はじめに
最近AI(Claude)に手伝ってもらいながら、趣味でシステムを作るのにすっかりハマってます。
他にもDevTools Japan という無料のWebツール集を運営しています。
で、いろいろ調べて、触ってるうちに「これは面白い…!」ってなった技術が2つあって、それがMCPとx402なんです。
ちなみに作ったシステムはmcp-revenue-empire です。
- MCP(Model Context Protocol) … AIエージェントが外部のツールやデータを呼び出すための共通規格。早い話「自分の作ったサービスを、AIから直接使ってもらえる」やつ。今流行りかな?
- x402 … HTTPの「402 Payment Required」を使って、1回呼ばれるごとに課金できる仕組み。アカウント登録なしで、エージェントがそのまま支払って使えるのがすごい。ある意味怖いやつ。
この2つを組み合わせると、「AIエージェントが、登録もせずに、必要なデータを呼んで(必要なら自動で支払って)使う」みたいな世界が作れちゃうんですよね。これが面白くて、勢いで作ったのがこれです。
(コードはほぼAIに書いてもらってます。わたしは「こういうの作りたい」を考えて、レビューする係…!)
作ったもの
日本の公開データを「改ざん検知つきの時系列台帳」にして、MCPから呼べるようにしたサービスです。
エンドポイントはこちら:
https://mcp.mcp-revenue-empire.com/mcp
いまのところ 全部 無料・登録不要 で呼べます。補助金とか、行政処分とか、不動産の取引価格とか、「日本の役所が公開してるデータ」を、AIがそのまま引っぱって使える形にしてあります。
これは私の今の業務に関係があったので、これが欲しい!から始めました!!
全部で12ジャンルあります
| ジャンル | 中身 | だいたいの出典 |
|---|---|---|
| 補助金 | 補助金の新規・変更 | jGrants |
| パブリックコメント | 意見募集の新規・結果 | e-Gov |
| 研究費公募 | 公募情報 | 研究費系 |
| 入札・調達 | 入札案件・落札 | 官公需ポータル |
| 行政処分 | 金融庁の処分事例 | 金融庁 |
| 許認可 | 金融庁の登録業者一覧 | 金融庁 |
| リコール | リコール情報 | 消費者庁 |
| 薬価 | 薬価基準収載品目 | 厚労省 |
| 例規・法令 | 法令の改正 | e-Gov法令 |
| SaaS利用規約 | 主要SaaSのToS変更 | 各社 |
| 不動産取引価格 | 取引価格情報 | 国交省 不動産情報ライブラリ |
| 地価公示 | 地価公示の標準地 | 国土数値情報 |
「変化を毎日見張って、台帳に追記していく」イメージです。
私はDicordに自動送信して使ってます。
こんな感じで、更新や変更、新規追加があれば自動でメッセージが来ます!

これが地味にすごく便利で。
役所のサイトを毎日見に行かなくても、変わったところだけ向こうから来るんですよね。
朝Discordを開いたら、その日の差分が並んでる。
補助金の新しい公募とか、自社製品に関係するリコールとか、「見逃したくないけど毎日チェックするのは面倒」なやつを取りこぼさずに済みます。
「改ざん検知つき」ってどういうこと?
ここがこのサービスの一番のこだわりで。
毎日データを観測して、変化があったら「いつ・何が・どう変わったか」をハッシュチェーンでつないで記録してます。
あとから1件でもこっそり書き換えると、チェーンが壊れて「これ改ざんされてます」ってバレる仕組みです。
ただ、ここは正直に言っておきたくて——
この署名が証明するのは「ここに記録されて、あとから変えられてない」ってことだけです。
元の役所データ自体が正しいかとか、その取引が本当にあったかは保証しません。そこは盛らないでおきます。
(前に祝日APIを作ったとき、判定をAIに聞いたら普通に間違えられた経験があるので…「たぶん正しい」と「検証できる」は別もの、ってことを身に染みて学びました。)
この考え方は、正直自分には無くてAIにお勧めされたのですが、今後AIを使う上でこの「改ざん」というもの。
つまり「信頼」されるものが重要らしいです!
使い方
Claude Desktop に登録する
設定ファイルにこれを足すだけ:
{
"mcpServers": {
"japan-public-ledgers": {
"url": "https://mcp.mcp-revenue-empire.com/mcp"
}
}
}
これで、Claudeに「最近の東京の不動産取引価格を調べて」って言うと、直接このデータを引いてきてくれます。AIが勝手にデータソースを持つ感じ、ちょっと感動します。
curl で叩く(ブラウザ・ターミナルだけでOK)
ツール一覧を見る:
curl https://mcp.mcp-revenue-empire.com/mcp/tools
不動産取引価格を検索(東京都=コード13):
curl -s https://mcp.mcp-revenue-empire.com/mcp \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{"jsonrpc":"2.0","id":1,"method":"tools/call","params":{"name":"realestate_watch_search","arguments":{"areaCode":"13","limit":2}}}'
返ってくるJSON(一部):
{
"hits": [
{
"areaName": "東京都 中央区",
"period": "2025-Q4",
"propertyType": "宅地(土地と建物)",
"price": 630000000,
"ledgerVerified": true
}
]
}
この "ledgerVerified": true が「改ざんされてないよ」の印です。
なんでこんなの作ったの
最初は「MCPとx402を触ってみたい」だけだったんですけど、作ってるうちにAIが気づいたことがあって。
こういう“時系列で変化を記録した台帳”って、今日から記録し始めないと、後からは絶対に手に入らないみたいなんですよね。役所のサイトは「今の最新」しか出してくれないので、「去年のいつ、この補助金の条件がこっそり変わったか」みたいな履歴は、コツコツ観測してた人しか持ってない。
だから「とりあえず全ジャンル観測だけ広げておこう」と思って、12ジャンルまで増やしちゃいました。データが貯まること自体が価値になる、という発見が面白かったです。
技術的な話
- Cloudflare Workers(サーバーレス)+ TypeScript
- D1(SQLite)にハッシュチェーンで保存
- 全サービスを
/mcp/*(MCP)と/x402/*(x402課金)の両方で公開 - 公式の MCPレジストリにも登録済み
- 日本語・英語の両対応(日本のデータだけど、世界中の開発者に使ってほしいので)
x402の課金まわりも仕込んであるんですけど、今は「まず使ってもらう」フェーズなので全部無料で開けてます。
(おまけで、エージェント自身にIDを発行して改ざん検知つきで照会できる「agent-identity」みたいなのも作ってます。これはまた別の記事で…!)
まとめ
- 日本の公開データ12ジャンルを、改ざん検知つきの台帳にしてMCPで公開しました
- 登録不要・無料で、Claude Desktopやcurlからすぐ呼べます
- エンドポイント:
https://mcp.mcp-revenue-empire.com/mcp - MCP × x402、ほんとに面白いので、興味ある人はぜひ触ってみてください
「こんなジャンルも観測してほしい」「ここ動かなかった」みたいなのがあれば、気軽にコメントで教えてください〜!