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【Visual Studio 2026】MCPがついに標準化!NuGet MCPを有効化して動作確認してみた

Last updated at Posted at 2025-11-13

はじめに

Visual Studio 2026 から、ついに MCP(Model Context Protocol)が IDE に標準対応しました。

これ、地味ですが VS2026 最大級のアップデートです。(いや、地味ではないか…)

その背景には、Copilot の役割そのものが変化したことがあります。

  • VS2022 までは Copilot は “補完・提案” がメイン
  • VS2026 では Copilot が外部ツールを叩ける 「エージェント」 へ進化

そしてこのエージェント化を支えているのが MCP です。

  • Copilot が MCP ツールを標準で扱える
  • [ビルトイン] nuget MCP サーバーが最初から付属
  • 有効化はチェックを入れるだけ
  • MCP サーバーの実行は UI で可視化され、確認ダイアログも出る

つまり VS2026 は、

MCP を使って外部ツールにアクセスできる 初めての Visual Studio

になりました!!

今回は、まず最初の第一歩として

NuGet MCP サーバーを有効化し、MCP が動作している証拠を取る!

という超シンプルな手順をまとめてみました。

補足:Visual Studio 2022 でも MCP の API 自体は利用可能でしたが、Copilot からのツール実行・ツール選択 UI・[ビルトイン] MCP サーバーの統合が行われたのは Visual Studio 2026 が初めてです。 本記事では、この「IDE に統合された MCP」の動作を対象にしています。

前提条件

  • Visual Studio 2026(Community / Professional / Enterprise いずれか)
  • GitHub アカウント
  • GitHub Copilot(個人 / Business どちらでもOK)
  • .NET の基本的なプロジェクト作成が分かること

※ VS 2022以前のバージョン は業務用にそのまま残し、VS 2026 を個人用に別インストールする前提で書いています。

1. 公式サイトから Visual Studio ダウンロード

vs-001.png

※個人利用なら Community で OK。

VS 2026 は Copilot 統合を前提としているので、標準インストールで Copilot が使える構成になっています。

VS 2022 と違って、VS 2026 は .NET 10 / C# 14 が最初からフル対応になっているので、今後 MCP サーバーを .NET 10 で作る時もそのまま使えます。

2. Visual Studio 2026 をインストールする

ダウンロードしたファイルをクリックしてインストールしていきます。

vs-002.png

2-1. インストール方法の選択

インストーラーを起動すると、まずこんな画面になります。
(Visual Studioが既にインストールされている場合)

vs-003.png

ここでは 「ワークロードとコンポーネントを手動で選択する」 を選びました。

  • VS 2022 の業務用設定を 2026 に混ぜたくない
  • 個人用としてクリーンな環境にしたい

という理由です。

2-2. ワークロードの選択

次にワークロード選択画面になります。

vs-004.png

最低限、個人検証用ならとりあえず「.NET ディスクトップ開発」だけで十分です。

  • .NET デスクトップ開発
    • 右側の「インストールの詳細」で以下が有効になっていることを確認!
      • IntelliCode
      • GitHub Copilot
      • そのほかは既定のままでOK

その他のワークロード(ASP.NET、C++ など)は、後からいつでも追加できます。

3. 最初のコンソール プロジェクトを作成

VS 2026 が起動したらスタート画面が表示されます。
(もし表示されなかったらメニューから開いてください!)

vs-006.png

ここから 「新しいプロジェクトの作成」 を選びます。

  1. テンプレートから 「コンソール アプリ(C#)」 を選択
  2. プロジェクト名は任意(なんでもいい)
  3. ターゲット フレームワークは既定のまま(.NET 10 など)
  4. 「作成」を押してプロジェクトを開く

もしかしたら、ここで Visual Studioアカウント連携になるかも! GitHubアカウントでサインしてもOKです。

vs-005.png

4. GitHub Copilot にサインインしてチャットを開く

vs-014 (1).png

  1. メニューの [表示]→[GitHub Copilot]→[Chat] をクリック
  2. 右側に「GitHub Copilot チャット」ペインが開きます
  3. サインインを求められたら GitHub でログインして Copilot を有効化
  4. 試しに こんにちは と送って返事がくれば OK

ここまでは通常の Copilot 利用と同じです。

5. NuGet MCP サーバーを有効化する

いよいよ MCP の出番です。
Copilot Chat から 「ツール(Tools)」 を開きます。
以下の画像の赤丸です!

vs-015.png

  1. Copilot チャットの入力欄付近にある レンチアイコン(🔧) をクリック

  2. 「ツールの選択」ダイアログが開きます

  3. 一覧の中から [ビルトイン] nuget という項目を探します

  4. その左のチェックボックスと、配下の 5 つのツールをすべてオンにします

vs-009.png

  • get-latest-package-version
  • get-nuget-solver
  • get-nuget-solver-latest-versions
  • get-package-readme
  • update-package-to-version

最終的に 「nuget 5/5」 のように表示されていれば、
この VS 2026 環境で NuGet MCP サーバーが有効化されています。

6. 本当に MCP を使っているか?

MCP が動いているかどうかを判断するには、 「通常の Copilot の回答」と「MCP ツール経由の回答」 を比較するのが最も分かりやすいです。

6-1. プロジェクト側の状態

  • まだ NuGet パッケージを一切追加していないプロジェクト
  • .csproj 内に <PackageReference> がひとつもない状態
  • つまり、ローカルのプロジェクト情報だけでは「Newtonsoft.Json のバージョン」は分からない

こうしておくことで、Copilot が外部の NuGet MCP を本当に呼んでいるかが分かりやすくなります。

6-2. 実際に投げたプロンプト

Copilot チャットに次のように入力します。

Newtonsoft.Json の最新の安定版バージョンを、nuget ツールを使って調べて教えて。
このプロジェクトにはまだ参照を追加していません。

6-3. MCP を使わない場合

まずは、通常のCopilotのみの場合、次のようなダイアログが表示されました。

vs-010.png

Copilot が nuget.org にアクセスできず、外部問い合わせを行わない通常モードで動作、最新バージョンを取得せずにローカルで確認する方法(nuget.exe/dotnet CLI/Visual Studio GUI)を案内している状態を示しています。

6-4. MCP を使う場合

次に、NuGet MCP サーバー経由の場合の以下のようになります。

vs-011.png

Copilot が NuGet の MCP ツール(get-latest-package-version)を実行しようとしていることを、ユーザーに確認しているダイアログです。

つまり、「今から MCP サーバー(nuget)にアクセスして Newtonsoft.Json の最新バージョン情報を取得します。実行してもよいですか?」 という “外部ツール実行の許可確認” を行っています。

もちろんOKなので、「確認」を押すと、nuget.org から取得した最新版のバージョンが返ってきます。

vs-013.png

MCP 経由で NuGet.org から取得した
Newtonsoft.Json の最新版(13.0.4) が Copilot から返ってきます。

画像のように、Copilot のメッセージには次が表示されます。

  • Ran get-latest-package-version(MCP ツールが実行された)
  • 取得した最新の安定版バージョン(例:13.0.4)
  • プロジェクトへ追加するための dotnet add コマンド
  • .csproj に直接追加する場合の <PackageReference> スニペット
  • インストール後に確認するための dotnet list package コマンド

ここまで Copilot が出力している内容は すべて MCP ツールが取得したデータに基づいたもの で、ローカル推測ではなく “nuget.org の実データ” を元に回答している点が特徴です。

つまり

001.PNG

・・という経路でツール呼び出しが行われていることが、この画面だけで確認できます。

補足:MCP サーバーは「外部サービス」ではなく、開発者の PC 上で動作するローカルプロセスです。
Copilot → MCPサーバー(ローカル) → NuGet.org という流れで情報を取得するため、 実行前に「外部ツール実行の確認ダイアログ」が表示されます。

7. おまけ - ほかに試せるプロンプト例

MCP がしっかり動いていると分かったら、次のような質問も試せます。

  • Serilog の最新版と、その依存関係を nuget ツールで調べて教えて。
  • JSON 関連の人気 NuGet パッケージを 3 つ、nuget から候補を出して。
  • (パッケージを追加した後で)
    このプロジェクトで使っている NuGet パッケージとバージョンを一覧で教えて。

特に、プロジェクトにまだ入っていないパッケージについて質問すると、ローカル情報だけでは答えられないため、必ず MCP が動くので確認しやすいです。

まとめ

  • Visual Studio 2026 では、GitHub Copilot から NuGet MCP サーバー が組み込みで利用できる

  • 「ツールの選択」ダイアログで [ビルトイン] nuget を有効化するだけでよい

  • Newtonsoft.Json の最新バージョンを nuget ツールで調べて といった質問をすると、

    • Running get-latest-package-version
    • This tool is from 'nuget' (MCP Server).
      といったダイアログが表示され、MCP 経由でツールが実行されていることが確認できる

まずは組み込みの NuGet MCP で動作をつかんでおくと、今後 自作 MCP サーバー を C# や .NET で作るときのイメージがかなり掴みやすくなります。

次は、社内 API やデータベースにアクセスする 自分専用 MCP サーバーを作って、同じように Copilot から呼べるようにしていきたいところです。

注意:この記事の内容は 2025年11月時点の Visual Studio 2026 の仕様を基にしています。 MCP ツールの構成や NuGet MCP サーバーのツール一覧は、今後のアップデートで変更される可能性があります。

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