はじめに
巷で話題となっているMCPサーバについて、概念的な理解はしたものの実際にどうやって使うのかイメージが湧かなかったので、ハンズオン形式で実際に自分で設定してみて触ってみました!
2025年の6月に、Amazon Q Developer CLIだけでなくIDE上でもMCP Serverが使えるようになったので、試してみました
今回は、AWSの公式ドキュメントを参照してくれるAWS Documentation MCP Serverと業務でJiraやConfulenceを使用するので、Atlassian MCPサーバも使用してみました。
※本記事では、MCPサーバの基本的な概念については深く触れておりません。ご了承ください。
環境の前提
・Amazon Q Developer 無料枠 or ProがVSCode上で使用できること
(自分は、無料枠です。)
・「uv」がインストールされていること
インストールされてない場合は下記コマンド実行(Windowsの場合)
winget install --id=astral-sh.uv
AWS Documentation MCPサーバーセットアップ
1. VSCode上で、Amazon Q Developerのチャット画面を開く
2. MCPサーバの設定
①Name
VScode上で管理するための名前なので、任意の名前でOK
今回は、「AWSDocumentationMcpServer」。
②Transport
最近のアップデートで、「stdio」と「http」が選択できるようになりました。
公式の設定では、stdioだったので、今回はstdioを選択。
③Command
「uvx」を設定
AWSのMCPサーバーはPythonで動いているので、今回は「uvx」。
④Arguments - optional
設定した値 |
---|
--native-tls |
awslabs.aws-documentation-mcp-server@latest |
※「+Add」クリックで追加可能です。
Arguments - optional内の「--native-tls」は、企業プロキシ等でmcpサーバ起動時にエラーが発生するのを回避するために設定しています。これにより、uvxがシステムに登録されたCAを使ってSSL/TLSを検証するようになります。
未設定でも起動できる場合は不要です。
以下参考
https://zenn.dev/tomesq/articles/02139a7b1a0af3
※順番も重要
「--native-tls」を一番上に設定しないと正しく動作しない可能性あり
(自分はそうでした)
⑤Environment variables - optional
Name | Value |
---|---|
FASTMCP_LOG_LEVEL | ERROR |
AWS_DOCUMENTATION_PARTITION | aws |
各設定のパラメータは、AWS Documentation MCP Serverの公式GitHubリポジトリのRead meを参考
「Activating MCP Server」の文字と共に、数秒のローディングが開始されます。
追加したMCPサーバで、使用できる機能の一覧が出れば設定完了です。
「Ask」の部分は3タイプあって、MCPサーバの各機能の使用の調整が可能です。
・Ask - MCPサーバの機能が実行される前に実行しても良いか確認が入る
・Always allow - MCPサーバの機能が確認なしで実行される
・Deny - このMCPサーバの機能は使わせないようにする
今回のAWS Documentation MCP Serverの設定は以下を参考
使ってみた
「EC2の新しいインスタンスタイプは?」というプロンプトを投げてみます。
・AWS Documentation MCP Server連携なしの場合
公式ドキュメントをリンクを教えてくれるだけで、具体的な回答は教えてくれませんね。。。
EC2の新しいインスタンスタイプについては、AWS公式ドキュメントを参照することを強くお勧めします。
最新情報の確認先:
1. AWS EC2インスタンスタイプページ
・https://aws.amazon.com/ec2/instance-types/
・全インスタンスファミリーの最新情報
2. AWS What's New
・https://aws.amazon.com/new/
・新しいインスタンスタイプの発表を確認
3.EC2ユーザーガイド
・各インスタンスタイプの詳細仕様
・利用可能リージョン情報
一般的な最新トレンド(参考):
・Graviton3/4プロセッサ搭載インスタンス
・AI/ML特化インスタンス(Trainium、Inferentia)
・高性能コンピューティング向けインスタンス
・ストレージ最適化インスタンス
重要な注意点:
・インスタンスタイプは頻繁に追加・更新される
・リージョンによって利用可能性が異なる
・料金体系も変動する可能性がある
正確で最新の情報については、必ずAWS公式ドキュメントをご確認ください。
・AWS Documentation MCP Server連携ありの場合
回答に必要なドキュメントを検索して、読み込んでくれています!
AWS公式ドキュメントに基づいて、EC2の新しいインスタンスタイプをご紹介します:
最新のEC2インスタンスタイプ(Nitroベース)
汎用インスタンス
・M8g, M8gd: 最新のGraviton4プロセッサー搭載
・M7i, M7i-flex: Intel第4世代Xeon Scalableプロセッサー
・M7a: AMD EPYC第4世代プロセッサー
・M7g, M7gd: AWS Graviton3プロセッサー
コンピュート最適化
・C8g, C8gd, C8gn: 最新のGraviton4プロセッサー
・C7i, C7i-flex: Intel第4世代Xeon Scalable
・C7a: AMD EPYC第4世代
・C7g, C7gd, C7gn: AWS Graviton3
メモリ最適化
・R8g, R8gd: Graviton4プロセッサー搭載
・R8i, R8i-flex: Intel最新世代
・R7i, R7iz: Intel第4世代Xeon Scalable
・R7a: AMD EPYC第4世代
・R7g, R7gd: AWS Graviton3
・U7i-6tb~U7i-12tb: 超大容量メモリ(6TB~12TB)
・U7in-16tb~U7inh-32tb: ネットワーク最適化版
ストレージ最適化
・I8g: Graviton4 + NVMe SSD
・I7i, I7ie: Intel + 高性能NVMe
・Im4gn, Is4gen: Graviton3 + ストレージ最適化
アクセラレーテッドコンピューティング
・P6-B200, P6e-GB200: 最新のAI/ML向けGPUインスタンス
・P5, P5e, P5en: NVIDIA H100 GPU搭載
・G6, G6e, G6f: NVIDIA L4/L40S GPU
・Gr6, Gr6f: AMD Radeon Pro GPU
・Trn2, Trn2u: AWS Trainium2チップ(機械学習専用)
・DL2q: Qualcomm AI100アクセラレーター
HPC(高性能コンピューティング)
・Hpc7a: AMD EPYC第4世代
・Hpc7g: AWS Graviton3
・Hpc6id: Intel + 高速ストレージ
主な特徴
最新世代の利点:
・最大20%の性能向上
・DDR5メモリサポート
・改善されたネットワーク性能
・優れた電力効率
Graviton4の特徴:
・最高の価格性能比
・低消費電力
・カスタムArmアーキテクチャ
詳細な仕様については、Amazon EC2インスタンスタイプをご確認ください。
公式ドキュメントを参照しているので、回答の精度が上がっています!
必要な公式ドキュメントを探したり、読み込む時間が短縮されそうですね!
Atlassian MCPサーバーセットアップ
1. VSCode上で、Amazon Q Developerのチャット画面からMCP追加の画面を開く
先程追加した、AWS Documentation MCP Serverがありますね!
2. MCPサーバの設定
①Name
VScode上で管理するための名前なので、任意の名前でOK
今回は、「attlasian-mcp-server」
②Transport
今回も、stdioを選択。
③Command
今回は、「npx」を設定
④Arguments - optional
設定した値 |
---|
-y |
mcp-remote |
https://mcp.atlassian.com/v1/sse |
※「+Add」クリックで追加可能です。
右下の「Save」をおすと
Atlassianの認証画面が立ち上がるので、右下の「Accept」をクリック
使ってみた
プロンプト例
下記のページに、東京の観光地を列挙して記載してください。
<対象のconfluenceのページのURL>
ページを読み込んで、ページを更新してくれる処理が走っています!
ページの要約や、自身が作成するときもこれで楽になりそうです!
Confulenceのページに社内ルールや様々な専門のナレッジをためていけば、その内容を元にAmazon Q Developer上から回答を得ることができそうです!
今回のAtlassian MCPサーバの設定や使い方については、以下参考
最後に
Amazon Q Developer単体でも、多くの機能があり素晴らしいと思っていましたが、MCPサーバーを連携させることでさらなる機能拡張が可能になり、業務効率が大幅に向上しそうです!
今回使用したAmazon Q Developer IDEだとGUIで分かりやすく設定の誤り等が少なそうです。
他にも様々なMCPサーバがリリースされているので、試してみたいと思います!
また、自作でMCPサーバを構築したりしてさらに自分に合ったAIエージェントへとカスタマイズできそうです!
今後チャレンジしていきます!
注意事項
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所属する組織の立場や戦略、意見を代表するものではありません。
あくまでエンジニアとしての経験や考えを発信していますので、ご了承ください。