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Log Analytics Workspace に入れるログをフィルタリングする

Last updated at Posted at 2025-07-30

こんにちは、アーキテクトのやまぱんです。
今回は Log Analytics Workspace にログを転送する際にフィルタリング (具体的に言うとクエリを通して変換設定) する手順を確認してみたいと思います。ログの量を減らせます!

補足コメントや質問、いいね、拡散、是非お願いします 🥺!
間違ってたら優しく教えてください!


Too Long; Didn't Read

最近の Azure UpdateGenerally Available: Azure Firewall now supports ingestion-time transformation in Log Analytics for flexible, cost-efficient logging がアップデートされたので、設定手順を確認してみました。

Generally Available: Azure Firewall now supports ingestion-time transformation in Log Analytics for flexible, cost-efficient logging<抄訳:一般提供開始:Azure Firewall が Log Analytics での 取り込み時変換(ingestion-time transformation) をサポート>

Azure Firewall のログを Log Analytics に送信する際、ログの取り込み時に変換処理を行えるようになりました。これにより、不要なフィールドの削除やログ形式の調整が可能になり、コスト効率が向上し、柔軟なログ管理が実現します。

リソース固有のログと Azure Diagnostics ログ について
リソース固有のテーブルでは Basic テーブル プランがサポートされます。これにより、ログ記録コストを最大 80%削減できます。
などなど、モダンな方がリソース固有テーブルです。

Azure Firewall の診断設定、リソースログにおいては以下の 3 つは Azure Diagnostics で他はリソース固有テーブルを指定します。

  • Azure Firewall Application Rule (Legacy Azure Diagnostics)
  • Azure Firewall Network Rule (Legacy Azure Diagnostics)
  • Azure Firewall DNS Proxy (Legacy Azure)

image.png
ref :
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/firewall/monitor-firewall#structured-azure-firewall-logs

いまだに診断ログ(旧呼称)で書かれている MS Learn のページがありますが、現在はリソースログと呼びます!

  • 旧名称: 診断ログ(Diagnostic Logs)
  • 現在の名称: リソースログ(Resource Logs)

ここでは、リソースログに統一されていますね

ワークスペース変換データ収集規則 (DCR)

今回、Log Analytics Workspace に入れる際に使う機能は、DCR(Data Collection Rukes) セクションにある、 Azure Monitor での変換 (Transformations in Azure Monitor) です。
ただし、今回利用する DCR は 通常の DCR とは異なる今回利用する ワークスペース変換データ収集規則(DCR) は、Log Analytics ワークスペースに直接適用される特別な DCR です。

  • この DCR は、データ収集に DCR をまだ使用していないため変換を定義する手段がないデータに対して変換を実行するためにあります。
  • 1 つの Log Analytics Workspace に 1 つのワークスペース DCR
    一つの DCR の中で任意の数のサポートされているテーブルの変換を含める運用になります。この変換は、データが別の DCR から取得されていない限り、これらのテーブルに送信されるすべてのデータに適用されます。

image.png

つまり、通常の DCR 経由で取り込まれているようなデータ(Azure Monitor Container Insights、Application Insights、Azure Monitor Agent を利用した VM のログ、AKS クラスターのメトリクスやログなど)はワークスペース DCR に設定をしても適用されません。

image.png

DCR 経由で取り込まれるデータの具体例

  • Azure Monitor Container Insights: AKS クラスターのコンテナログ、パフォーマンスメトリクス
  • Application Insights: アプリケーションテレメトリ、依存関係、例外データ
  • Azure Monitor Agent (AMA): Windows/Linux VM のイベントログ、パフォーマンスカウンター
  • Azure Arc enabled servers: オンプレミスサーバーの監視データ

これらは独自の DCR を使用しているため、ワークスペース変換 DCR の対象外です。
詳細はAKS での DCR 設定例を参照。

Log Analytics Workspace に入れるログをフィルタリングする 手順

はい、では早速やっていきましょう。
今回は Azure Firewall のログテーブルである、AZFWNetworkRule を例にしていきます。

1.対象の Log Analytics Workspace → 対象のテーブル (この例では AZFWNetworkRule)を右クリック → 変換の編集
image.png

2.既存または新規で DCR をつくる
おおまかな流れは以下のような感じ

  • 既存のワークスペース DCR があればそれを選択、なければ新規作成
    image.png

  • 変換ルールを書く: スキーマと変換 → 変換エディター
    image.png

今回は以下のようなクエリを書いた。条件にマッチするデータのみを残したい、ログをスリム化したい。
特定の送信元 IP:宛先 IP の組み合わせを除外

KQL
source
| where not (SourceIp == "10.100.1.7" and DestinationIp == "102.37.165.13")  // 特定の組み合わせを除外
  • 確認
    image.png

    3.作成した DCR は Azure Portal → DCR からも確認可能

image.png

まとめ

今回は Log Analytics Workspace でのログフィルタリング機能を、Azure Firewall のログを例に実装手順を確認しました。

ポイント

  • 1 つのワークスペースに 1 つの DCR: ワークスペース変換 DCR はワークスペース単位で作成
  • 変換コストは無料: 処理自体にコストは発生しない(Microsoft Docs 参照
  • コスト削減: 不要なログデータの除外により大幅なストレージコスト削減が可能

実運用での効果

  • セキュリティ: ノイズログを除外して真の脅威に集中
  • コスト管理: テラバイト級環境での効率的な運用
  • 運用負荷軽減: アラート精度向上とトラブルシューティング効率化

⚠️ 注意点

  • 既存データには影響せず、取り込み時のみ適用
  • 通常の DCR 経由データ(Azure Monitor Agent 等)は対象外
  • 変換後のデータは不可逆のため事前テストが重要

この機能により、大規模環境でのログ管理がより効率的になり、コスト最適化と運用効率化を同時に実現できます。

参考リンク

https://techcommunity.microsoft.com/blog/azurenetworksecurityblog/optimize-azure-firewall-logs-with-selective-logging/4438242

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