売上可視化・スマートシティ予測・幸福度・離脱予測・スキルマップ・睡眠分析
導入
Copilot Studioに「Python実行(Code Interpreter)」が加わり、 “会議でそのまま使える可視化”や“ストーリーのある分析” を、対話だけで一気通貫に作れるようになりました。 
本記事では、現場で刺さる6つの厳選デモ(①/②/③/④/⑤/⑥)を、そのままコピペで使えるプロンプトでまとめます。
ハッカソン/経営報告/人材育成/ウェルビーイングまで、**「すぐ使えて“おおっ”と言わせる」**ことに全振りしています。
結論
- 最短20秒で価値を見せるなら:③幸福度ヒストグラム
- 経営・業務インパクトを直球で伝えるなら:①売上可視化 と ④離脱予測
- 未来志向/ビジョン提示なら:②スマートシティ予測(生成+洞察)
- 人材育成・メンター育成なら:⑤スキルマップのレーダーチャート
- パーソナル化/従業員体験なら:⑥睡眠の健康分析
どれも**“プロンプト → Python → 可視化 → 要点サマリ”**で完走する構成にしています。

解決策(実装手順・コード例)
0. デモの使い方(Copilot StudioでPythonを動かす準備)
-
エージェントを作成し、機能/権限の設定で Code Interpreter(Python実行) を有効化
- テナントのポリシーにより管理者承認が必要な場合あり
- 会話のLLMは数表・コード解釈に強い推論モードを選択(高精度推奨)
- 以下のプロンプトを貼り付け → エージェントがPythonを生成 → 可視化を自動実行
- 仕上げに 「会議用の要点を3つで要約して」 など自然言語で仕上げ指示
以降、各デモは「プロンプト(貼るだけ)」をセットで記載します。
グラフはmatplotlib、表はpandasを使う前提です(Copilot StudioのPython環境想定)。
✅ 厳選デモプロンプト一覧(目的+価値+プロンプト)
① 売上の可視化(業務インパクト系)
使う場面:経営層・業務部門への「AI×Python=即戦力」の印象付け
価値:現実的で説得力のある右肩上がりを、一発で“会議で使える品質”に
プロンプト
次のPythonコードを実行して、月次売上データ(1月〜12月)を棒グラフで表示してください。
売上データはサンプルで良いので、現実的な右肩上がりの推移にしてください。
グラフのタイトルと軸ラベルも付けて、ビジネス会議で使えるようにしてください。
また、前年比(前月比)の伸び率トップ3の月をテキストで箇条書きしてください。
すぐ使える話法
- 「直近3か月の成長角度が鈍化/加速していないか」を前月比で指摘
- 「トップ3の伸長月に共通する施策」を仮説化 → 次アクション
② 未来のスマートシティ予測(生成+可視化+洞察)②
使う場面:AIの未来構想力・ストーリー生成力を見せたい
価値: “AIは社会設計を補助できる” ことを、データ→グラフ→物語で体感
プロンプト
Pythonを使って「未来のスマートシティのエネルギー消費」をテーマに、
架空のデータセットを自動生成し、折れ線グラフで可視化してください。
対象は「Residential(家庭)」「Commercial(商業)」「Transit(交通)」の3区分。
期間は月次で36か月、季節性と省エネ技術の浸透(漸減トレンド)を入れてください。
さらに、生成したグラフのトレンドから読み取れる洞察を、3〜5点の箇条書きで
“市長への説明メモ”としてストーリー仕立てで書いてください。
③ 幸福度スコアのヒストグラム(最短20秒で「おおっ」)
使う場面:デモ冒頭で “AIは感情の分布も扱える” と直感訴求
価値:HR/ウェルビーイングのスコア化→全体分布→示唆を即時提示
プロンプト
Pythonで「社員の幸福度スコア(0〜100)」のランダムデータを300件生成し、
ヒストグラムで可視化してください。平均・中央値・標準偏差を出し、
「改善の優先対象はどこか」をAIの視点で3点コメントしてください。
④ 顧客離脱予測(金融・CRM系の鉄板)
使う場面:銀行・会員ビジネス・SaaS/サブスク
価値: “収益を守る武器” を短時間で体験(抽出→割合→対策提案)
プロンプト
Pythonでサンプルの顧客データを生成し、3ヶ月(90日)以上購入していない顧客を
「離脱予備軍」として抽出してください。リスト表示と、全体に占める割合の可視化(円/棒)を行い、
離脱防止に有効な施策を3つ、実務レベルで提案してください。
⑤ スキルマップのレーダーチャート(人材育成に直結)
使う場面:研修・人材開発
価値:“個人の伸びしろ” と “組織のバランス” を可視化
プロンプト
Pythonで5人の社員のスキルスコア(Power Platform、AI、業務知識、
コミュニケーション、提案力)をランダム生成し、レーダーチャートで可視化してください。
さらに、個人ごとに伸びしろのある分野を1つずつ短文コメントで出してください。
⑥ 睡眠データの健康分析(ライフ×AI)
使う場面:従業員エンゲージメント、ウェルビーイング経営、AIのパーソナル化
価値: “個人が幸せになる提案” をAIが自然に行う
プロンプト
Pythonで1週間(7日)の睡眠時間データを生成し、棒グラフで可視化してください。
平均・分散を出し、就寝/起床の安定性を短く評価。最後に「理想の生活リズム」を
3点の提案で示してください。
結果 / 効果(導入現場で得られた手応え)
- 会議の冒頭5分で「価値の絵」を見せられる:数字より先に“理解”が追いつく
- 議論が早く深くなる:前月比/分布/伸びしろ/セグメントなど“次の問い”が自然発生
- 育成と健康の文脈に橋が架かる:スキル・睡眠の両輪で“人が成果を出せる環境”へ
学び・まとめ
- “Python実行”=現場の合意形成装置
- 単に「描く」だけでなく、“伸び率・分布・弱点・対策”の4点セットで完結させる
- データが無くても架空データ+ストーリーで“意思決定の枠組み”を刺し込める
実務的Tips(Qiitaらしい即効ネタ)
- 言い切り要約を最後に:「要点3つ」「次の一手2つ」を毎回求める
- 凡例/軸/単位を必ず付与:経営層向けは“読まずに見て分かる”を徹底
-
乱数のタネ固定:
np.random.seed()で再現性を担保 - 配色やスタイルはAIに任せず指示(ブランド規定がある場合は色指定)
- データ取り違え防止:列名/単位/期間をプロンプトで明示
- 機密配慮:本番前に「匿名化orサンプル化」で動線を検証
ハマりやすいポイントと回避方法
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グラフが読みにくい:軸ラベル/単位/回転(
rotation=30)/凡例位置を指示 - スケール不一致:系列ごとにスケール差が大きい時は別軸 or 正規化を検討
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乱数が暴れる:分布のクリップ(
np.clip)や標準偏差の調整で“現実的”に - “洞察が薄い”と言われる:期初⇔期末の差・季節性・上位/下位の特徴を毎回コメント
- コードだけで止まる: 「会議用の要点3つ」 を必ず追記させる
次のステップ
- 次回 ファイル生成 もしてみたいと思います!これはやばいです
付録:プロンプトを一括で持ち運ぶミニテンプレ
【目的】◯◯部門の意思決定を早める「即理解の可視化」を作る
【前提】Python実行可(Code Interpreter有効)/ Matplotlib & Pandas使用
【要求】
1) まず○○のデータを(サンプル可)生成
2) グラフ化(タイトル/軸/凡例/単位/回転)
3) 指標の要約(平均・中央値・成長率など)
4) 会議用要点3つ(箇条書き・言い切り)
5) 次の一手2つ(施策レベル)
【禁止】結論の曖昧表現/単位省略/軸ラベル欠落


