WiFi
Wi-Fi
切り分けリスト

WiFi が不安定なときの確認事項(自宅・オフィス編)

ソフトウェア・エンジニアのための Wi-Fi 切り分けリスト

「WiFi の調子が悪い」(通信はできるものの遅かったり、反応がない)と言われたときの「●●を試してどうか」の切り分けと、解決した場合の直った理由(考えられる原因)のリストです。

思い出したら適宜追加して行きますが、追加項目・修正事項があればコメントでなく「編集リクエスト」で送ってくださーい。

ポイント

  1. ノイズが入ることでパケット落ちしている可能性を疑う(WiFiは電源ノイズが大敵
  2. 交流でもコンセントには挿す向きがある
  3. 機器でなく配線やコンセントの電源系統を疑う
  4. LED照明と可変照明を疑う(そもそも LED はノイズを発して発光するため)
  5. タコ足すると本体の温度が上がる(熱暴走しやすくなる)
  6. Android 持ちなら Wfi Analyzer系のアプリがチャンネル干渉や電波強度のチェックに便利

壁裏・床下の LAN 配線を建設業者の電気屋さんに頼んでいる場合の注意点

  • 壁裏・床下・マルチコンセントの LAN 配線に注意
    • オフィスや新築物件で、ギガビットイーサーと指定してもスイッチング・ハブだけギガビットにしてケーブルは Cat5(頑張ってCat5e)が使われたり、ギガ指定しても「Cat5eでもギガでるから」と(Cat6 より安いため)勝手に判断して Cat5e のケーブルを平気で使うところが多いので注意。一度配線してしまうと 5 ~ 10 年はそのケーブル速度のままなので、しつこいくらい Cat6 以上と言った方がいい。
  • 天井裏(点検口内)・弱電盤に設置されているスイッチング・ハブに注意
    • スイッチング・ハブがメタル筐体であるか。これは、オフィスの弱電盤内や天井裏は一般家庭に比べ熱が篭りやすく、安いプラスチック筐体が使われていると放熱性が悪いため誤動作を起こすことが多い。メタル筐体の方が放熱性が良くオフィスにおいては安定性は高い。
    • 設置エリア(弱電盤)内でタコ足配線しまくっていないか。
  • コンセントのアースの配線があっているか注意
    • どっち向きでも動くからとアースくち(コンセントのくちが大きいほう)に、ちゃんとアースが配線されていない(配線が逆の)場合がある。電気機器は大丈夫でも(特に電波系の)電子機器はノイズにすこぶる弱い

基本(最初の切り分け)

特定クライアントのみの現象であるか

原因
  • 同一機種の中で特定の端末のみの場合は、OS やアプリのアップデート、端末の熱暴走、電圧不足を疑う
  • 特定機種のみの場合は、機器の相性(iOS と旧タイプの BUFFALO の組み合わせなど)を疑う
  • 他のクライアントと設定の違いを疑う(DNSを変更していないか、など)

WiFi ルーター(以下AP)を再起動してどうか

原因
  • ルーターの自動アップデート後、うまく再起動/反映されなかった
  • 他の AP と WiFi のチャンネルが干渉していた
  • 複数モバイル端末からの残骸があった
    • メモリ・オーバーフロー(動画などの通信データのカスがメモリに溜まっていた)
    • DHCP の空きIPがなかった(Webカメラなど同一端末に複数IPが振られることがある。ゴースト・クライアント)
    • 熱暴走していた(すぐに再発する可能性大)
    • 電源ノイズなどによりバグっていた(不定期に再発する可能性大)
    • 電圧不足によりバグっていた(不定期に再発する可能性大)

AP のファームウェアアップデート → 再起動してどうか

原因
  • ルーターにパッチがあたっていなかった(アプリケーションの相性不具合)
  • セキュリティ・パッチがあたっておらず、クライアント・アプリケーションがネゴシエーションにタイムアウトしていた

ONU → ルーター → AP の順に再起動してどうか

原因
  • グローバルIPに外部からのアクセスが大量にあった
  • いずれかの機器がバグっていた
  • いずれかの機器が熱暴走していた(すぐに再発する可能性大)

どこかの LAN ケーブルが挟まっていたり噛んでいないか確認してどうか

原因
  • ドアに挟まって皮一枚で繋がっている LAN ケーブルでも遅いながらも通信できたりするので注意

電源関連の切り分け

LAN ケーブルと電源ケーブルを束ねていたら離してみてどうか

原因
  • 束ねたことにより磁場が発生しノイズを拾っていた。
    • どうしても束ねる必要がある場合、シールド付きの LAN ケーブルにするか、アルミ箔シールドのチューブを検討する。配線のしなおしは大変だが LAN ケーブルにアルミ箔を巻いて、スパイラルチューブで固定しても割と効果がある。アース付きコンセント(ネジでアースを止めるタイプ)の場合はアルミ箔を接触させ逃すのも手。その場合、感電注意。

コンセントに直刺ししてどうか(タコ足配線しないでどうか)

原因
  • 容量を食う機器があるなどで、電圧が下がり動作が不安定&発熱している
  • 電源ノイズの多い機器が繋がっている

電源コンセントの挿す向きを左右逆に挿してどうか

原因
  • 機器のノイズはアース(グラウンド)に流れていくため、アースの向きが異なると動作はするもののノイズが逆流してくるものがある。

電源タップに挿さっているコンセントのアースの向きを統一してどうか

原因
  • 他の機器からの電源ノイズによりパケット落ち、もしくはチップの誤作動が発生している可能性がある
    • 向きの合わせ方
      • コンセントくちや電源プラグを見ると片方だけ大きかったり、根元にマークが付いているので同じ向きに合わせる。より正確にはテスターを使う方法があるが、ここでは割愛。

他の電源系列から電源を供給してどうか

原因
  • 同系列の電源系統に電子レンジ、冷蔵庫、空調、LED照明などがあり、ノイズを拾ってきてしまっている
  • 電圧が下がっている

ちょっと時間や作業が必要な切り分け

時間帯によってクライアント数が増えていないか

原因
  • 瞬間同時接続数を超えているため、セッションの取り合いがおきています
    • マニュアルには接続可能数が記載されていますが、DHCPで割り当てられる台数であったりするので注意。一般的に民間機の AP の場合は同じ瞬間に接続できる台数は5〜6台が大半です。ノート + iPhone + iPad + Amazon Fire + Alexa がある場合、端末が1〜2台増えるとセッションの取り合いが発生し(体感的に)不安定になります。その場合は、同機種の AP を増やして、①同じ SSID、②同じパスワード、③異なるチャンネルに設定して増設することをおすすめします。

他のメーカーのWiFiデバイス(クライアント)で試してどうか

原因
  • iOS 端末でのみ再現される場合
    • WiFiルーターのセキュリティ認証を変えてみる
    • OS のアップデートをしてみる
    • DHCP でクライアントの MAC アドレスを登録し IP を固定してみる

HUB やルーターを室外/設置エリアから出してどうか

原因
  • おそらく熱暴走しています。空気がこもらない工夫を考えてください。

HUB やLAN ケーブルを Cat6 以上に交換してどうか(できれば●ギガビット対応のもの)

原因
  • 動画などのストリーム系のデータが増え、パケット詰まりしていた
  • LAN ケーブルが劣化していた
  • LAN ケーブルが電源ケーブルと平行に束ねられてい(てノイズが発生してい)た

マルチコンセント(壁)のLANくちを使わずルーターから AP に別途 LAN を引っ張ってきてどうか

原因
  • 壁内 LAN ケーブルが劣化していた
  • 壁内 LAN ケーブルが電源ケーブルと平行に束ねられてい(てノイズが発生してい)た

WiFiの周波数を 2.4GHz → 5GHz のみに固定してどうか

原因
  • 同一(2.4GHz)周波数帯の他のデバイスの電波やノイズと干渉していた
    ※電波法では、機器が発するノイズの周波数にも規制があり、その中で 2.4GHz 帯は規制が緩いため、この帯域にノイズを発生する機器は多く存在する。(電子レンジ、空調、LED照明、可変照明など)

すでに 5GHz の場合、チャンネルを 34〜48 ch内に固定してどうか

原因
  • チャンネルの自動切り替わりにより気象レーダーを検知してDFS(Dynamic Frequency Selection)機能が働いた
    • 自動設定により AP が空きチャンネルに切り替わった際、空きチャンネルが W53/W65 と呼ばれる 52〜140ch の間のチャンネル帯であった場合、気象レーダーと干渉しないか監視を行うため 1 分以上通信できなくなる。その際にクライアントが他の AP を探しに行ってしまうなど、体感的に不安定に感じてしまう。

複数アクセスポイント(AP)がある場合

各 AP のチャンネルが重ならないように変更してどうか

原因
  • チャンネルが重なっていたため、チャンネル間で干渉していた

各 AP 間の距離を離してしてどうか

原因
  • お互いの電波が強く干渉しあっていた。
    • スペースの問題から離して置けない場合、苦肉の策としてダンボールにアルミ箔を貼って、AP の間に置くだけでも効果がある。

各 AP のチャンネルが被らないようにし SSID とパスワードを統一してどうか

原因
  • 電波の弱い AP (SSID)を掴んだままなため、パケット落ちしている
    • 「HOME-1F」「HOME-2F」などエリアごとに AP の SSID を分けている場合、移動してもクライアントは少しでも繋がる場合は、接続を離さず繋げようとするので、同じ SSID+パスワード であれば、手近の電波の強い AP につなげてくれる。


所感

何故かハードも得意と誤解されがちなソフトウェア・エンジニア。

「パソコン得意なんだろ」という理由だけで、WiFi ルーターの設置をさせられ、「不安定だ」とクレームを受け、出向作業が何故かヘルプデスクになってしまい作業が進まない、でも「知ってる」けど「知らないと言えない」世知辛い IT フリーランサーのためのチェック事項です。