はじめに
Microsoft が推進する MCP(Model Context Protocol) は、AI エージェントと外部システム(DB・ファイル・アプリ)を標準化されたプロトコルで接続する仕組みです。本記事では、Windows/SQL Server 製品と Copilot 連携のロードマップや方向性について、現時点で公式に公開されている情報を整理します。
あくまでWindowsユーザーとしてまとめた自分用の備忘録です。
※本図は 2025年9月時点で公開されている情報をもとに整理したもので、記載内容は変更される可能性があります。詳細は Microsoft 公式ブログ/Docs をご確認ください
1. SQL Server Management Studio (SSMS) と Copilot
- SSMS 21 が2025年5月19日に一般提供(GA)としてリリース済み
- SQL Server 2025 は現在パブリックプレビュー段階(RC1まで進行中)
- Copilot 機能がプレビュー導入され、Query Editor で自然言語から T-SQL を生成・修正できる
- 今後は診断・最適化支援など、AI による追加機能強化が期待される
📎 エビデンス:
- SQL Server Management Studio (SSMS) 21 is now generally available (GA) - Microsoft Community Hub
- Release Notes for SQL Server Management Studio (SSMS) - Microsoft Learn
2. MSSQL MCP Server (Preview)
- Microsoft が2025年6月に発表した MCP サーバー実装(プレビュー)
- Azure SQL Database / SQL Database in Microsoft Fabric / オンプレミス SQL Server に対応
- 提供されるツール例:
- List Tables
- Describe Table
- Insert / Update Data
- Create / Drop Index
- 自然言語プロンプト → SQL 操作が可能なゲートウェイ
📎 エビデンス:
3. Copilot Studio と MCP の統合
- Copilot Studio に MCP サーバー接続機能が2025年5月27日に一般提供(GA)開始
- Agent に MCP の Tools を追加可能
- 現状は「Tools」が中心で、Resources / Prompts は限定的
- エンタープライズレベルのセキュリティとガバナンス機能を提供
📎 エビデンス:
- Model Context Protocol (MCP) is now generally available in Microsoft Copilot Studio
- Extend Copilot Studio Agents with MCP - Microsoft Learn
4. Windows プラットフォームと MCP(計画段階)
- Microsoft が Windows を AI エージェント連携のプラットフォームに強化する方針を発表
- Windows AI Foundry でのMCP サポートが計画されているが、現在は数ヶ月後にプライベートプレビュー開始予定の段階
- ファイルシステムやアプリ操作を自然言語で扱える未来像を提示
- ユーザー同意(consent)やセキュリティ制御を含めた仕組みも検討中
📎 エビデンス:
- Advancing Windows for AI development - Windows Developer Blog
- Microsoft Build 2025: The age of AI agents - Microsoft Blog
5. Visual Studio と MCP
- Visual Studio の AI ロードマップに MCP が明示的に記載され、2025年8月アップデートで一般提供(GA)として実装済み
- MCP サーバーの発見・接続(Tools / Resources / Prompts 連携)をサポート
- OAuth認証、ワンクリックサーバーインストール、ガバナンス制御などの機能を提供
- 開発者が VS 上で Copilot + MCP を活用できる環境へ拡張
📎 エビデンス:
- Model Context Protocol (MCP) is Now Generally Available in Visual Studio - Visual Studio Blog
- Roadmap for AI in Visual Studio (September) - Visual Studio Blog
6. まとめと今後の注目ポイント
現状
- SQL Server: Azure SQL での MCP 対応はプレビュー段階ながら進展中
- Copilot Studio: MCP が GA となり、業務アプリやエージェント拡張が本格化
- Visual Studio: MCP が GA で実装済み、開発者体験が向上
- Windows OS: AI エージェント連携基盤としての進化方針は示されているが、実装は計画段階
未確定要素 : 今後のチェックポイント(?)
企業導入を検討する際には、オンプレミス環境での認証方式や複数DB対応の制約、セキュリティ・監査要件の実装、さらにWindowsレベルでのMCP統合タイムラインなどを事前に把握することが重要です。まずはプレビュー機能を検証し制約を確認するとともに、今後予定されているセミナーや公式ブログでの追加情報にも注目すべきでしょう。
おわりに
本記事は 2025年9月時点で公開されている情報をもとに整理しました。MCP はまだ発展途上ですが、「AI エージェント × Windows/SQL Server」 の将来像は具体化しつつあります。特に Visual Studio と Copilot Studio では既に実用段階に入っており、Windows プラットフォームレベルでの統合が今後の大きな注目点となるでしょう。