で通すための計算ツールを作りました


いますぐ試す(ダウンロード)

  • ✅ 単体HTML:githubからをダウンロードしてローカルで実行(インストール不要)
  • ✅ 説明資料:マニュアル(同梱)

この記事で言いたい結論(先に)

  • 審査で本当に詰まるのは「めり込み式」ではなく「長期軸力(LN)の出処」です。
  • 「多め多め」で通すと、過剰設計→コスト増になりやすい(物価高の今、ダメージが大きい)。
  • だから今回は、“合理的に説明できる範囲で”根拠をつなげて
    「審査が進む」「現場が過剰仕様になりにくい」 形に寄せたHTMLツールを作りました。
  • さらに、過去に自作した 柱の負担面積(DXF)ツールをLN根拠側に流用でき、一本の線でつながります。

背景:2025年改正で「審査が図書を見る」世界になった

2025年4月施行の「4号特例見直し(新2号・新3号)」で、従来“省略されがちだった領域”が見直され、確認申請の審査対象・提出図書が拡大しました。

これにより現場で起きたことは単純で、
「これまで黙認されていた“入力値の根拠不足”が、普通に指摘される」 ようになりました。


7倍壁時代の“めり込み”が、なぜ炎上しやすいか

壁倍率が大きい(例:7.0超)耐力壁は、壁端部柱脚に圧縮力が集中しやすく、
土台の繊維直交圧縮(めり込み) が支配的になりがちです。

そして、ここで登場するのが「HTML1枚で計算できるめり込みツール」ですが――


問題:HTMLツールが“ブラックボックスLN”を生む

めり込みの式(右辺)が合っていても、審査で聞かれるのは結局これです。

「この柱の LN(長期軸力)はどこから来ましたか?」

つまり、
計算の自動化が進むほど「入力値(LN)の正当性」が狙われる構図になります。

さらに現場では、ありがちな“事故”が起きます。

  • 引抜き(N値)側では「軽い方が危険」→ LNを小さく見たくなる
  • めり込み側では「重い方が危険」→ LNを大きく見たくなる
  • 結果:同じ柱でLNが二重基準になり、整合性で詰む

ここが、審査のチェックメイトポイントです。


そこで今回:LN根拠を“提出できる形”でつなぐツールにした

今回作った merikomi_calc.html は、めり込み判定そのものだけでなく、
LNを合理的に説明できる範囲で作る導線を内蔵しました。

目指したのは「根拠の連鎖」

  1. 負担面積(A):DXF柱負担面積ツールで算定(既存Qiita記事のソフト)
  2. 上部構造荷重(w):根拠のある表(指針等)から選ぶ(ツール内で選択肢化)
  3. LN算定LN = A × w を明示(単位つき)
  4. めり込み検討:LNをそのまま使う(転記ミス防止)
  5. 提出:印刷(PDF保存)で「柱めり込み検討書」を出す

LNの作り方(最小で“審査に耐える”形)

1) 基本式(ツール内の計算)

  • 負担面積:A (m²)
  • 上部構造荷重:w (kN/m²)
  • 長期軸力:LN = A × w (kN)

ツールでは、Aw を入れると LN を自動計算し、計算書に根拠として残せます。

2) w(kN/m²)の扱い:P=1.3 を足した実務形

本ツールでは、上部構造荷重 w を「P=1.3(柱・基礎計算用)加算済」の選択肢として持たせています。
(この整理は、実務の“迷いポイント”を潰すためです)

  • 5.3(=4.0+P1.3):一般地域の平屋
  • 8.3(=7.0+P1.3):一般地域の2階建/多雪区域(積雪100cm)の平屋
  • 11.3(=10.0+P1.3):一般地域の3階建/多雪区域の2階建
  • 13.8(=12.5+P1.3):多雪区域の3階建

出典として、上部構造荷重の考え方は「小規模建築物基礎設計指針(日本建築学会)」等に基づく整理です(詳細は同梱 manual.html にまとめています)。


よくある論点:「1階床の重さ」は1階柱脚LNに入る?

ここ、現場で一番“多め多め”が発動しやすいところです。

  • 一般的な荷重経路の整理としては、
    1階床の自重・積載は、床梁→土台→基礎に流れるため、
    「1階柱脚の軸力LN」に“機械的に足す”とは限りません。

  • ただし、納まり・梁受け・荷重の集約条件によっては、
    柱が梁反力を受ける(=柱軸力に乗る) ケースもあり得ます。

  • 「荷重経路として、柱に乗る鉛直荷重のみをLNに採用する」

  • 「柱に乗る/乗らないが曖昧な部分は、納まり図・梁受け条件で説明する」

  • 「“多め多め”ではなく、説明できる範囲で合理化する」

ここを整理すると、過剰設計を減らしつつ、審査にも説明が通りやすくなります。


ツールの中身(merikomi_calc.html)— できること

✅ 入力(共通条件)

  • 物件名(計算書に出力)
  • 階数(見出し出力用)
  • 柱・土台断面(mm)
  • 欠損(ほぞ穴相当:幅×深さ mm)
  • 土台材(樹種グループ)
  • Fcv(N/mm²)
  • 許容めり込み応力度 係数(短期/長期/任意)

✅ ケース入力(最大5ケース)

  • 壁倍率 r
  • 壁長さ L(m)(モジュール一括設定あり:1.00 / 0.91)
  • 柱位置係数 B(出隅/中柱/任意)
  • 階高さ H(m)
  • 長期軸力 LN(kN)(直接入力 or A×wで算定
  • 負担面積 A(m²) と上部構造荷重 w(kN/m²)LN自動計算

✅ 出力・運用

  • 印刷(PDF保存):右側の「柱めり込み検討書」だけを印刷
  • 保存(JSON)/ 読込(JSON):案件ごとに履歴化
  • オフライン前提(入力値を外部送信しない)

計算の骨格(ツール内に明示)

  • 壁由来せん断力(短期):Q = 1.96 × r × L (kN)
  • 軸力成分:N = Q × B × H (kN)
  • 合成:S_N = N + L_N (kN)
  • めり込み応力度:σ = (S_N × 1000) / A_e (N/mm²)
  • 許容:σ_allow = 係数 × Fcv

「1.96(kN/m)」の扱いは、国交省資料(壁量基準見直し関連)で整理されている考え方に寄せています。


“人材不足×工数増”の時代に、なぜ「部分自動化」が効くのか

正直、理想は「全棟、一貫ソフトで許容応力度計算」です。
でも現実には、

  • 法改正後、確認申請で見られる範囲が増え、設計・審査の工数が増大しやすい
  • 作業難易度・工数が大きい領域(構造)に、常に十分なリソースを割ける会社ばかりではない
  • その中で「多め多め」で逃げると、過剰設計→コスト増になりやすい

という“詰み構造”が出ます。
だから私は、説明できる範囲で合理化し、審査が進む形に整えるためにこのツールを作りました。


提出セット(審査の追加質問を潰す最小構成)

  1. 柱めり込み検討書(PDF):本ツール出力
  2. LN根拠資料:負担面積図+ A×w の算定表(最小でOK)
  3. 整合性メモ
    「本検討で用いたLNは、引抜き検討(N値)と同一モデルに基づく」
    (“二重基準”疑いを先回りで潰す)

注意:このツールが「やらない」こと(重要)

  • 鋼板(座金・プレート)の曲げ検討は、本ツールの主目的ではありません
    → 必要なら別途、鋼板曲げの検討を添付してください
  • 本ツールは、構造計算全体の代替ではなく
    「柱脚めり込み」+「LN根拠の連鎖」を提出できる形にするための実務ツールです
  • 最終判断・適用は設計者責任でお願いします

参考資料(URL / 公表・更新日 / 用途)


最後に

「多め多め」で通す時代は、コスト的にもしんどい。
だからこそ、“合理的に説明できる範囲で”根拠をつなぎ、審査が進む形にする
この一点に振り切って、HTML1枚に落としました。

必要な人に刺されば嬉しいです。

👉 【建築士×GIS】Google Maps上で「雨水の流下経路」を1クリック追跡する“HTML1枚”ツールを作った(国土地理院 標高×道路中心線×Cloudflare Pages)

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