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PHP 7.3をビルドしてApacheと連携させる

Last updated at Posted at 2019-03-03

ビルドした PHP 7.3 を Apache と連携させたいと思いました。

概要

環境

やりたいこと

  • PHP でセッションの動作を確認したい。
    • PHP と Apache を連携させないといけない。

やること

  • Apache 2.4.6 をインストールします。
    • 面倒なのでビルドせずに yum でインストールします(汗)
  • PHP 7.3 をビルドします。
    • 将来的にデバッグしながら動かしてみたいので、あえてビルドします。
    • 最新の開発版には Apache が対応していないので、おとなしく 7.3 にします。1

手順

Apacheをインストールする

yum で Apache をインストールします。
apxs というツールが必要なので httpd-devel もインストールします。

$ sudo yum install httpd httpd-devel

念のため、いろいろ確認しておきましょう。
apxs のパスは PHP をビルドするときに必要になるのでメモしておきます。

$ ls /etc/httpd/
conf  conf.d  conf.modules.d  logs  modules  run
$ which apachectl
/usr/sbin/apachectl

$ which apxs
/usr/bin/apxs

ちなみに、apxs の説明は以下のとおりです(man apxs)。

apxs is a tool for building and installing extension modules for the Apache HyperText Transfer Protocol (HTTP) server. This is achieved by building a dynamic shared object (DSO) from one or more source or object files which then can be loaded into the Apache server under runtime via the LoadModule directive from mod_so.

これを使うと、モジュールを追加するたびに Apache をビルドしなおさずに済み、httpd.confLoadModule を追加するだけでモジュールを追加できるようになるということらしいですね。

デフォルトの DocumentRoot/var/www/html ですが、所有者とパーミッションを変更しておきます。2

$ sudo chown apache:apache /var/www/html
$ sudo chmod 777 /var/www/html

PHPをインストールする

まずは GitHub からソースコードを取得します。
今回は PHP 7.3 を使いたいので、ブランチを指定してチェックアウトします。

$ git clone https://github.com/php/php-src.git
$ git checkout -b PHP-7.3 remotes/origin/PHP-7.3

PHP をビルドします。
configureapxs のパスを指定するところが重要です。3

$ cd php-src
$ ./buildconf
$ ./configure --enable-debug --with-apxs2=/usr/bin/apxs --with-config-file-path=/home/vagrant/php7/
$ make

通常は make install するところですが、複数バージョンを共存させたいので、あえてしません。
ただ、このままでは libphp7.so が Apache のディレクトリにコピーされません。
ということで、シンボリックリンクを作成しておきます。

cd /etc/httpd/modules/
sudo ln -s ~/php-src/libs/libphp7.so libphp7.so

Apacheを設定する

/etc/httpd/conf/httpd.conf に以下を追加します。

LoadModule php7_module modules/libphp7.so

<FilesMatch \.php$>
     SetHandler application/x-httpd-php
</FilesMatch>

追加したら、Apache を再起動します。

apachectl stop
apachectl start

チェックする

まずは、phpinfo() を表示するだけの PHP ファイルを /var/www/html に作成します。
ブラウザーでアクセスすると、以下のように表示されるはずです。

スクリーンショット 2019-03-03 12.17.42.png

ちなみに・・・

もともとやりたかったことは PHP でセッションの動作を確認する ことでした。

ということで、以下のような PHP ファイルを作成しました。

<?php
session_start();
$_SESSION['hoge'] = 'foo';

ブラウザーで PHP ファイルにアクセスすると、どこかにセッションファイルが作成されているはずです。
セッションファイルには セッション ID が含まれています。

セッション ID は Cookie に格納されているので、ブラウザーの開発者ツールで確認することができます。
例えば、Firefox では以下のように、「開発ツール」の「ストレージ」で確認できます。

スクリーンショット 2019-03-03 12.26.20.png

セッション ID がわかったので、find コマンドで検索します。

$ sudo find / -name "*9d589ed8928566f911d*" 2>/dev/null
/tmp/systemd-private-40934c4f7fd945a5b989da2b7141f6de-httpd.service-czqFF3/tmp/sess_9d589ed8928566f911def19013b983f7

なんだかクソ長いファイル名がヒットしましたが、デフォルトでは /tmp の配下に保存されるようですね。
中身を確認すると、たしかにセッションが保存されています。

$ sudo cat /tmp/systemd-private-40934c4f7fd945a5b989da2b7141f6de-httpd.service-czqFF3/tmp/sess_9d589ed8928566f911def19013b983f7
hoge|s:3:"foo";

ところで、この長いファイル名は何なのでしょうか・・・
調べてみると、systemd の PrivateTmp が有効になっているかららしいですね。

もっとも /tmp をセッションファイルの保存先にするのは通常はないでしょう。

ということで便宜的に /var/www/sessions ディレクトリを作ります。

$ sudo mkdir /var/www/sessions
$ sudo chown -R apache:apache /var/www/sessions

そして、php.ini を編集して /var/www/sessions ディレクトリに書き込むように、session.save_path を変更します。

session.save_path = "/var/www/sessions"

最後に、Apache を再起動します。

sudo apachectl restart

再びブラウザーでアクセスすると、以下のように /var/www/sessions ディレクトリにセッションファイルが作成されているはずです。
sess_ の後ろの部分がセッション ID になっています。

$ ls -lt /var/www/sessions/
total 4
-rw-------. 1 apache apache 15  3月  3 13:30 sess_hck9fsfqbtvg47elrkia6iv50n

参考

  1. 最新の開発版では PHP のバージョンが 8 になっています。その影響で libs/libphp8.so となっているのですが、これでは Apache が認識してくれません。

  2. ローカル環境なのでこうしましたが、本番環境ではちゃんと検討したほうがいいです、うん。

  3. --enable-debug はデバッグを有効にするオプションです。--with-config-file-pathphp.ini の検索場所を指定するオプションで、複数バージョンを共存させたいので、あえて指定しています。

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