こんにちは、大阪でBIエンジニアをしているRiekoです。
ずっと「書く書く詐欺」をしていた「DBスペシャリスト不合格体験記」を、
万を持して書きます。
ちなみに私が受けたのは
「令和6年10月 データベーススペシャリスト試験」です。
午前Iは応用情報合格により免除でした。
なぜ不合格体験?
「失敗から学ぶ」重要性を知ったためです。理由は以下2点です。
クラメソさんLTより
先日、クラスメソッド社さんの「#midosujitech」というオフラインLTイベントに参加して、色々な方の失敗トークがものすごく学びになったこと。
誰も言わないから
世の中には資格試験の合格体験記で溢れています。
私も、過去何度も合格体験記を書いてきました。
ベンダー試験は合格率も高いので良いでしょう。
しかし!IPAの高度試験は合格率が**15~20%**です。
なのに皆、合格している!
(1年で基本→応用→DB取った方のブログはマジで自信を失いました。)
それはなぜか?
不合格体験記を書かないから
です。そう、書かないのです。
落ちたなんて恥ずかしくて言えない。もちろん私もそうでした。
ところが、この度なんやかんやあって、そういった
「欠点を知られたくない」
「恥ずかしくて本当のこと言えない」
「ダメな自分を見せてはいけない」
といった内面の課題を克服できたので、
どんどん失敗を発信していく予定です。
(「なんやかんや」の部分を知りたい人はX:@Rieko_shinjiまで)
心の優しい方は、
「落ちた奴の話など参考にならん。俺は受かる方法が知りたいんや」
といったニーズを考慮して書かないのかもしれませんが、
私は、落ちたからこそ受験者にとって役に立つことはあると思っています。
特に1発合格の方というのは、地頭がとても良いor実務経験とかある人などが多いイメージなので、ある意味参考にならないこともあります。
(いわゆる「基本情報2日勉強で合格!」系のやつですね)
序章は置いておいて早速本題に入りましょう。
以下のラインナップで進めていきます。
- 気になる結果発表
- 当日試験の振り返り
- 午後問題選択方針
- 午後I
- 午後Ⅱ
- 核心:なぜ落ちたか
- 具体的な気を付けポイント
- 生成AIを使い倒せ
- 全体所感:IPA試験は意外にいいぞ
- 参考:「不合格体験記」は意外とある
- 最後に絶対言いたいこと
それではいってみよう!
気になる結果発表
どや!落ちとるがな!あと6点で!
うん、でも午後Ⅰ受かっててよかったよ。ギリギリだけどね。
午後Ⅱ採点してもらえたんやな。
あんなに考え続けたのに採点されていなかったら泣いちゃうよ...
午前Ⅱが異様に高すぎるのは、はいすみません過去問暗記ゲーです。
過去問暗記で取れちゃうんだけど、どうかな~と思うので、この後書きますね。
当日の試験の振り返り
午後問題選択方針
まずは、問題選択を突破することが課題です。
私は以下の方針を立てていました。
- 午後Ⅰ:論理設計を選ぶ
- 午後Ⅱ:物理設計を選ぶ
この趣旨は、
「論理設計の方が得意だけど、午後Ⅱは難し過ぎるので、まだ物理設計の方が(気持ち)マシ」
といったものです。
午後Ⅰ
午後Ⅰに関しては、問題をパッと見たときでは、どれが物理設計でどれが論理設計かよくわからんのですよ。
SQLが得意なのでSQL多めの問題を選びたいのですが、問2問3共に、似たようなSQL穴埋めがあるので結局よくわかりません。
というわけで、結局問1と問2を選択しました。
ざっくり公開されている過去問PDFを振り返りますと、
- 問1:オンライン学習プラットフォームに関する問題。講師とか生徒とか受講IDとか。progateやUdemyなど、そんなイメージかな?
- 問2:総合商社の労務管理DBに関する問題。労務管理って言ってるけど要は入退室管理とかのセキュリティ系かなと思いました。ただ、勤怠のトランザクションテーブルもあるので、つまるところどんなシステムなのか、よくわかりませんでした。(また受ける場合は、じっくり考えたいですね)
午後Ⅱ
午後Ⅱは、事前に物理設計を選択すると決めていたので問1一択でした。
応用情報の場合にはよく言われる、
「当日問題を見て、簡単な問題を選ぶ」
という手法がありますが、私にはあまり合わないと思っていました。
瞬発的な判断力がないためです。
そして、午後Ⅱ物理設計は、
オートリース会社の車両保守業務におけるデータベースの実装・運用に関する問題
でした。
「オートリース」ってなんやねん?そっからわからんわ、という状態でした。
試験当日はググることなど不可能なので、想像するしかありません。
問題文を続けて読むと、もうちょっと詳しく書いてあります。
要は「KINTO」的なものでしょうか?
KINTOのようにサブスクかどうかはおいておいて、車を貸し出す仕組みらしいです。
そして、保守も行う、と。
外注すんのかい!
いや、するよね。今やBPOの時代ですからね。
そんなこんなでややこしい問題でした。
いっそのこと、
「DBスペシャリスト問題を徹底的に突っ込んでみた」
といったアウトプットもいつかやりたいですね。
役に立つかはわからないですが...
問題はこんな感じでしたが、
結果不合格だったものの、試験当日の取り組み方に関しいえば特に課題はありません。
しっかり準備して、栄養補給して臨みました。
私の自宅も試験会場も大阪市内なので、アクセスはとてもよかったです。
(大阪経済大学でした。綺麗なキャンパスですね)
駅からは「頭よさそうな人についていけばいい」というジンクス(?)がありますが、その人が間違ってたら大変なので、Googleマップをよく見ていきましょう。
定規に関しては勉強段階で使っていなかったため忘れてしまいましたが、結局試験本番でも使いませんでした。
論理設計を選ぶと決めている方は、E-R図のお絵かきで使うのであったほうがいい(なくてもいいけど真っすぐ線引いた方が採点者への印象がよさそう)です。忘れないようにしましょう。
大阪経済大学の隣のコンビニには、残念ながら定規は売っていませんでした。
核心:なぜ落ちたか
不合格だった理由を振り返ってみると、
前半にも述べましたが、やはり「過去問暗記」によるものだと思います。
基本情報・応用情報もそうですが、過去問以外やることがないという課題があります。
試験に関する書籍はたくさん出ていますが、
DBに関する解説を一通り掲載しているのもありますが、
いざ演習となると
どの書籍も過去問とその解説を掲載しているだけ、となっています。
勉強自体は2022年頃からしていたのですが、
本気を出して勉強したのは2024年4月1日からです。
勉強として取り組んだこととしては
- Udemy講座受講(おすすめ)
- 午後過去問:午後Ⅰ→1日3問、午後Ⅱ→1日2問
- 午前過去問:1日1年度(25問)
といった至ってシンプルな内容であり、この取り組み自体はそんなに悪くないと思います。
Udemyはめちゃくちゃおススメです。
(↑これは午後Ⅱに関する講座なのですが、午後Ⅰと午前もあるのでDBシリーズ全部購入しました。セールの時に買いましょう。)
問題は、過去問演習です。
応用情報受かった後の、2023年4月頃から勉強をコツコツしてたので、なんかもう飽きていたのですね。
2023年末に少しベンダー試験に集中して取り組んだ後、
2024年4月のちょうど試験半年前にDBの学習を再開しまして、
「以前とやり方を変えなければ」と思いUdemy講座を受講。
そこまでは良かったのですが、その後過去問ばかりやるようになってから、惰性でただこなすこと*に意識が行ってしまいました。
何が言いたいかというと、
ちゃんと問題と向き合えていなかったのです。
今でこそBIの現場で実務課題にたくさん向き合い、そういうのが面白くなってきたのですが、昨年上半期はそこまで思いを馳せることができず、
- 問題文で問われている課題が詰まらない
- 問題文の業務プロセスを読んでいてただただ辛い
といった状況でした。
ここまで書いておきながらアレですが、
個人的な事情により、今年はDBに再挑戦する可能性は低いのですが、
今後このような長文読解系の試験に取り組むときは、
以下のようなアクションプランを考えています。
- 分からない点にとことん向き合う
→問題文の用語や表現で疑問に思ったら、chatGPT等を使って徹底的に調べる - 分かりにくい所は分かりやすい例で考える
→先ほどの「KINTO」のように、「現実ならどんなサービスのどんな機能か」を考える - 量ではなく質。1問1問をちゃんと理解する
→「〇年分を△回解く」といったノルマは課さない。量は少なくても、ちゃんと理解できていたら、ちゃんと身に着いていると考える。
要は、「ちゃんと理解する」ことです。
この考えに至ったのは、note等でも紹介している全エンジニア必読書のこちらの書籍を読んだためです。
もうこの書籍は、本当に多くのエンジニアやビジネスマンが読んでいるので、わざわざ説明するまでもないと思います。
私の感想noteはこちらです↓
書籍『世界一流のエンジニアの思考法』が良すぎた件
ぜひ読んでください!!
この書籍から、DBスペシャリスト学習に繋がる点は、
- ちゃんと理解する
- できる人こそ理解に時間をかけている
という点です。
時間をかけて理解することを恐れず、タイパやコスパよりも「理解」に時間をかけるということですね。
実務ではどうしてもタイパやコスパを求められるので、学習時間くらいじっくり好きなように時間を作りたいですね。プライベートも、それはそれで時間がないという制約もあるのですが...
余裕があれば午前Ⅱもちゃんと理解することをお勧めします。
午前試験に限って言えば、過去問ひたすらやるだけで、かなり高得点が取れてしまいます。
ただ、午前Ⅱの内容は午後試験に繋がる部分がかなりあるので、特に初学者や実務微経験の方は疑問点をしっかり調べて、
人に説明できるレベルまで理解することをお勧めします。
午後の具体的な気を付けポイント
例えば、R6午後Ⅱ問1の問題で言うと、
- 「オートリース会社」とはどういう会社なのか。現実世界でいうと?
- 「夜間に実施しているバッチ処理」とその「昼間帯への移行」とは、何のために行うのか
- 「リース契約に基づいて新しい車両を購入」について、購入ってどういうこと?貸出すんじゃないの?もしかして貸出すために自社製品として車両を外部から購入するの?
といった疑問をちゃんと解消していきたいと思います。
生成AIを使い倒せ
R6問1の例でいうと
- 「車両のリース提供先の法人を顧客という」という問題文を、「企業が社用車等のために車をレンタルする」といった分かりやすい表現に脳内で置き換える
といったことまで自分自身でできればいいのですが、やはり問題文は難しいので、そこはもうどんどん生成AIに聞いたらいいと思います。
(もし2024年4月にもっとモデルの性能も良くて、chatGPT Plusに加入できてたら、受かっていたかもしれません...それは後の祭りですな)
なんか最近Acrobat ReaderにもAI付いてますよね?
DBの過去問はPDFなので、AcrobatのAIを使いこなせる方は、すごく良いのでは?と思います。(どっちにしろ課金が必要な気がしますが)
今、思いつくchatGPT Pro向けのプロンプトでいうと
問題文を読み込ませた上で、
- 「オートリース会社」って何ですか?現実の具体例を用いて教えてください
- 車両保守って何をするのですか?現実世界で行っている事例を用いて教えてください
- 「車両を購入」とは、自社製品として購入するのか、法人への貸出のことを購入と呼んでいるのかどちらだと思いますか?その根拠も交えて教えてください
といった感じですね。
できればしかりアウトプット
アウトプットは何よりの学びになります。
ですが、結構時間的リソースを食うので、必要に応じてインプットと使い分けていければと思います。
具体的にはこんなアウトプットなんかいいんじゃないかと思います。
- 午後I問1など、1問に絞ってブログで徹底解説
- 解説youtube配信(既にやられている方もいますね)
- DBスペシャリストへ向けた勉強会イベント開催
アウトプットするなら、お祭り感覚で楽しく!できたらいいですね。
全体所感:IPA試験は意外にいいぞ
私はコロナ以降とにかくIPA試験をずっとやっていたのですが、
とにかくしんどくて、ベンダー試験受けた時は「なんて楽なんだ」って思っていました。
IPA、むずいししんどいんですよ。
ITパスポートを除いて基本的に長文読解となるので、なかなか辛いものがあります。
その是非や、実務的に役立つか?というのは詰まるところよく分からないのですが、
応用情報以降の紙試験一斉スタイルは独特の楽しさ、
そうもやは、「青春」があるのではないかと思っています。
応用情報以降では、ITの試験なのに思いっきり紙の試験で、
鉛筆やシャーペン使って、時には定規も使って、間違えたら消しゴムでゴシゴシ。
私は勉強中「鉛筆削り」を愛用していました。
(IT系なのに、30代なのに、何やってんだって思ってました)
ITの人こそ、普段こういうことしないじゃないですか。
そして試験当日は、もうたくさんの人が一斉に大学とかに集まって、
深呼吸とかストレッチとかして本番に臨むわけですよ。
お昼休みにコンビニに大行列ができて、
男子トイレめっちゃ並んでるけど女子トイレはがら空きなのことにも、ジェンダーギャップを感じたりします。
もはや、「受験」そのものなんですよね。
ITだとIPA試験だけがこういったスタイルだと思いますが、
司法試験やキャリアコンサルタント等の国家試験もきっと同じような感じなのでしょうね。
大人になって、がむしゃらに一生懸命に取り組むって本当に素敵です。
ちなみに当日私は1日たっぷり脳みそを酷使した後、当然晩御飯に焼肉を食べました。皆さんも食べますよね、焼肉?
普通に焼き肉を食べに行くよりも、何倍も美味しかった気がします。
受験料もベンダー試験に比べてものすごく安いので、
落ちた時の懐ダメージも少ないです。
(別のダメージは色々ありますが)
ぜひみんな受けてほしい!って思いますね。
同じ目標に向かってはいスタート!っていうのが、
私は体育会系なので好きなんですよね。
(おばさんになった今でも、毎年1月位に受験生応援CMが流れまくるたびにじーんときています)
ちなみに合格発表見る時は手が震えます。
Webでの合格発表とはいえ、
ベンダー試験での、「提出」ボタン押した瞬間に
「合格おめでとうございます!」が出てくるのとは、やはり違いますね。
あと、私はコミュニティがすごく好きなので、
「DBスペシャリストを目指す会」とかがあればすごく素敵なのにな~と思っていました。
(「DBスペシャリストドットコム」とかがそれに近かったけど、有料化して以降どうなんだろう?)
IPAの試験を4年位続けていると、もうあらゆる過去問を知り尽くしてしまうので、
データ関係の課題等を解いていても、
「DBや応用情報で似た問題あったわ!」
といった進研ゼミ体験を得られることもあります。
「IPAの中の人による問題作成秘話」といったイベントがあったらな~と思っているのですが、絶対叶わないですよね。
IPAの中の人発信とかしたらダメそうな気がします。
(こんなに日本中のエンジニアから愛され(時に憎まれ?)ているのに)
参考:「不合格体験記」は意外とある。
「資格 不合格体験記」で検索してみましょう。意外と出てきます。
めっちゃいいと思います。どんどん書いていきましょう。
ただ、資格を受けようと思ったとき、多くの方は
「データベーススペシャリスト 勉強法」
といったワードで検索すると思います。
そうすると、出てくるのはやはり合格体験記なのですね。
なので不合格体験記に出会うことがない、と。
なので敢えて
「データベーススペシャリスト 不合格体験記」
といったワードで検索してみましょう。
こちらの@TakuyaSuzukiさんの記事にも、
「不合格体験記が意外と役に立つ!」とありますので、
ぜひお勧めします!
最後に絶対言いたいこと
資格試験に落ちることは恥ずかしいことではない
と声を大にして言いたいです。
合格率100%になる試験など試験の意味がないのだから、当然落ちると思います。
しかも高度試験なんて8割落ちているんですね。
ITパスポートだって落ちます。
落ちたからってその人がダメだとかそういわけでは絶対にないです。
落ちたからこそ、学べることはものすごくあると思います。
何なら私は応用情報を2回落ちています。
応用情報までは簡単だから落ちないとか、たまに言う人いるけど、そんなのは普通にスルーすればよいです。
人間は不完全な生き物です。だからこそ失敗から課題を経て、成長していけると思います。
Qiitaだと、本番環境ぶっ飛ばした話とかもあって最高に良いですね。
もはや2024年のアドベントカレンダーにもなっており最高に好きです。
どんどん失敗を発信していこう!
読んでいただきありがとうございました( *´艸`)
Rieko