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【図解で完全理解】Neonって何?Supabaseと何が違うの?Python初心者のためのクラウドDB入門

Last updated at Posted at 2025-12-21

はじめに

「Neonって何?Supabaseとどう違うの?」

Pythonを学び始めてWebアプリを作ろうとすると、必ず「データベースをどこに置くか」という問題に直面します。ローカルにPostgreSQLをインストールするのは面倒だし、本番環境とのズレも心配。そんな時に目にするのが「Neon」や「Supabase」といったクラウドサービスです。

この記事では、これらのサービスが「何を解決してくれるのか」を、図解を交えて徹底的に解説します。

この記事の対象読者

  • Pythonでデータベースを使ったアプリを作りたい初心者
  • 「Neon」「Supabase」という名前を聞いたが、違いが分からない方
  • ローカルのPostgreSQLやSQLiteから本格的なクラウドDBへ移行を検討している方

この記事で得られること

  • ローカルDB vs クラウドDBの違いと、クラウドDBを使うメリット
  • NeonとSupabaseの根本的な違い(DBaaS vs BaaS)
  • 手動セットアップ vs クラウドサービスの違い(As-Is / To-Be分析)
  • あなたの状況に最適なサービスの選び方(Fit & Gap分析)
  • Pythonからの具体的な接続コード

1. 前提知識の整理:ローカルDB vs クラウドDB

データベースの「置き場所」という問題

Pythonでアプリを作る時、データを保存する場所が必要です。選択肢は大きく2つあります。

種類 具体例 イメージ
ローカルDB SQLite, PostgreSQL(自分のPC) 自宅に本棚を置く
クラウドDB Neon, Supabase, AWS RDS レンタル倉庫を借りる

なぜクラウドDBが注目されているのか

ローカルDBには以下の課題があります。

  • 環境構築が大変:PostgreSQLのインストール、設定、起動管理が必要
  • 本番環境との差異:開発環境と本番環境でDBの挙動が違う
  • チーム開発が困難:各メンバーのローカル環境を揃えるのが大変
  • バックアップが自己責任:データ消失リスクを自分で管理

クラウドDBはこれらの問題を解決します。

DBaaS vs BaaS:2つのサービス形態

クラウドDBサービスには、大きく2つの種類があります。

image.png

種類 提供する機能 向いているケース
DBaaS データベースのみ 自前のバックエンド(Flask, FastAPIなど)がある
BaaS DB+認証+ストレージ+API バックエンドを書かずにアプリを作りたい

2. Neonとは

一言で言うと

Neon(ネオン) は、 「サーバーレスに特化した、高機能なPostgreSQLデータベース」 です。

従来のPostgreSQLをクラウドネイティブに再設計し、「使った分だけ課金」「自動スケール」「データベースのブランチ」といった革新的な機能を実現しています。

Neonの3つの特徴

特徴1:自動スケール(Autoscaling)

  • アクセスがない時は自動で停止(課金も停止)
  • アクセスが来ると数秒で起動
  • 負荷に応じてCPUとメモリが自動で増減

特徴2:ブランチ機能(Branching)

Gitでソースコードを管理するように、 データベースの状態を「枝分かれ」 させることができます。

  • 本番データを含んだテスト環境を数秒で作成
  • 各ブランチは独立しているため、本番に影響しない
  • GitHubのプルリクエストごとにプレビューDBを自動生成可能

特徴3:コンピュートとストレージの分離

従来のデータベースは「計算(CPU)」と「保存(ストレージ)」が一体でした。Neonはこれを分離することで、柔軟なスケーリングを実現しています。


3. Supabaseとは

一言で言うと

Supabase(スーパベース) は、 「PostgreSQLを中核に据えた、バックエンド機能一式をパッケージ化したプラットフォーム」 です。

「Firebase(Google製のBaaS)のオープンソース版代替」として有名です。

補足:「SuperBase」と表記されることがありますが、正しくは「Supabase」です。

Supabaseに含まれる機能

機能 説明 用途例
Database PostgreSQLデータベース データの保存・検索
Auth ユーザー認証・認可 ログイン、OAuth連携
Storage ファイル保存 画像、動画のアップロード
Edge Functions サーバーレス関数 APIエンドポイント作成
Realtime リアルタイム同期 チャット、通知

Neon vs Supabase:根本的な違い

比較項目 Neon Supabase
主な役割 純粋なデータベース(DBaaS) バックエンド一式(BaaS)
含まれる機能 PostgreSQLデータベースのみ DB+認証+ストレージ+Functions+Realtime
スケーリング 自動(サーバーレス) プランに基づくインスタンス型
得意な用途 自前のバックエンドがある場合 フロントエンドから直接DBを扱いたい場合

4. サンプルアプリのER図

この記事では、シンプルなブログアプリを例に説明します。

このような構造のデータベースを、ローカル環境で作るか、クラウドで作るか。次のセクションで比較します。


5. As-Is / To-Be 分析:従来のやり方 vs クラウドDB導入

ビジネス分析でよく使われる「As-Is / To-Be フレームワーク」を用いて、従来の課題とクラウドDB導入後の改善を明確にします。

As-Is(現状):ローカルPostgreSQL / SQLiteの課題

ローカルPostgreSQLの場合

SQLiteから移行する場合の課題

SQLiteは手軽ですが、本番環境には向きません。

SQLiteの限界 具体的な問題
同時接続 複数ユーザーのアクセスでロックが発生
スケーラビリティ 大量データの処理に不向き
機能制限 高度なSQL機能(JSON型、全文検索など)が限定的
本番運用 Vercel等のサーバーレス環境では使えない

現状の課題一覧

カテゴリ 課題 影響度
環境構築 OSごとにインストール手順が異なる
運用 起動・停止・バックアップを手動管理
本番移行 開発環境と本番環境の差異
チーム開発 各メンバーの環境を揃えるのが困難
コスト 使っていない時間も常時起動

To-Be(あるべき姿):クラウドDB導入後

導入後の改善効果

カテゴリ 改善内容 効果
環境構築 ブラウザ上で完結(インストール不要)
運用 自動バックアップ、自動スケール
本番移行 開発=本番(同じ接続先)
チーム開発 接続文字列を共有するだけ
コスト 使った分だけ(Neonの場合)

Before / After 比較表

観点 Before(ローカル) After(クラウドDB)
環境構築 インストール+設定(30分〜数時間) アカウント作成+DB作成(5分)
起動・停止 手動でサービス管理 自動(または常時起動)
バックアップ 自分でcronやスクリプトを設定 自動で定期バックアップ
本番環境 別途セットアップが必要 同じ接続先を使える
チーム共有 各自がローカルにDBを持つ 全員が同じDBに接続

6. 開発フローの違い(シーケンス図で理解)

実際の開発フローを、4つのシナリオで比較します。

(a) Pythonアプリからデータベースへ接続するまでの流れ

ローカルPostgreSQLの場合

Neon / Supabaseの場合

(b) 開発環境の構築フロー

(c) 本番デプロイ時のDB環境構築フロー

Vercelなどのプラットフォームにデプロイする際の違いを見てみましょう。

(d) Neonのブランチ機能を使った開発フロー

Neon特有の強力な機能「ブランチ」を使った開発フローです。

ブランチ機能のメリット

メリット 説明
本番データでテスト 実際のデータを使って新機能をテストできる
安全 本番DBに一切影響しない
高速 ブランチ作成は数秒で完了(Copy-on-Write)
CI/CD連携 GitHub Actionsと連携してプレビュー環境を自動構築

7. Fit & Gap 分析:どのサービスを選ぶべきか

「Fit & Gap 分析」を用いて、あなたの状況に最適なサービスを選びましょう。

主要サービスの概要

サービス 種類 DBの種類 特徴
Neon DBaaS PostgreSQL サーバーレス、ブランチ機能
Supabase BaaS PostgreSQL 認証・ストレージ込み
Firebase BaaS NoSQL(Firestore) Googleエコシステム連携
ローカルPostgreSQL - PostgreSQL 自己管理、無料

Fit & Gap 分析表

あなたの状況(左列)と各サービスの適合度を確認してください。

判断軸 Neon Supabase Firebase ローカルPG
バックエンドを自分で書く(Flask/FastAPI) ◎ 最適 ○ 可能 △ やや複雑 ○ 可能
フロントエンドのみで完結させたい △ 要追加実装 ◎ 最適 ◎ 最適 × 困難
SQLで複雑なクエリを書きたい ◎ 最適 ◎ 最適 × 不可 ◎ 最適
認証機能も一緒に欲しい × なし ◎ 標準搭載 ◎ 標準搭載 × なし
リアルタイム通信が必要 × なし ◎ 標準搭載 ◎ 標準搭載 × なし
コストを最小限に抑えたい ◎ 従量課金 ○ 無料枠あり ○ 無料枠あり ◎ 無料
本番DBと同じ環境でテストしたい ◎ ブランチ機能 △ 手動複製 △ 手動複製 × 困難
Vercel/Next.jsとの相性 ◎ 公式連携 ○ 良好 ○ 良好 △ 要設定

選定フローチャート

Gap(不足・課題)の対処法

各サービスには弱点もあります。事前に把握しておきましょう。

サービス Gap(弱点) 対処法
Neon 認証・ストレージ機能がない Auth0、Clerk、AWS S3などを併用
Supabase サーバーレスではない(常時起動型) 無料枠で小規模利用、またはNeonと併用
Firebase SQLが使えない(NoSQL) SQLが必要ならSupabaseかNeonを選択
ローカルPG 本番環境との差異、運用コスト クラウドDBへの移行を検討

8. 料金体系の比較(2025年12月時点)

注意:料金は変動する可能性があります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

無料枠の比較

項目 Neon Supabase Firebase
DB容量 500MB / プロジェクト 500MB 1GB(Firestore)
プロジェクト数 最大10個 最大2個 制限なし
計算リソース 共有CPU・自動スリープ 共有CPU 従量課金
ファイルストレージ なし 1GB 5GB
認証ユーザー数 なし 50,000 MAU 制限なし
データ転送 5GB/月 5GB/月 10GB/月

有料プランの比較

プラン Neon Supabase
エントリー Launch: $19〜/月 Pro: $25〜/月
チーム向け Scale: $69〜/月 Team: $599〜/月
課金モデル 従量課金(使った分だけ) 定額+超過分

放置した時の挙動(重要!)

サービス 放置時の挙動 復帰方法
Neon 5分で自動スリープ 次のアクセスで自動復帰(数秒)
Supabase 1週間で一時停止 ダッシュボードで手動復帰が必要
Firebase 停止しない -

ポイント:個人開発で「たまにしか使わない」場合、Neonの自動スリープ&自動復帰は非常に便利です。Supabaseは手動で復帰させる必要があるため、放置しがちなプロジェクトでは注意が必要です。


9. Pythonからの接続方法

実際にPythonから接続するコード例を紹介します。

Neonへの接続(psycopg2)

import os
import psycopg2

# 環境変数から接続文字列を取得
DATABASE_URL = os.environ.get("DATABASE_URL")

# 接続
conn = psycopg2.connect(DATABASE_URL)
cursor = conn.cursor()

# クエリ実行
cursor.execute("SELECT * FROM users LIMIT 5")
rows = cursor.fetchall()

for row in rows:
    print(row)

# 接続を閉じる
cursor.close()
conn.close()

環境変数の設定例

# .envファイル
DATABASE_URL=postgresql://username:password@ep-xxx.region.aws.neon.tech/dbname?sslmode=require

Supabaseへの接続(supabase-py)

Supabaseは専用のPythonライブラリを提供しています。

import os
from supabase import create_client, Client

# 環境変数から認証情報を取得
SUPABASE_URL = os.environ.get("SUPABASE_URL")
SUPABASE_KEY = os.environ.get("SUPABASE_KEY")

# クライアント作成
supabase: Client = create_client(SUPABASE_URL, SUPABASE_KEY)

# データ取得(SELECT * FROM users LIMIT 5 に相当)
response = supabase.table("users").select("*").limit(5).execute()

for row in response.data:
    print(row)

環境変数の設定例

# .envファイル
SUPABASE_URL=https://xxx.supabase.co
SUPABASE_KEY=eyJhbGciOiJIUzI1NiIsInR5cCI6IkpXVCJ9...

Supabaseへの接続(psycopg2 - 直接接続)

SupabaseもPostgreSQLなので、psycopg2で直接接続することも可能です。

import os
import psycopg2

# Supabaseのダッシュボードから取得した接続文字列
DATABASE_URL = os.environ.get("SUPABASE_DB_URL")

conn = psycopg2.connect(DATABASE_URL)
cursor = conn.cursor()

cursor.execute("SELECT * FROM users LIMIT 5")
rows = cursor.fetchall()

for row in rows:
    print(row)

cursor.close()
conn.close()

接続方法の比較

方法 ライブラリ 特徴
Neon(psycopg2) psycopg2 標準的なPostgreSQL接続
Supabase(専用) supabase-py 認証・ストレージも同じクライアントで扱える
Supabase(直接) psycopg2 生SQLを書きたい場合に便利

10. まとめ

NeonとSupabaseの違い

ポイント Neon Supabase
一言で サーバーレスPostgreSQL バックエンド一式
提供機能 DBのみ DB+認証+ストレージ+Functions
課金モデル 使った分だけ 定額+超過分
強み ブランチ機能、自動スケール オールインワン、開発速度

どちらを選ぶべきか

Neonがおすすめなケース

  • すでにバックエンド(Flask、FastAPI、Django等)を自分で書いている
  • GitHubのPull Requestごとにプレビュー用DBを自動生成したい
  • 使った分だけ課金にしてコストを最小化したい

Supabaseがおすすめなケース

  • 認証(ログイン機能)やストレージも一緒に構築したい
  • バックエンドのコードを極力書かず、フロントエンド開発に集中したい
  • チャットアプリのようにリアルタイム通信が必要

次のステップ

  1. 試してみる:どちらも無料枠が充実しているので、まずはアカウントを作成してみる
  2. チュートリアルを実行:公式ドキュメントのQuickstartを試す
  3. 小さなプロジェクトで実践:ToDoアプリなど、小さなプロジェクトで実際に使ってみる

ローカルDBのセットアップに時間を取られていた方は、ぜひクラウドDBを試してみてください。環境構築のストレスから解放され、アプリ開発に集中できるようになります。


参考リンク

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