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Raspberry Pi 3/4にUbuntuをインストール

Last updated at Posted at 2021-06-24

概要

Ubuntu Server/Desktopのインストールについての説明.
このページはUbuntu Serverのインストールがメイン.素直にDesktopをインストールする場合は,UbuntuのRaspberry Piページのトップの位置あたりにある「desktop」を選択してtutorialを見た方がよい.

モチベーション

ROS2の少人数ゼミを行うときに,PC使うのではなくRaspberry Pi使った方が

  • 安上がりじゃないか?
  • ハードウェア扱うのに接続性が良くないか?
  • 面白いんじゃない?

と思ったから.

ネットワーク環境の変動に対する考え方

raspberry piの場合,使用状況が色々変わる.持ち運びも考慮に入る.これにより状況によってネットワーク環境が変わることが想定される.ROSで遊ぶならDNS/DHCPなくても扱えるようにしたい.

無線LANの場合

無線LANで接続できる場合,IPが自動で割り振られる状況のみを想定する.IPが自動で割り振られない場合,そもそも無線サービスが使えないと考え,IPが割り振られれず利用できないままにしておく.

  • 対処
    • ネットワーク設定にてdhcpによる割り振りを行う(netplanのyaml設定ファイルでdhcp4: trueとする).
    • IPが変わる可能性があるので,ssh接続などは名前解決で行う.dnsがない可能性も考え,avahi-daemonによる名前解決を行う.

有線LANの場合

有線LANの場合,以下の状況が考えられる.

  1. LANケーブルが刺さっていない
  2. dhcpサーバによりIPが自動で割り振られる
  3. dhcpサーバのないネットワークに接続しちゃった
  4. 固定IPを設定しなければならないネットワークである

このうち,4.は考えず,1.から3.で適当にIP割り振っちゃっていい状況を対象とする.
わりとraspberry piを持ち運んだりして状況が変わると,1.になったり2.になったり途中で状況が変わるけど,それでも動くようにしたい.

  • 対処
    • link-localによるプライベートIPの自動割り振り(169.254.0.0/16)を行う(netplanのyaml設定ファイルでlink-local: [ipv4]を使う)
    • avahi-daemonによる名前解決を行う(無線LANと同じ)

Ubuntu Serverのインストール・設定

microSDカードへのインストール

UbuntuのRaspberry Piページが充実している.このページの「Download Ubuntu Server」や「Download Ubuntu Desktop」からダウンロードしても良いが,トップの位置あたりにある「desktopserver」を選択してtutorialを見た方がよい.ここではserverを選択.

Raspberry Pi Imagerによるインストール方法

server通りに実行.特に気を付けるところは以下の通り.

Raspberry Pi Imager for Windowsにて.Mac, Unixはserverに説明あり.

  • CHOOSE OS
    • Other general purpose OS
      • Ubuntu ServerLTS(RPi 3/4/400) 64bit版のお好きなバージョンを選択
  • 右下の歯車マークで事前に色々設定可

Ubuntu Serverの設定

起動・ログイン

microSDカード,HDMI,キーボード/マウスをつなげてRaspberry Piを起動すると普通のUbuntuインストールとなる.まずは普通のインストールを終わらせる.

最初の起動後,ID・パスともにubuntuでログインするかSDカードへの書き込み時に設定したID・パスでログインする.
ただ,最初は種々の設定を書き込む時間が必要で,すぐにログインできないかもしれない.数分待って画面半分くらいになんかメッセージが出たらログインできるようになる.

ネットワーク関連設定

基本設定

普通のインストール後に追加で設定.

  • 設定ファイル
    • /etc/netplan/50-cloud-init.yaml
  • 今回の例
    • 有線・無線ともにDHCPにて自動割り当て
    • 無線LANのssidをmyssid,セキュリティキーをmypassとして説明するので適宜自分用に読み替え
    • renderer: networkdを使用1
50-cloud-init.yaml
network:
    version: 2
    renderer: networkd
    ethernets:
        eth0:
            dhcp4: true
            dhcp6: true # 使わないならfalse
            link-local: [ ipv4, ipv6 ] # v6いらないなら [ ipv4 ]でおけ
    wifis:
        wlan0:
            dhcp4: true
            dhcp6: true # 使わないならfalse
            access-points: # 複数のssidを登録可
                "myssid":
                    password: "mypass"

設定後,以下のコマンドでネットワーク設定の有効化.

terminal
$ sudo netplan apply

非公開SSIDへの接続,パスワードの暗号化などは以下が参考となる.

avahi-daemon2

terminal
$ sudo apt install avahi-daemon
$ sudo systemctl enable avahi-daemon
$ sudo systemctl start avahi-daemon
  • /etc/hostnameで名前を指定3
  • 同じネットワーク内で名前が被らないように気を付ける
  • 以下はとりあえずの例
/etc/hostname
pi001

これでホスト名.localでアクセス可能となる.この例の場合,pi001.localでアクセスできるようになる.
注意点として,ホスト名の中に.(ピリオド)は使えない.例えば,pi.001とはできない(pi.001.localでアクセスできない).

その他通常の設定

念のため

入っていると思うが念のためインストール

$ apt install ssh git

hostnameの設定

設定
$ sudo hostnamectl set-hostname [コンピュータ名]
一時的な設定(再起動すると元に戻る)
$ hostname [コンピュータ名]
確認
$ cat /etc/hostname

時刻合わせ

  • 設定ファイル編集
/etc/systemd/timesyncd.conf
NTP=ntp.nict.jp
FallbackNTP=ntp.ubuntu.com # 複数指定する場合にはスペース区切りで続けて記述
terminal
$ timedatectl set-ntp true
$ sudo systemctl enable systemd-timesyncd.service
$ sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
$ sudo systemctl restart systemd-timesyncd.service

ロケール・キーボード・スワップファイルの設定

ここを参考.

terminal
$ sudo locale-gen ja_JP.UTF-8
$ sudo dpkg-reconfigure -f noninteractive locales
$ echo "LANG=ja_JP.UTF-8" | sudo tee /etc/default/locale

/etc/default/keyboardを編集

  • XKBMODEL="jp106"にする
  • XKBLAYOUT="jp"にする

スワップファイルはメモリの使用状況をみて必要なら行う.

terminal
$ sudo fallocate -l 1g /swapfile
$ sudo chmod 600 /swapfile 
$ sudo mkswap /swapfile 
$ echo '/swapfile swap swap defaults 0 0' | sudo tee -a /etc/fstab
$ sudo swapon -a

2行目で1GBのスワップファイルを作成している.

システムアップデート4

terminal
$ sudo apt update && sudo apt upgrade

Tips

デスクトップ環境のインストール

注意

もしDesktopのバージョンの問題(特定のバージョンが手軽にインストールできない等)がある場合,

  1. Ubuntu Serverをインストール
  2. デスクトップ環境(xubuntu)をインストール

と段階的に行う.この場合は以下の手順を参考に.
もし問題がなく,インストールしたいDesktop環境がRaspberry Pi Imager for Windowsでインストールできなるのであれば,チュートリアル通りに進めた方がよい.

段階的に行う場合の話

デスクトップ環境はひとつのアプリケーションなので色々インストールできる.serverの5. Install Desktopから選択できるものを紹介しているblogなどに飛べる.ちょっと紹介文が面白い.
ここではxubuntuを選択.

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
$ sudo apt install xubuntu-desktop

xubuntuインストール途中の選択

  • ディスプレイマネージャ
    • gdm3
    • LightDM
      • こっちの方がいいかな?

ディスプレイマネージャの変更

$ sudo dpkg-reconfigure gdm3

もしかしたら以下をやるようにメッセージが出るかもしれない.その場合には実行

$ sudo dpkg --configure lightdm

その他

SDカードのイメージ作成・復元

何台ものRaspberry Piを複数の人(学生)が同じ(ような)環境で使いたい場合,いちいちインストール・設定をするのは面倒.
そこで原初のSDカードを作成後,バックアップ(イメージの作成・保存)と復元(イメージからSDカードの作成)を考える.
ソフトウエアはWin32DiskImagerを使用する.リンクからDLしてもよし,以下のコマンドでいれても良し.

windows terminal
winget install --id Win32diskimager.win32diskimager

初手

必要なソフトウエアは全部入れておく.
raspberry pi上でavahi-daemonをdisableにしておく.

raspberry pi terminal
$ sudo systemctl disable avahi-daemon

その後電源落として,raspberry piからWindowsにSDカードを挿し替える.

SDカードのバックアップ(イメージ作成)・復元

有名なソフトなので「Raspberry Pi SDカード バックアップ 復元」などで沢山情報得られる.

後処理

以下について行う.

  • raspberry piに挿し替えて起動
  • パーティションの拡張
  • hostnameの変更
    • avahi-daemonを使用するので固有の名前をつける必要があるので必須
  • avahi-daemonの有効化
    • 識別のためのhostnameを設定した後にavahi-daemonを有効化
raspberry pi terminal
$ sudo hostnamectl set-hostname [コンピュータ名]
$ sudo systemctl enable avahi-daemon
$ sudo systemctl start avahi-daemon

長期運用のための工夫

  1. dhcp割り当てなのでIPが変わる可能性があり,IPによるssh接続は面倒となる.そこでホスト名による接続のためavahi-daemonを使う(手持ちのRaspberryPiをサクッとmDNSに対応させる).

  2. 有効化のためのリブートが面倒ならhostnamectlコマンド使おう(server world)

  3. 本当はインストール直後にも行う.というか隙あらば行う.

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