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GPT-5に学会発表用ポスターを作らせたらそれなりだった件

Last updated at Posted at 2025-08-25

はじめに

僕はかねがね研究報告や発表プレゼン、ポスターなどを生成AIに作らせられないかなーと思ってきました。僕の場合、学会などで未発表の内容を報告することはまれですでに論文や書籍になってしまったものを宣伝で発表することが多く、一度、論文にしたものをまた短くして研究報告にしたり、講演スライドにしたり、ポスターにするのが面倒だなー、と思うことが多いからです。以前ChatGPTに講演スライドを作らせようとしたときはBeamerを使ってlatexで作ることになってしまい、いまいちでした。できたスライドはこんな感じです。

その後はGemini Proで英文論文から日本語プレゼンを作ってみたという記事もQiitaに出しています(この時はGemini Pro 2.5を使用。Canvasを使ってHTMLでプレゼンを作りました。できたプレゼンも記事内でリンクしています)。ちなみにこれらの2つのスライドは実際に講演で使用し、生成AIをつかったことも明言しました。「シニア研究者なら若者の手本になるようなプレゼンを見せるべきであり、こんな完成度の低いもので講演をするなど言語同断」という批判は甘んじて受けますが、近い将来、プレゼンを人間が作ることは無くなっていくとおもうのでこのような試みは意味があるとおもっています。

BC2のポスター

BC2という国際会議でポスターをやります。最初はチュートリアルを申し込み、落とされたのでオーラルを申し込み、それも落とされてポスターになりました。ポスターするためにスイスまで行くなよという話はあるのですが、学内助成でBC2に行くという名目で旅費の申請をして通ってしまったので行くことにしました。

GPT-5

今回はGPT-5のThinkingモードを使いました。まずは

https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-031-60982-4 の内容をA0の横長のポスターに英文でまとめてください

とお願いしました。URLはチュートリアルで説明するはずだった本のリンクです。本文はアクセスできませんが、ポスター1枚には十分な情報があります。最初は地の文で答えてくれた(「こんな内容にしてください、みたいな箇条書きが提供される」)のですがパワポやPDFにもできるというのでお願いしました(前にChatGPTに依頼したときはビーマーになってしまったのでこの時点で大きな進歩です)。パワポが画面が崩れていて使えないのでPDFをお願いしました。最初に出てきたのがこれ。

image.png
image.png

1ページって言ったのに2ページになってしまっています。そこで

1枚のPDFに入るようにしてください

とお願いして出てきたのがこれ。
image.png
確かに1ページにはおさまりましたが、ひどく寸詰まりです。なので

無意味に下半分が空いています

と指摘してこうなりました

image.png
image.png

また2ページに戻ってしまいました。なので

1ページに収まっていません

と指摘してこうなりました。
image.png

1ページになりましたが、また意味もなく空白が多いです。これではエンドレスなのでこう言ってみました

空白がおおすぎます、A0一枚で収まるようにかつ空白なく作ってください

image.png

やっと要望どおりのものができました(実はこの前に文字化けしていて■が無数にあるバージョンが上がってきたのですがそれは「■がたくさん見られます。文字化けなら正しいフォントを使ってPDFに埋め込んでください。」とおねがいしたら上記の文字化けのないバージョンができました)。あとはいろいろ細かいところを直していきます。まずは

l1などはlの下添え字で1が付く様な形式に正しく直してください。

とお願いしたら、

image.png

が上がってきました。たしかにl1は直ってるんですがlKは直ってないです(笑)。気が利かないですね。仕方ないので

I_KのようなKも下付きの添え字にしてください

とお願いして

image.png

添え字を直してもらいました。次にさすがに白黒では味気ないんで

白黒なのは頂けません。背景色や文字色を工夫して見やすくしてください

とお願いしてみました。すると
image.png

ができてきました。確かに色はついてますがそれだけです。おまけにハイライトと文字がずれています。なので

一部青い背景を付けただけで映えません。また、ハイライトと文字がずれていて醜いです。文字の色も変えるなどもっと工夫してください。

とおねがいしたところ

image.png

になりました。ほぼ完成ですが、所属のところのハイライトがおかしくなっているのと、あと、なんとまた添え字の処理がおかしくなっています!そこで

添え字の間違いがまたもどってしまっていますので直してください。また冒頭の「Author of book: Y.-h. Taguchi (Department of Physics, Chuo University, Tokyo, Japan) Poster prepared by: [Your Name], [Affiliation], [Email]」のところがハイライトとずれていて醜いです。直してください

とお願いしてみました。結果

image.png

となりました。「こんなんでいいのか、図がないしポスターとしては最低」という声が聞こえてきそうですが、一応、これで完成とします。最後に

このデザインでいいです。[Your Name], [Affiliation], [Email]にはY-h. Taguchi, Dept. Phys., Chuo Univerisity, Tokyo, Japan. tag@granular.comを入れてください。

と入れてこれができました。

image.png

Gemini Pro 2.5

同じお願いをしたらお返事が

指定されたリンク先のウェブサイトにアクセスできませんでした。そのため、書籍の内容をポスターにまとめることができません。

考えられる理由としては、ウェブサイトが有料である、ログインが必要である、またはその他の制限があるためです。

もし書籍の要約や主要なポイントなど、内容に関する情報をお持ちでしたら、その情報を基にポスターを作成することは可能です。

です。いまだにGemini Pro はURLが読めないようです。使えない奴ですね

Grok3

同じ要望をしましたがPDFは作れず、Pythonのコードを渡されておわりました。GPT-5の経験からかなり何度もやりとりしないといけないことが予想されたのであきらめました。

おわりに

直接PDFを作ってくれるのは大きな進歩です。GeminiやGrokはまだこれができないみたいです。一方で

  • 鳥頭で「Aを直せ」と言った後「Bを直せ」というと「Bは直ったがAは直ってない」みたいになることがある。その場合は「AとBを同時に直せ」というとよいようです
  • かなり後の方になって前に直ったところをまた間違ったりします(カラーにしたら添え字の間違いが再発)
  • 出来上がったPDFを見て解析していないのかハイライトと文字がずれていても気にしないという問題があります

などなどでした。ここでさらにグラフなどを入れさせようとするとすごく大変なのですが、今回はこれまでにしました。ポスター発表では「このポスターはGPT-5に作らせました。僕は一字も書いていません」などと付箋をはって受けでも狙うことにします。

皆さんも生成AIでスクラッチからポスターやスライドを作られた経験があったら教えてください!

付記

其の後、「オープンアクセスの論文からポスターを作らせる」をGPT-5にやらせたのですが、大変でした。経緯はここここ、途中でできたポスターの履歴はここここ

基本、縦長3段組み、A0なのですが、行同士が重なるし、不等号や添え字はいちいち指摘しないとちゃんとできないし、メタタグがそのままPDFにでたりで何時間もかかりました。正直ゼロから自分が作った方が早かった(笑)。まあ、これはあくまで生成AIでどこまでできるかの、記録なので....。数年後「昔はこんなだったよなあ」と懐かしく振り返るための記録ということで。こっちも「全部GPT-5が作りました」と付箋を貼って受けを狙うことにします。

最終的にできたポスターはこんな感じですが図や表をGPT-5に入れさせるのは断念であとから手動で加えました。

image.png

image.png

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