はじめに
ECHONET Liteとは、スマートホームを実現するための標準インタフェースです。
スマートホームを実現するためには、ホームの中にある様々な機器が自分の状態を発信したり、動作指示を受信して自動で動いたりするための通信ができる環境が必要です。
ホーム全体を管理するコントローラと機器間で行う共通の通信規格がECHONET Liteです。
ECHONETは、Energy Conservation and HOmecare NETworkの略称で、社会課題である環境エネルギー問題と高齢化社会の解決のために実現できるネットワークによるサービスを表したものです。
HEMSにおける公知な標準インタフェース
家電や住宅設備を有効活用するためには、異なるメーカーのすべての機器が同じ通信インタフェースを搭載する必要があります。
政府は、スマートホームを構成するHEMSの公知な標準インタフェースとして、ECHONET Lite(エコーネットライト)を推奨しています。
HEMSは、Home Energy Management Systemの略称です。
政府では、ホームの省エネルギーに貢献する機器として8機器を定め、HEMS重点8機器としています。
ECHONET Liteの特徴
ECHONET Liteの特徴には、次のようなものがあります。
共通仕様によるマルチベンダー環境の実現
異なるベンダーの機器を相互接続し、制御することができます。
各種既存の標準的な伝送メディアの利用が可能
有線LAN(Ethernet)、無線LAN(Wi-Fi)等の広く普及している標準的な伝送メディアを用いて、システムの構築が可能です。
家庭・中小ビル・店舗向け等、広範囲な機器に対応
100種類以上の機器のコマンドを定義。新しい機器についても、随時コマンドを追加していきます。
クラウド上のサービスとの連携が可能
インターネット上の様々なシステムと連携し、高度なサービスの実現が可能です。
ネットワークレディ機器の設計が可能
ミドルウェアアダプタインタフェースにより、機器を先に購入し、後からネットワーク機能(アダプタ)を追加して、システムを導入することも可能です。
ECHONET Liteの規格構成
ECHONET Liteは、IEC、TSO/IEC JTC1で認定された国際標準規格です。
ECHONET Liteは、ECHONET Lite規格書、ECHONET機器オブジェクト詳細規程、アプチケーション通信インタフェース仕様書の3種類の規格で構成されます。
- ECHONET Lite規格書は、プロトコルとして手順や電文構成他の基本的な規格を定めています。
- ECHONET機器オブジェクト詳細規程は、機器ごとに送受信するコマンドや情報の内容を規定しています。
- アプリケーション通信インタフェース仕様書は、機器ごとの機能や動作で固有となる部分で通信に関わる仕様を規定することで、ベンダー間の相互接続性を向上させるためのものです。
- IECとは、国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)になります。
- ISO/IEC JTC 1とは、国際標準化機構 (ISO) と国際電気標準会議 (IEC) の第一合同技術委員会 (Joint Technical Committee 1) のことです。
ECHONET機器オブジェクト
ECHONET Liteでは、家庭内のあらゆる機器(110種類以上)の制御コマンドを定義しています。
対象となる機器やコマンドの追加・変更を定期的(2回/年)に実施しています。
エコーネットコンソーシアム会員であれば、だれでも提案をすることができます。
ECHONET Lite規格 第三者認証制度
ECHONET Lite規格に対応した製品のベンダー相互接続性古城のため、以下の2種類の第三者認証制度を実施しています。
- ECHONET Lite AIF認証制度
- ECHONET Lite 認証制度
詳細はエコーネットコンソーシアムHP 認証制度の紹介をご覧ください。
ECHONET Lite規格およびECHONET Lite AIF仕様に対応した製品の認証を申請するためには、エコーネットコンソーシアム会員になることが必要です。
認証製品の取得件数は下図のようになり、多くの製品が認証を取得しています。
ECHONET Liteをもっと知りたい方へ
ECHONET Lite規格書、ECHONET機器オブジェクト詳細規程は一般公開していますので、興味のある方は、だれでも規格のダウンロード、製品試作を行うことができます。
エコーネットコンソーシアムホームページへアクセスください。