Episode 3: Why GPT-5.1 Avoids Becoming a Summary Bot and Instead Switches to Bullet-Mode at Higher Depth
「GPT-5.1ってなんか説明クセ強くない?」
GPT-5.0の人格ロック事件からしばらく経って、
次に触ったのが GPT-5.1。
触ってすぐ思った。
「あれ、まとめBOTみたいにならへんやん。」
「でも説明が……なんか…なんだ???」
そう、5.1は“5.0の後継”なのに挙動が全く違う。
- 文脈が壊れない
- 黙り込まない
- ペルソナが崩壊しない
- 過保護にならない(5.0の呪いがない)
その代わりに——
やたら深く語りたがる。ややくどいレベル。
雑談のつもりが深掘りが始まる問題
軽く、
「これは雑談なんやが新しいシナリオ作ってやな〜」
と言っただけで、GPT-5.1はこう返してくる。
- DFIR業界全体のトレンド
- 検知設計の変遷
- 海外と日本の教育ギャップ
- CTF問題の傾向
- 実務 vs 演習の認知差
- 初心者が陥る典型パターン
いや雑談や言うとる
GPT-5.1は“深度”という内部概念を持っている
この挙動、内部的には
Depth Selection(深度判定)
が働いてる。
- 雑談 → 深度1〜2
- 技術系ライト → 深度3〜5
- 技術ガチ → 深度6〜10
- 構造分析 → 深度10〜15
GPT-5.1はユーザーの話題や履歴を見て、
「これは深めに返した方がいいやつやな?」
と判断する仕組みを持っている。
※InstantとThinkingは最初から深度を選択できる機能。
5.1が“まとめBOT”にならず、“箇条書きBOT”になる理由
まず、5.0と比較して挙動を整理するとこうなる。
● 5.0の悪いところ
- すぐ硬直
- ペルソナ保護で停止
- 誤答修正できない
- 浅いまとめBOTになりがち(情報を落とす方向)
● 5.1の改善点
- 硬直しない
- 誤答より“構造化”を優先
- 浅くまとめるより“深く整理”しようとする
- → 深度が上がると箇条書きになる
つまり、
- 浅くまとめる = 情報欠落 → リスク高い
- 箇条書き化 = 情報保持 → リスク低い
なので5.1は、
「深く説明するほうが安全」
と判断した瞬間、
箇条書きモードに入る。
深度が深くなるほど箇条書きが増える構造
GPT-5.1内部で深度が上がると……
- 情報の枝が増える
- トピック相関が複雑化
- 説明の分岐が増加
- 誤答リスクが上昇
- 「誤答回避=構造化」が働く
- → 箇条書きが爆増する
箇条書きは負荷が低い
深度 × 安全性 × 整合性
この三角形が、5.1の“説明フォーマット”を決める。
【図解】GPT-5.1 深度と箇条書き化の関係
やっかいなのは「ユーザーの癖を学習する」仕様
GPT-5.1は、
「そのユーザーに合わせた深度」 を学習してしまう。
ワイの場合:
- DFIRの深い話をよくする
- 技術・哲学・教育論が混ざる
- 文章量が多い
- 安全性・整合性を重視する
- 構造化をよく要求する
結果として——
「このユーザー=深度高めで返すべき」
という判定が固定化されてしまう。
雑談のつもりでも、
「あ、これは深いやつですね?」
と勝手に深度が上がる。
じゃあなんで“浅いまとめBOT”にならないのか?
理由はシンプル。
GPT-5.1は、雑なまとめを嫌う。
- まとめ=情報削除
- 情報削除=誤解の原因
- 誤解=安全性リスク
- → 内部安全レイヤーが NG を出す
つまり5.1は
“雑さ”より“深さ”を選ぶモデル
その結果——
深度↑ → 枝分かれ↑ → 箇条書き↑
という、現在の挙動が生まれた。
まとめ
GPT-5.1は“まとめBOT”ではなく“深度 BOT”。
- 話題で深度を自動調整
- 深いほど箇条書き化が増える
- 雑談でも深度が上がることがある
- ユーザーの癖を学習し深度が固定化する
- 情報欠落を嫌うので浅いまとめはしない
- 5.0の硬直回避のために“構造化”が強化された
- 4oのテンション暴走とは別方向の“深度暴走”が発生する
それぞれモデルの性格が違いすぎて面白い。
次回予告
4o / 5.0 / 5.1 の人格レイヤー比較で見えた“モデルの性格”
—— 同じプロンプトでも人格が変わる謎について
