はじめに
以前の記事では、ローカルPCにインストールしたBacklogのMCPサーバーを利用して課題を直接参照して活用する方法を紹介しました。
今回の記事ではインターネット上のリモートMCPサーバーを利用する方法について記載しました。
Kiroのホームページには "ワンクリック" でMCPサーバーの設定を取り込める機能があるため、それを利用して設定を試みています。
【以前の記事】
ローカルMCPサーバー
ローカルMCPサーバーはローカル環境で実行されるMCPサーバーのことを指します。
以前の私のバックログMCPサーバーもGitHubからMCPサーバーをローカルPCにインストールしてそれを利用していました。
そのため、Kiroが参照するMCP設定ファイルには
"args": ["C:...backlog-mcp-server\\build\\index.js"]
のように、ローカルのCドライブのパスが設定されています。
ローカルMCPサーバー設定手順
- GitHubなどからMCPサーバーのコードをgitCloneして入手する
- 「npm install」「npm run build」を実行してインストールする
- mcp.jsonに設定(ファイルのパスや引数)を記載する
↓設定全文
{
"mcpServers": {
"backlog": {
"command": "node",
"args": ["C:...backlog-mcp-server\\build\\index.js"],
"env": {
"BACKLOG_DOMAIN": "YourBacklogUrl.backlog.com",
"BACKLOG_API_KEY": "APIKEY"
},
"disabled": false,
"autoApprove": []
}
}
}
リモートMCPサーバー
リモートMCPサーバーはインターネット上にホストされており、それをローカルPCにインストールすることなく、設定を記載するだけで利用可能になります。
そのため、Kiroが参照するMCP設定ファイルには
"args": ["awslabs.aws-documentation-mcp-server@latest"]
のようにローカルPC内のパスではなく、リモートMCPサーバーの名前とバージョンが指定されています。
KiroのリモートMCPサーバー ワンクリック設定
Kiroでは主要な信頼できるMCPサーバーのリストがKiroのドキュメントページに公開されています。
そのページから任意のMCPサーバーを選択することで簡単にリモートMCPサーバーが利用できる環境を設定できるようになります。
↓KiroのリモートMCPサーバー紹介ページ
リモートMCPサーバー ワンクリック設定手順
初期状態
初期状態では以前のローカルのバックログMCPサーバー以外設定されていない状態にしておきました。
ここからKiroのページにあるリモートMCPサーバーの設定を追加します
ステップ1:KiroのページでMCPサーバーを選択する
KiroのリモートMCPサーバー紹介ページで任意のMCPサーバーの「Add to Kiro」のボタンをクリックします。
今回の記事では「AWS Documentation」を選択します。
ステップ2:Kiroからの設定確認依頼を承認する
MCPサーバーを選択後、Kiroが起動され、リモートMCPサーバーの設定確認がポップアップで通知されます。
「Enable」を選択します。
↓リモートMCPサーバー設定確認のポップアップの画面キャプチャ

ステップ3:設定ファイルが書き換わったことの確認
MCPの設定ファイルに選択したMCPサーバーの設定が追記されるため、それを確認します。
↓追加された設定ファイルの記述

注意!エラーが出た場合の対応
本来であれば、MCPサーバーの設定ファイルに設定を追記し、MCPの種類によっては引数設定をさらに行うことでリモートMCPサーバーが動きます。
今回の私の環境では以下のようなエラーが出たので対策方法を記載しておきます
※Kiroに対応方法を聞きましたが、なぜか正解にはたどり着かなかった
(Kiroに最終的にAWS Knowledge MCP Serverを代わりに設定してOKにされた)
Windows環境で発生したエラー
Failed to connect to MCP server "aws-docs": MCP error -32000: Connection closed
↓Kiroの設定済みMCPサーバー一覧でも、MCPサーバーとの接続ができていないことが確認できる

対策:公式ページの記載を読む。今回はWindows環境特有の構成形式が原因だった
以下の公式ページを参照いただければわかりますが、今回私が選択した「AWS Documentation MCP Server」ではWindowsでの設定ファイルへの記載方法がKiroのワンクリックインストールで追記されたものとは異なります。
公式ページでの "Windows用の" 設定ファイルの記述内容を設定することでAWS Documentation MCP Serverが機能します
↓AWS Documentation MCP Server の公式ページ
ステップ4:動作確認
今回はAWSのドキュメントを検索するリモートMCPサーバーを設定したため、以下の文章をKiroに投げて動作確認を行います。
文章「S3 バケットの命名ルールに関するドキュメントを参照してください。出典を引用してください。」
その結果、KiroはリモートMCPサーバーを利用して回答を生成してくれました。
↓KiroがリモートMCPサーバーを利用して回答を作ってくれた画面キャプチャ

さいごに
今回はKiroを使ったリモートMCPサーバーの設定について、ワンクリック設定を試しました。
MCPサーバーの種類によっては本当にワンクリックで設定できるものもありますが、今回私が行ったように特定環境の設定ではないものが設定に追加されることで修正が必要になることもあります。
もし設定がうまくいかなければ、必要なMCPの公式ホームページを参照して下さい。
参考URL
Kiro : リモート MCP サーバーの紹介
Kiro関連の過去の記事
【AWS】話題のKiroのルールファイル適用やアーキ図から実装など注目機能を試してみた【KIRO】
【AWS】KiroのSPECでチーム開発をどうするか(SPEC分割、外部実装割り込み)【Kiro】



