QwenCloudのQwen3.8-2.4T-A95Bが100万トークンまで無料と聞いたので、8月13日の記事を横目に「パソコンのキーボードは,なぜABC順・五十音順ではないのですか」と尋ねてみることにした。Google Colaboratoryだと、こんな感じ。
!pip install openai
msg=[{"role":"user","content":[{"type":"text","text":"パソコンのキーボードは,なぜABC順・五十音順ではないのですか"}]}]
from openai import OpenAI
client=OpenAI(base_url="https://dashscope-intl.aliyuncs.com/compatible-mode/v1",api_key="sk-your-api-key")
response=client.chat.completions.create(model="qwen3.8-2.4t-a95b",messages=msg)
print(response.choices[0].message.content)
実行してみたところ、私(安岡孝一)の手元では以下の結果が出力された。
ざっくり言うと、パソコンのキーボードは「文字表として分かりやすい順」ではなく、タイプライター以来の歴史・機械的制約・打ちやすさ・規格の互換性で決まったからです。
1. アルファベットがABC順でない理由
パソコンの英字キーボードは、多くが QWERTY配列 です。これは19世紀の英文タイプライターから受け継がれたものです。
よく言われる理由は、次のようなものです。
- 昔のタイプライターは、文字ごとに金属の活字バーが紙を打つ仕組みだった。
- よく使う文字の組み合わせや、隣のキーを続けて打つと、活字バーがぶつかって詰まりやすかった。
- そのため、よく使う文字の連続を分散したり、左右の手をバランスよく使わせたりする配置が工夫された。
- その結果として広がった配列のひとつがQWERTYだった。
つまり、ABC順は「文字を探す」には分かりやすいのですが、速く打つ・機械を詰まらせない・指を効率よく動かす という観点では必ずしも有利ではない、ということです。
ただし、「QWERTYはわざと遅く打たせるため」という説明は単純化されすぎているとも言われます。実際には、機械的なトラブルを減らして実用的に使うための妥協でした。
また、QWERTYが必ずしも最適な配列というわけでもありません。
Dvorak配列やColemak配列など、より打ちやすさを考えた配列も提案されています。それでもQWERTYが残り続けているのは、世界中の人がすでにそれで覚えてしまっている からです。2. 日本語キーボードが五十音順でない理由
日本語キーボードの場合、さらに事情が重なります。
日本のパソコンでは、基本的に英字キーボードのQWERTY配列を土台にしています。日本語入力も、多くの人はローマ字入力なので、まず必要なのはアルファベットのQWERTY配列です。
そのうえで、かな入力のときに使う「かな刻印」の並びも、五十音順にはなっていません。これは JISかな配列 などと呼ばれるもので、五十音順ではなく、歴史的なかなタイプライターや和文端末、ワープロ時代の配列を基に規格化されたものです。
五十音順は、
あいうえお
かきくけこ
さしすせそ……というように、学習や辞書引きには非常に分かりやすい並びです。
しかし、入力装置としては次のような点が問題になります。
- よく使うかなが特定の指に集中しないか
- 同じ指で連打しやすすぎないか
- 左右の手を交互に使いやすいか
- 濁点・半濁点・小文字・句読点をどう割り当てるか
- 限られたキー数にどう配置するか
こうした「入力しやすさ」や「機器側の制約」を考えると、五十音順がそのまま最適とは限りません。
3. なぜ今も変えないのか
最大の理由は 互換性と学習コスト です。
もし今日からABC順や五十音順を標準にしたら、
- 今まで覚えた人の筋肉記憶が無駄になる
- 教材・研修・マニュアルを作り直す必要がある
- キーボード刻印やソフトの説明が変わる
- 既存の機器と混乱が起きる
といった大きなコストが発生します。
そのため、「もっと合理的な配列」があっても、標準はなかなか変わりません。
実際、OSの設定でDvorak配列やかな配列を変えることはできますが、多くの人は慣れたQWERTYを使っています。まとめ
パソコンのキーボードがABC順・五十音順ではないのは、
文字の学習順として自然かどうかより、タイプライター以来の歴史・機械的制約・入力効率・規格の慣性が優先されたから
です。
ABC順や五十音順は「探す」「学ぶ」には向いていますが、キーボードは「入力する道具」として発展してきたため、あの独特な並びになっています。
「QWERTYが残り続けているのは、世界中の人がすでにそれで覚えてしまっているから」というのは、ヨーロッパでのAZERTY配列やQWERTZ配列を無視していてツライ。これが「世界中」じゃなくて「日本中」だとしても、かなり痛々しい。五十音順にしても、たとえばJIS X 6002の「タチツテト」に五十音順の名残りがある点に気づいておらず、トンチンカンな回答になっている。この回答で8492トークンなので、さて、高いと見るか、安いと見るか。