昨今、やたら AI という言葉を耳にしますね。
画像生成とか、ChatGPTとか、エンジニアの方でしたら Copilot とか Cline とか…
AI の進歩はすさまじく、現在いろいろなところで活用され始めています。
「AI を使っていない=時代に取り残されている」
みたいな風潮にもなりつつあります。
自分も大学の研究室では AI を取り扱っており、そこら辺の人よりかは AI の知識はあると思っています。
でも実は僕、そんなに AI のこと好きではありません!
自分でも不思議です。なんとなく逆張りなのかな? 食わず嫌いなのかな?
(でも研究室でかじってるしなぁ)とか思っていました。
でも、最近なんとなくその理由が分かってきた気がしましたので、今回はその理由を書いていこうと思います。
好きになれない理由
結果が不確定・不安定だから
上記に尽きると思います。
自分がプログラミングを好きな理由、それは「自分が書いたコードによってコンピュータが決まった動作を高速に 100% 正確に行ってくれるから」かなと思っています。
しかし、「自分が書いたコード(プロンプト)によってコンピュータ(AI)が決まった動作を高速に 80% ぐらい正確に行ってくれる」のは自分の好きなプログラミングの世界ではないなと。
そう思ったので AI を好きになれないんだなぁと思いました。
AI は人間だと思ってみる1
業務で AI コードレビューを導入することになりました。
一旦、仮運用してみて、いろいろな声が出てきました。
- ハルシネーションを起こす(誤った情報を指摘される)ことがある
- null チェックしてるのにしてないと言われたりする(差分のコードを見ただけじゃわからない部分とか)
- etc...
これを聞いて、ある方が「人間でも間違い起こすし勘違いするし、そんなもんじゃない?」と言いました。
たしかに!!!
AI をもう一人の架空の人物だと思えば、ちょっと知ったかぶりしたり、間違った情報を言ったり、差分だけ見てコードベース全体を見ずに指摘したりしても、別にいいよね。100% 正確である必要ないよね。
それよりかは、せっかくわざわざ(本物の)人間にレビューしてもらって手戻りが発生したりする可能性が少なくなっていいじゃん。
ふーん便利じゃん。
AI の使い道
ということで、AI を一人の「人」と捉えることで、自分が納得できる AI の活用法が見えてきました。
- あるときはレビュアー(AI コードレビュー)
- あるときは助手(Copilot、副操縦士)
- あるときは相談相手(ChatGPT)
- あるときはプログラマー(AI コーディング)
AI の使いたくない道
一方で、以下の使い方は自分は納得できません(AI が納得できる水準まで達していません)
- AI が直接ユーザーと接するサービス(AI チャットボット(企業の相談窓口みたいなやつ)、自動運転など)
- 自分はコールセンターを作りたいわけではないです(AI を人と捉えるとチャットボットはいわゆるコールセンター)。運転手を作りたいわけでもないです(同じく自動運転は運転手)。
- またどちらにせよ完璧なものが出来るとは言い難いです。
- AI だけで完結させようとするもの(全自動 HP 作成、画像・動画生成など)
- その成果物は AI という人が作ったものです。自分は作ったわけではなく、あくまでも発注者。
- きっとその成果物にはバグ・不自然な点がありますよ。
上記は、「自分がプログラマー」というアイデンティティをなくしていることに他なりません。
まとめ
自分が AI をあまり好きになれない理由
- 100% 正確な動作をしてくれないということは、自分の好きなプログラミングの世界ではないから
自分が納得する AI の活用法
- AI を人だと思い、自分の助手として自分をより引き立たせてくれる存在として使う
このように、AI という存在を認識することで、嫌悪感を感じることなく活用できそうだなと思います!
さいごに
なんとなく AI 好きじゃないなぁみたいな人に見てもらえれば幸いです。(そんな人いるのかは知らないけど)
AI の根底には古典的機械学習、いわゆるデータ分析というものがあります。これは素晴らしいもので、古典的機械学習は確立された理論をもとに元データから推定を行い結果を導出します。
AI もやっていることは同じです。元データ(プロンプトや学習データ)から推定を行い結果を導出します。ただし、理論は不明です。というか理論自体を学習・訓練によって作らせるので、人間はそれを解読する役目をしています。
人間は リンゴが落ちる という結果から物理学という理論を導き出しました。
同じように、現在は AI が出す結果から何かしらの理論を導く というフェーズではないかなと思います。
いずれ、現在の AI が完全解読され、新・古典的機械学習 と呼ばれる日が来るのでしょうかw
そんな日を待ちながら、今は助手として AI を活用していきたいと思います。
別に AI(という人)の成果横取りしたって怒る AI 今のとこいないですからね。うまいこと給料増やしていきましょう(笑)
追記
別に、AI 使っている人がどうとか、AI 使ったプロダクト自体がよくないとかそういう話じゃないです。
もちろん、AI の研究者はものすごく尊敬しますし、自分も作ってみたい・解読してみたいとは思います。深層強化学習とか興味ある。
あくまでも、自分が AI を使うという点において、現状プロダクトに組み込むのはちょっと物足りないので活用に留めておきたいかもという話です。
-
AI が「心」を持っているかとかそういう話ではないです。 ↩