Dify v1.10.1 の変更点が想像以上に大きかったのでまとめてみた
Dify、ついに v1.10.1 が来ました。
正直、「小さなマイナーバージョンアップかな?」と思っていましたが、
触ってみたら 想像以上に大きなアップデート だったので、
ポイントだけ分かりやすくまとめます。
個人的には 「ワークフロー高速化」と「non-root 化」が本番運用レベルで効く」
と感じています。
1. MySQL を公式サポート(インフラ選択が一気に広がる)
ついに来ました。
Dify が PostgreSQL だけじゃなく MySQL でも動くようになりました。
これ、地味に革命です。
- 既存の MySQL 文化圏(日本は特に)にフィット
- SaaS/社内システムとの構成が組みやすくなる
- RDS MySQL を採用しやすくなる
- 小規模~中規模の環境でも導入障壁が下がる
さらに、JSON 型や UUID 周りの差異を埋める実装など
かなり 本気度の高い対応 が入っています。
2. ワークフローエディタが“別物レベル”に速くなった
これは実際に触ってみるとすぐ分かります。
体感で明らかに速い。
ノードが増えるほど違いが分かるタイプの改善です。
- 50ノード:以前のカクつきがほぼ解消
- 100ノード:編集時のストレスが大幅減
- 200ノード:ついに「実用的に触れる」レベルに
ワークフロー構築が多いユーザーほど恩恵が大きいアップデートです。
3. API コンテナが non-root 実行に(セキュリティアップ)
実務的に非常に大きな変更です。
API イメージが
root → non-root(UID 1001)
で動作するようになりました。
背景としては:
- root のままはセキュリティリスクが高すぎる
- Kubernetes / OpenShift では non-root が標準
- コンテナの最新ベストプラクティスに合わせた対応
という、今どきのクラウドネイティブな設計に寄せた意図があります。
セルフホスト勢は特に注意
ホスト側ストレージの所有権が root のままだと
コンテナが書き込めないため エラーで起動しません。
必ず以下を実行:
sudo chown -R 1001:1001 ./volumes/app/storage
ここでハマる人は絶対出るので、注意ポイントです。
4. 全体的な安定性アップ(細かいけど効くやつ)
以下のような「土台の品質改善」も多く入っています。
- 変数チェックの精度向上
- デバッグログの改善
- メディア処理ノードの安定化
- プラグイン連携の改善
- ナレッジベースの読み込み精度向上
これらは派手ではありませんが、
長期運用で効く改善 です。
まとめ:v1.10.1 は“小型アップデート風の大型アップデート”
振り返ると、
- MySQL サポート → 利用可能環境が一気に広がる
- エディタ高速化 → 操作体験が別物
- non-root → セキュリティ強化+Kubernetes 互換性アップ
- 全体的に品質が底上げ
というように、
“小さなバージョン番号とは裏腹に” 実質大型アップデート でした。
セルフホスト勢は
ストレージ権限変更だけは必ずチェックしてください。
以上