と、思うも「App Center」にないので困った。Python3 はあるのに。筆者の QNAP マシンがショボい(TS-110P+, ARMv5
, メモリ 512MB)ため QNAP 用のコンテナ環境「Container Station」も入れられない仕様で、どうしよう。(棒読み)
Docker は諦めるにしても、gcc
make
も入ってないし。git
くらいは簡単にインストールできる apt
yum
brew
のような CLI 版のパッケージマネージャーはないものか。
- 検証機器:OS: QTS 4.3.3, TS119P+, 1ベイ, Marvell ARMv5(ARMADA 300/Feroceon 88F6282, 2010年11月発売モデル)
QNAP Club
の www.qnapclub.eu
などのドメインがダウンしている件について
www.qnapclub.eu
や www.qnapclub.jp
が落ちて、一向に復旧しない場合は、MY QNAP.orgも選択肢です。
QNAP Club
vs MyQNAP.org
元々 QNAP Club のサイトやリポジトリは落ちやすい傾向があったのですが、しばらくの沈黙のあと 2022年に復活するも、すぐにダウンしてしまい、2024/10/13 現在も長期ダウンが続いています。
ちょうど、その頃(2022年11月)に MY QNAP.org という同類のリポジトリが立ち上がりました。QNAP Club と同等の使い方で XML ファイルをインストールできるため、EU圏の法律がらみかドメイン切れのたぐいかなと思ったのですが、どうやら別物で、別のコミュニティが運用しているようです。
オフィシャルなアナウンスはないものの、「ベルギーにある QNAP Club の本家のマネージャーが、メイン・デベロッパーである qoolbox を外したことが原因であり、MyQNAP.org は、そのデベロッパーがフランスのメンバーと立ち上げた別団体である」という噂があります。
確かに QNAP Club のダウンと MyQNAP.org の立ち上げ時期が重なっていたり、MyQNAP.org のフォーラムを見ると、フランスのドメインだったり、フランス語圏の投稿が多いことからも噂の信憑性が増します。
とは言え、MyQNAP.org の About Us を見ても、古巣とのイザコザを表に出さないよう配慮した結果なのかもしれませんが、いまいち団体像が見えません。「このリポジトリは、私たちが使う、もしくは気に入ったパッケージしかサポートしないことを強調しておきます」と言っているので、なんでもかんでも受け入れて悪質パッケージのチェック体制がパンクすることはなさそうです。
また、MyQNAP.org は、Apache、PHP、MySQL、PostgreSQL などセキュリティ・パッチが重要なものは有料なものが多いことにも気をつける点です。有料が悪いというわけではなく、無料のパッケージが有料パッケージに依存していた場合は結果的に有料と同じであることに注意する必要があります。
裏で何が起きているか不明ですが、QNAP Club 側も再立ち上げの準備で遅れているならアナウンスするべきです。デベロッパーを外しただけで、サーバーならびにドメインなどが根こそぎダウンするとは考えづらいので、コミュニティの統率に何かしらの問題が起きていることは確実です。
そもそも、QNAP Store のオフィシャル・リポジトリ以外を使うのは自己責任です。コミュニティ版であってもリスクは変わらず、これらサードパーティーのリポジトリを盲目的に利用するのは危険です。結局のところ、自分で色々調べて納得して使うしかないのです。
長年 QNAP を使っているユーザーなら感じていると思いますが、近年 QNAP 社自身も方針がブレブレになっており、コミュニティが離れるような方針を打ち出したりしているので、QNAP 自身が1つの時代を終える時期(もしくは次の時代の節目?)に来ている体感があります。残念です。
TL; DR(概要)
opkg
コマンドで、git
のipk
パッケージをインストールしてどうか。2018年版 Entware(Entware-std) の
QPKG
アプリをインストールすると使えるようになります。
ffmpeg
は v4.3.1、php-cli
は v7.4.12、go(golang)
は v1.15.5 が入っちゃいますよ。(2021/01/27 現在)
-
準備
- 「アプリジポジトリ」にリポジトリ XML ファイルを追加する
- 更新後、「
Entware-std
」を「App Center」からインストールする - QNAP 本体に SSH 経由で接続する
-
opkg
コマンドの利用方法(git
を入れたい場合)-
$ opkg update
で最新のパッケージ情報を取得する -
$ opkg upgrade
でインストール済みパッケージを更新する -
$ opkg list git
でgit
パッケージがあるか検索する -
$ opkg info git
でgit
パッケージの情報を表示する
(出どころ、バージョンや依存など) -
$ opkg install git
でgit
をインストールする -
$ opkg install git-http
も入れてhttp
によるclone
をできるようにする
(これを入れないとgit: 'remote-https' is not a git command. See 'git --help'
エラーが出る) -
$ opkg list-installed
でインストール済みパッケージを確認する -
$ opkg remove git
でgit
をアン・インストールする -
$ opkg status
でパッケージの状態を確認する - アプデしてもバージョンが変わらない場合は再接続してみる。(パス変更の問題)
-
_ ∩
( ゚∀゚)彡 Opkg!Opkg!
⊂彡
TS; DR(詳細)
インフォ
-
Entware-3x-std
とEntware-ng
はEntware-std
に統合されたことが 2018/03/07 にアナウンスされました。ちなみにng
はno-good
ではなくnext-generation
の略です。- QNAP Forum: https://forum.qnap.com/viewtopic.php?f=351&t=139781 (要ログイン)
- GitHub: https://github.com/Entware/Entware
- 対応プラットフォーム:
x86
,x64
,ARM5
,ARM7
andMIPS forks
-
Entware-3x
の QPKG アプリをすでにインストール済みの場合- ARMv7 版 QNAP の場合
-
opkg update
opkg upgrade
を2回実行すると、Entware
にアップグレードできます - 「AppCenter」からアンインストール後、本記の手順ででも可。(推奨)
-
- ARMv5 版 QNAP の場合
- 「AppCenter」からアンインストール後、本記の手順で行います
- ARMv7 版 QNAP の場合
-
opkg
コマンドでインストールされたパッケージ(バイナリ)の設置先/opt/bin
-
opkg
コマンドでインストールできるipk
パッケージ一覧- https://bin.entware.net/armv5sf-k3.2/Packages.html (ARMv5)
- http://bin.entware.net/armv7sf-k3.2/Packages.html (ARMv7)
- https://bin.entware.net/ (その他)
- インストール可能な有名どころの
ipk
パッケージ例-
asterisk
bind
boost.python
busybox
cmake
coreutils
django
erlang
gcc
ghostscript
go(golang)
libc
lua
lynx
make
mariadb
nginx
perl
PHP7
python3
redis
ruby
pgsql
mariadb
transmission
tree
zsh
youtube-dl
vim
tor
softethervpn
- 詳しくは
opkg list
を試してみよう
-
-
Differences between Entware standard installation and Entware-ng/Entware-3x
Current armv7 architecture users running Entware-ng, or any user currently running Entware-3x, can switch to Entware by running
opkg update; opkg upgrade
twice. Qnap owners using Entware-ng (armv5, x64) can upgrade to the new Entware using unofficial instructions published in this topic. This will not change package name in AppCenter.Entware standard installation is similar to Entware-ng. It does not install Entware version of busybox and adds /opt/bin and /opt/sbin to the end of PATH variable. There is also alternative installer in Entware that is similar to Entware-3x installer.
It installs Entware version of busybox. For this installation Entware users are independent from firmware users. Entware has root user with 12345 password. Other users can be added permanently to Entware in this case to run services that require such users.
- Entware の BusyBox 環境内の
root
ユーザーのデフォルト・パスワードは "12345" らしい。
opkg
コマンドのインストール手順
-
コミュニティ版リポジトリを追加する。
「App Center」の「アプリジポジトリ」設定に、EU 圏の QNAP Club が提供している XML ファイルを追加します。これによりコミュニティ版の QPKG アプリがインストールできるようになります。(互換性のあるものに限る)https://www.qnapclub.eu/en/repo.xml
-
で更新後、「
Entware-std
」を検索してインストールする- これにより Entware のコミュニティが動作確認した ipk 形式のパッケージを
opkg
コマンドでインストールできるようになります -
Entware-3x-std
Entware-ng-std
でも動きますが、今後はアップデートされないので注意。Entware-std
のインストールをおすすめします
- これにより Entware のコミュニティが動作確認した ipk 形式のパッケージを
-
QNAP に SSH 接続する
$ ssh admin@192.168.xx.xx [~] # whoami admin [~] # ## CPU やカーネルのバージョンを確認する(ARMv5が確認できた) [~] # uname -a Linux NASxxxxxx 3.4.6 #1 Mon Oct 29 10:28:40 CST 2018 armv5tel GNU/Linux [~] # ## QNAP のファームウェア/QTSのバージョン確認コマンド [~] # getcfg system version 4.3.3
- 「
QNAP
ssh接続
公開鍵認証
」の Qiita 記事検索 @ Google
- 「
-
opkg
コマンドの確認とアップデートこの
opkg
がパッケージマネージャーのコマンドになります。[~] # opkg --version opkg version 0.1.8 [~] # ## 大事なことなので2回実行します(以降は1回でOK) [~] # opkg update; opkg upgrade [~] # opkg update; opkg upgrade
-
例として
git
コマンドのパッケージ確認とインストールをしてみる[~] # ## 既存の Git がないか確認 [~] # git --version -sh: git: command not found [~] # ## Entware のリポジトリに Git があるか検索 [~] # opkg list git
git - 2.19.2-2 - Git is a free & open source, distributed version control system
designed to handle everything from small to very large projects
with speed and efficiency.
[~] # ## Git のインストール
[~] # opkg install git
Installing git (2.19.2-2) to root...
Downloading http://bin.entware.net/armv5sf-k3.2/git_2.19.2-2_armv5-3.2.ipk
Installing libopenssl (1.0.2p-1a) to root...
Downloading http://bin.entware.net/armv5sf-k3.2/libopenssl_1.0.2p-1a_armv5-3.2.ipk
Installing zlib (1.2.11-2) to root...
Downloading http://bin.entware.net/armv5sf-k3.2/zlib_1.2.11-2_armv5-3.2.ipk
Configuring zlib.
Configuring libopenssl.
Configuring git.
[~] # ## インストールされた Git のバージョン確認
[~] # git --version
git version 2.19.2
[~] # ## インストールされた Git の場所を確認
[~] # which git
/opt/bin/git
```
参考文献
- 「Entware-ng & Entware-3x merge!!!」| Forum @ QNAP.com
- 「[QPKG] Entware-ng - Optware & Qnapware replacement (all platforms)」| Forum @ QNAP.com
- 「QNAPのパッケージマネージャ」@ Qiita
- 「QNAP にパッケージマネージャを入れる」@ Qiita
- 「QNAP firmware 4.1.4以降にgccを入れる」@ Qiita