0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

【OLVMアップグレード】アップグレード方法の種類

Posted at

みなさん、こんにちは!
今回は、OLVMのアップグレードについてご紹介していきます。

OLVMについての他の記事は下記からご覧いただけます。
そもそもOLVMって何?という方や、OLVMについて知りたい!という方は、こちらから読んでいただくのがおすすめです。
■基本シリーズ
第1回:Oracle Linux KVMとOLVMについて
第2回:Oracle Linux KVM 要件と構築について
第3回:OLVM構築 - セルフホステッドエンジン方式
第4回:OLVM構築 - スタンドアロン方式
第5回:OLVM - Oracle Linux KVM追加・設定
第6回:OLVM - 仮想マシン作成

■番外シリーズ
第1回:OLVMとen_US.UTF-8
第2回:NFSを使用したOLVMデプロイ検証記
第3回:OLVM4.5のリリース

OLVMのバージョンと対応OSについて

アップグレードするOLVMのバージョンによっては、KVMホストのOSアップグレードも併せて実施する必要があります。
そのため、まず始めに、OLVMのバージョンと、それに対応するKVMホストのOSバージョンについてご紹介します。

現在OLVMは、4.2 / 4.3 / 4.4 / 4.5 の4つのバージョンがリリースされています。
対応OSは、Oracle Linuxのみで、対応バージョンについては次の通りです。

OLVMバージョン KVMホストのOSバージョン
OLVM4.2 Oracle Linux 7 (7.6以降)
OLVM4.3 Oracle Linux 7 (7.6以降)
OLVM4.4 Oracle Linux 8 (8.5以降)
OLVM4.5 Oracle Linux 8 (8.8以降)

異なるバージョンのOSに対応するOLVMへアップグレードする際は、KVMホストのOSアップグレードも併せて必要です。
<KVMホストのOSアップグレードが 必要なケース の例>
OLVM4.2 or 4.3 → OLVM4.4 or 4.5 へアップグレードする場合

反対に、同じバージョンのOSに対応するOLVMの場合は、KVMホストのOSアップグレードは不要です。
<KVMホストのOSアップグレードが 不要なケース の例>
OLVM4.2 → OLVM4.3 へアップグレードする場合
OLVM4.4 → OLVM4.5 へアップグレードする場合
image.png
<OSアップグレードの要不要早見表>
-:OSアップグレードが不要  〇:OSアップグレードが必要

アップグレード方法

今回は、OLVM4.3 / 4.4 / 4.5の3つを対象に、それぞれ「OLVM4.3からOLVM4.4」「OLVM4.4からOLVM4.5」へのアップグレードについてご紹介します。

OLVM4.3からOLVM4.4

OLVM4.3からOLVM4.4へのアップグレードは、KVMホストのOSをOracle Linux 7 からOracle Linux 8 へアップグレードする作業が含まれるため、手順がやや複雑です。
OSのアップグレード方法としては、下記の2通りがサポートされており、それぞれの方法に合わせてOLVMのアップグレード手順が用意されています。
①クリーンインストール
②Leappを使用したインプレースアップグレード
image.png
2つの方法については、この記事の後半で紹介します。
また、それぞれの手順の流れや注意点については、第2回と第3回で紹介する予定です。

OLVM4.4からOLVM4.5

OLVM4.4からOLVM4.5へのアップグレードは、KVMホストのOSアップグレードが不要でパッケージの更新が主なため、比較的手軽に行うことができます。
なお、OLVM4.3からOLVM4.5へ直接アップグレードすることはできません。必ず先にOLVM4.4へアップグレードする必要があります。
image.png
こちらの手順の流れや注意点については、第4回で紹介する予定です。

クリーンインストールとLeapp(インプレースアップグレード)

前述の通り、OLVM4.3からOLVM4.4へのアップグレードは、KVMホストのOSアップグレード方法によって2通りの方法があります。
ここでは、それぞれの方法について比較も行いつつご紹介します。

①クリーンインストールによるアップグレード

クリーンインストールは、その名の通りKVMサーバのOSをISOイメージから新規にインストールします。
OS設定は、適宜手動で再度設定する必要がありますが、手順が新規構築に近く、比較的シンプルで容易な点が特長です。
また、アップグレード後のOLVM4.4用のストレージドメインを新規に用意する必要がある点に注意が必要です。

②Leapp(インプレースアップグレード)

Leappとは、Linuxをインプレースアップグレードするためのツールで、Oracleの公式Yumサーバでパッケージが提供されています。
OS設定を保ったままアップグレードできるため、NW設定が複雑で再設定に手間がかかる場合や、KVMホストの台数が多い場合などがユースケースとして挙げられます。クリーンインストールと異なり、アップグレード用に新規ストレージドメインを用意する必要がなく、既存環境のOLVM4.3用を引き続き使用できる点も特長のひとつです。
ただし、手順が多く複雑な点と、通常のOLVMの要件に加えてLeappを実行するための要件を満たす必要がある点に注意が必要です。
また、アップグレード前にシステムがアップグレード可能な状態かチェックするコマンドを実行する際、生成されたレポートに問題が出力されていた場合は随時対処する必要があり、環境によって手順に差異が生じることもあります。
サポート対象の環境や要件など、Leappの詳細情報については下記のOracle Linuxドキュメントをご確認ください。
Upgrading Systems With Leapp - 1 About Leapp

上記を踏まえて、両者をいくつかの観点で比較してみます。
より優れていると考えられる内容を太字で記載しましたが、それぞれに強みがあることがお分かりいただけるかと思います。

比較項目 OSクリーンインストール Leapp(インプレースアップグレード)
ストレージドメイン OLVM4.4用の新規ストレージドメインが必要 既存のOLVM4.3用を引き続き使用可能
OS設定 再度設定が必要 既存環境を引き継ぐ
選択可能なOSバージョン メディアを用意すればどのバージョンにもアップグレード可能(OLVM対応バージョンに限る) Leappの機能の制限を受ける
手順の複雑さ 新規構築に近くシンプル、既存環境のOS設定を復元する手間がかかる 手順が多く、時間がかかる、アップグレード前チェックで問題が発見された場合は随時対処する必要がある
制限事項 環境がOLVM4.4の要件を満たしていること 環境がOLVM4.4の要件を満たしていること、環境がLeappの要件を満たしていること

両方のアップグレード方法で検証した感想としては、基本的にOSクリーンインストールがおすすめという印象です。
Leappと比べると、OSクリーンインストールは手順がシンプルで汎用性が高く、想定外が起きにくい安定感があり、実際にやるとなったときに、これらの特長はかなりありがたく感じました。

おわりに

OLVMのアップグレードについて、どのような種類があるのかをご紹介しました。
一口に「OLVMのアップグレード」といっても、アップグレードするバージョンや選択する方法によって、手順や考慮すべき点に違いがあるため、目的や環境に合わせて適切な方法を選択することが大切です。

次回は「OSクリーンインストールによるOLVM4.3からOLVM4.4へのアップグレード」について、大まかな流れや注意点についてご紹介しますので、ぜひそちらも併せてご覧ください!

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?