前書き
ども。お久しぶりです~。モノ創りサークル『しょ~とらば~ず』のグッピーです。
すみませんだいぶ前回の執筆から間空きましたね、なんと1年ぶりの新作記事でごぜぇますよと。
まあ、こんな間が空いてしまった理由を言いますとだいぶ長くなるので割愛します。そこら辺は私のTwitterを見てくれればわかるかと。
...と、本題ですね。
なんと
グッピーさん
新車を買いましたーーーーーーーーーーーわーーーーーーーーーーーーーーー。
それも電気自動車、$\huge{BYD}$ $\huge{SEAL}$です!

お仕事で計4車種ぐらい電動車に乗って、うち3車種ほど自分で運転していたんですが、いやー、すごいですよこれ、リーフよりも走りが良くて、でもテスラよりも物理ボタンが残ってる。
やっぱ物理ボタン最高、必要最低限の操作は画面見ずに操作したいじゃん?BYDはそれができます。そして走りはテスラ並に良いと...素晴らしい。これは日本メーカーさんもそろそろ頑張らないとやばいわ、まじでこのままだと負ける。
...おっと、また横道にそれましたね。とりあえず愛車自慢はこれぐらいにして、
このBYDの車内システムをいじってるとなんか見覚えのある画面が結構あるんですよ。下側のタスクバー内には家のマークに戻るボタン、そして四角いアプリ起動履歴。
そう、BYDのシステム、なんと、Androidなんですよ。
ソフトバンクのSIMが入っていて4G通信に対応している、Androidタブレットなんですよ。これ。
...ということがわかると、我々エンジニアがすることは決まってますね。
- BYDの車両システムにサードパーティーのアプリをぶち込んでやろう!
- BYDの素晴らしいスピーカーでネトフリを楽しもう!
- なんならBYD車両のタブレットでエ〇ゲを起動させてやろう!
ということで、日本版のBYD車両にサードパーティーアプリをぶち込む方法を解説します。
これをやると何ができるか
- 日本版のBYD車両でサードパーティーアプリのインストールと起動ができるようになります。
注意
- BYDのメンテナンス用モードを経由しているので当然ながら、これをやって何かあっても自己責任です。
- BYDはユーザーにアプリインストールをさせたくないようで、将来的にはこの手法も潰される可能性あります。2025年8月時点では有効であると確認済み、とだけ言っときます。
準備するもの
-
車
- 動作確認済み車種
- BYD SEAL
- BYD Dolphin(V1.30)
- それ以外のBYD車は動作確認してません。コメントやXで動作報告してくれますと、ここに追記していきます。
- 動作確認済み車種
-
Androidスマートフォン
- ワンタイムパスワード生成アプリやアンロックパッチの転送アプリがAndroid専用になっています。
1度アンロックしたらそれ以降は必須ではなくなりますのでiPhoneユーザーは知り合いから一時的にAndroid借りるなりしてください。
- ワンタイムパスワード生成アプリやアンロックパッチの転送アプリがAndroid専用になっています。
-
アンロックパッチ、転送アプリ等
- BYD_IMEI_Generator
BYDのメンテナンスモードに入るためのワンタイムパスワード生成アプリ
スマホにインストールして使用する。
(Androidスマホにインストールする)
- easyfiretools
Wifi経由でAndroidスマートフォンから別のAndroid端末にアプリをねじ込む開発用アプリ。
今回はこれを使用してAndroidスマートフォンからBYD車両に『PackageInstallerUnlocked』をねじ込みます。
(Androidスマホにインストールする)
- PackageInstallerUnlocked
USBメモリからBYD車両にアプリをインストールできるようにするパッチ。
easyfiretoolsで車に入れるので、Androidスマートフォンにダウンロードしといてください。
(Androidスマホに インストールはしない )
- BYD_IMEI_Generator
-
USBメモリ
- fat32でフォーマットされている物
- 『Third Party Apps 81』というフォルダを作成し、その中にインストールしたいアプリ(GBox、ネトフリ等)のapkファイルを入れてください.
- Wifiルーター等
- スマホとBYD車両をWifiで繋いでパッチをねじ込みます。
- スマホのテザリングでも多分代用可能
手順
-
スマホをBYD車両のBluetoothに接続する。スマホとBYD車両をおなじWifiに接続する。
-
IMEI番号とパスワード入力画面が出てくるので、Androidスマートフォンで『BYD_IMEI_Generator』を起動しIMEIの下6桁を入力してワンタイムパスワードを生成する。生成したパスワードをパスワード入力画面に打ち込む。
4.メンテナンスモードに移行する。『TestTools』をタップする。
5.『Wireless adb debug switch』と『Debug mode when USB is connected』を有効化。表示されているIPアドレスを覚えておく。
6.BYD車両の方の事前準備は完了なのでホームに移動。Bluetoothは切断しておくとAndroidAutoに邪魔されないので楽。
7.スマホで『EasyFireTools』を起動、メニューを開いて『Setting』→『IP Address』にさっき覚えたBYD車両のIPアドレスを入力する


8.『Setting』を閉じて『EasyFireTools』のメイン画面に戻る。右上の接続ボタンを押すと接続開始します。BYD車両側に接続許可のダイヤログが出ますので承認してください。
9.接続完了したら『CUSTOM APKFILE』のselect fileから 『PackageInstallerUnlocked』を選択し、BYD車両にパッチをねじ込みます。
10.インストール完了したらもうこれでUSBメモリからのアプリインストールが可能になっています。ただし、デバックモードが有効化されたままになっているので、先ほどの手順1~5をもう一度実行し『Wireless adb debug seitch』と『Debug mode when USB is connected』を無効化しておくと安心です。
11.インストールしたいアプリを入れたUSBメモリをBYD車両に差し込み、ファイルマネージャーからapkを選択すると、問題なくインストールできます。Done!

(筆者は予約ができるEV充電アプリ『Myプラゴ』の元HWエンジニアですので試しにMyプラゴを起動させてみました、ちょっと重いですが動いています。また、『Myプラゴ』で招待コード『68PPW2D6』と打ち込み新規登録すると、500円分のクーポンが付与されます。使ってみたい人はぜひぜひどうぞ)
最後に
注意
- BYDのメンテナンス用モードを経由しているので当然ながら、これをやって何かあっても自己責任です。
- BYDはユーザーにアプリインストールをさせたくないようで、将来的にはこの手法も潰される可能性あります。2025年8月時点では有効であると確認済み、とだけ言っときます。
- 筆者はBYD SEAL(AWD)を所有しているのでSEALでの動作確認は取れていますがそれ以外の車種は動作確認できていません。他の車種でも動いた場合はqiitaのコメントかx(@Guppy_T_Higuchi)に連絡してくれますと動作確認済一覧に追加させていただきます。
- 2025/08/20追記
BYD Dolphin(V1.30)で動作報告が入りました。@shabuojisan様、ありがとうございます。
- SpecialThanks
- BYDGEAR :今回の手法の発案者。シンガポールでBYD車用のカスタムパーツの製作販売をしている方です。https://linktr.ee/bydgear
- @shabuojisan:BYD Dolphinオーナー様。動作確認ありがとうございます。
