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IBM CloudでOS起動を妨げるファイルを削除する手順

Last updated at Posted at 2024-07-25

概要

IBM CloudでのWindows Serverの起動トラブルを、特定のファイル削除で解決する手順を紹介します。
特に、CrowdStrikeの障害を発端とするWindowsホストの障害に対処する方法を例に説明します。

本記事では、IBM Cloud Virtual Server for VPCのWindows Serverにおける復旧手順についての内容です。

前提

・VPCが作成されていて、OriginalなWindows Serverが作成されている
・そのWindows Server上に削除したいファイルがある

復旧の方針

  1. インスタンスのブート・ボリュームのスナップショットを作成する
  2. 同じAvailability Zoneでスナップショットから新しいボリュームを作成する
  3. 同じAvailability Zoneで新しいWindowsインスタンスを作成する
  4. 新しいボリュームをデータ・ボリュームとして新しいインスタンスにアタッチする
  5. 作成したWindowsインスタンスにログインする
  6. アタッチされたボリュームの X:\Windows\System32\drivers\CrowdStrike\ ディレクトリに移動し、C-00000291*.sysを削除する
    ※この例では、X: は影響を受けるインスタンスのセカンダリボリュームに割り当てられたドライブ文字である。利用する環境では異なる文字である可能性がある。
  7. 新しいインスタンスからボリュームを切り離す
  8. 切り離したデータボリュームをブートボリュームとしてWindows Serverを作成する
    スクリーンショット 2024-07-25 14.11.22.png

復旧の手順

1. インスタンスのブート・ボリュームのスナップショットを作成する

IBM Cloud ポータルで、対象のVirtual Server for VPCを選択し、ストレージ・ボリュームセクションからブート・ボリュームを見つけます。そのボリュームのスナップショットを作成します。

スクリーンショット 2024-07-25 10.10.59.png
IBM Cloud Docs:Block Storage for VPC スナップショットの作成

2. 同じAvailability Zoneでスナップショットから新しいボリュームを作成する

作成したスナップショットから新しいボリュームを同じAvailability Zoneで作成します。
作成したスナップショットを選択し、アクションメニューからボリュームの作成に進み、スナップショットからボリュームを作成します。

スクリーンショット 2024-07-25 11.15.49.png
スクリーンショット 2024-07-25 11.17.10.png
スナップショットのリストからボリュームを作成する

3. 同じAvailability Zoneで新しいWindows インスタンスを作成する

同じAvailability Zoneで新しいWindows インスタンスを作成します。IBM Cloud ポータルから、新規VSIを作成します。ロケーション 名前 イメージ プロファイル ネットワーキング 等を適切に設定します。
スクリーンショット 2024-07-25 11.11.41.png
仮想サーバー・インスタンスの作成

浮動IPを利用してWindows Serverにログインする場合には、必要に応じて浮動IPを付与しておきます。
浮動 IP アドレスを使用したネットワーク・インターフェースの作成

4. 新しいボリュームをデータ・ボリュームとして新しいインスタンスにアタッチする

新しいボリュームを新しいWindowsインスタンスにデータ・ボリュームとしてアタッチします。
新しい仮想サーバー・インスタンス概要タブの下部にあるストレージ・ボリュームセクションへ移動します。接続から2で作成した新しいボリュームを選択して保存します。
新しいボリュームがデータ・ボリュームとしてインスタンスにアタッチされていることを確認します。
スクリーンショット 2024-07-25 11.54.56.png

5. 作成したWindowsインスタンスにログインする

今回は、Virtual Serverに浮動IPを付与して、Microsoft Remote DesktopでWindows インスタンスにログインしています。
スクリーンショット 2024-07-25 11.57.33.png
IBM Cloud: VPCのWindows仮想サーバーへのログイン方法

6. アタッチされたボリュームの X:\Windows\System32\drivers\CrowdStrike\ ディレクトリに移動し、C-00000291*.sysを削除する

スタートメニューを右クリックし、Disk Managementを選択し、アタッチされたボリュームを確認します。必要に応じてボリュームの初期化、New Simple Volumeを作成し、ボリュームをマウントします。
X:\Windows\System32\drivers\CrowdStrike\ フォルダに移動し、CrowdStrikeフォルダ内の.sysファイルを見つけて削除します。

本検証環境ではCrowdStrikeは利用していないので、Original Serverにtest fileを置いて検証しています。マウントしたボリュームからtest fileを削除できることを確認しています。

7. 新しいインスタンスからボリュームを切り離す

新しい仮想サーバー・インスタンス概要タブの下部にあるストレージ・ボリュームセクションへ移動し、データ・ボリューム切り離します。
1番右側の切り離しマークから操作ができます。

スクリーンショット 2024-07-25 13.04.14.png
仮想サーバー・インスタンスからの Block Storage for VPC ボリュームの切り離し

8. 切り離したデータボリュームをブートボリュームとしてWindows Serverを作成する

VPC用のブロック・ストレージ・ボリュームのリストからインスタンスから切り離したボリュームを選択し、ボリュームの詳細を確認します。接続済み仮想インスタンスセクションで、接続されている仮想インスタンスはないことを確認します。
接続サーバーの作成ブート・ボリュームとして接続を選択し、復旧版となるWindows Serverを作成します。

スクリーンショット 2024-07-25 13.14.18.png
スクリーンショット 2024-07-25 13.20.08.png

さいごに

ご紹介した手順ではOriginal Serverとは別のIPアドレスに変わってしまいます。IPアドレスが変わらないようにするためには、一度Original Serverを削除した上で、復旧版ServerのIPアドレスを予約済みIPから設定することで解決できます。

Original Server削除時に、boot volumeが一緒に削除されないように、Auto release(自動削除)の設定を無効にしておくと安心です。

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