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DelphiAdvent Calendar 2018

Day 21

FDBatchMove を使って RESTで取得した JSON データをデータベースに書き込む

Last updated at Posted at 2018-12-20

これは Delphi Advent Calendar 2018 の 21 日目の記事です

REST デバッカを使って REST API から JSON データを取得する記事を以前書きました
この取得した JSON データは、TFDMemTable というインメモリの DataSet に格納されています
既にデータセットの形でデータが存在しているので、このデータを TFDBatchMove
を使って、一気に InterBase のテーブルにデータとして書き込むということを行ってみました

TFDBatchMove って何

通称 BatchMove
異なる種類のデータを移送する仕組みです
移送元、移送先で扱える標準の Reader/Writer として、テキスト・データセット・SQL が用意されています
ざくっとしたイメージは
batchmove.png
な感じです

たとえば

  • 異種データベース間でデータを流す
  • データベース上のデータをテキスト形式に変換

などの用途に使用できる便利な機能です

Delphi で作ってみる

Delphi 10.2.3 Tokyo Community Edition を使用しています (10.3 Rio でも同様に作成できます)
VCL でも FireMonkey でも作れます (この記事では FireMonkey で作りました)
JSON データを読み込むところまでは Delphi Community Edition Meet up ! - REST 編 をご参照ください

TFDMemTable に読み込んだデータセットは必要なフィールドだけに絞ってしまう

全部のフィールドデータは必要ないので、TFDMemTable 上で必要なフィールドだけに絞ってしまいます
今回は
id, event_id, start_time, end_time, title, subtitle, content, act
の8つのフィールドに絞ります

手順ですが

  1. 設計画面上の FDMemTable をマウスでダブルクリックします
  2. フィールドエディタが表示されます
  3. フィールドエディタ上で、マウスの右ボタンをクリックします
  4. 表示されたポップアップメニューより「すべてのフィールドを追加」を選択しますbatch01.png
  5. 不要なフィールドをマウスで選択して Delete キーを押して削除しますbatch02.png

で絞り込みます

データベースにも同じ構造のテーブルを作っておく

TFDMemTable で絞り込んだ各フィールドの情報を見ると、すべて TWideStringField 長さ 255 で定義されています
今回は InterBase 側のテーブルも、同じフィールド名 (id, event_id, start_time, end_time, title, subtitle, content, act) で varchar 255 で定義しちゃいます
テーブル名は、restTable としました

FireDAC を使って InterBase のテーブルを参照する

IDE の右上にあるプロジェクトマネージャのタブをクリックして、データエクスプローラを表示します
データエクスプローラで、流し込む先のデータベースへの接続設定を行い、接続できることを確認します
定義済みのテーブルをデータエクスプローラからドラッグ&ドロップしてフォーム上に FDConnection と FDQuery を配置します
batch03.png
FDQuery の Enable は True にしておき、データベースと接続しておきます

Reader と Writer コンポーネントにデータセットを設定する

ツールパレットから、TFDBatchMove, TFDBatchMoveDataSetReader, TFDBatchMoveDataSetWriter をドラック&ドロップで配置します (名前が長いので、以下 BatchMove, Reader, Writer とします)
オブジェクトインスペクタで FDBatchMoveDataSetReader 側の DataSet プロパティを FDMemTable1 に設定します
batch04.png
オブジェクトインスペクタで FDBatchMoveDataSetWriter 側の DataSet プロパティを RestTableTable(FDQuery) に設定します
batch05.png

BatchMove コンポーネントに Reader と Writer コンポーネントを関連付ける

実は Reader と Writer が1つずつであれば、自動的に設定されます
Reader および Writer が複数ある場合はオブジェクトインスペクタ上で使用する Reader, Writer を設定します
batch06.png

これで設定は終了です

今回の設計画面

このサンプルでは、分かりやすいように TStringGrid と TButton をそれぞれ2つ配置しています
各 StringGrid は FDMemTable および表示用の FDQuery(データエクスプローラから、もうひとつ restTable を置く)と Visual Live Binding を使って関連付けを行っています
batch18.png

データベースへ書き込む

REST API から読み込んだデータをそのまま BatchMove で InterBase のテーブルに流し込みます

REST API から JSON データを読み込む側は、Button の OnClick イベントに次のコードを記載します

  RESTRequest1.Execute;  // REST API 経由でデータを読み込む

読み込んだ JSON データを InterBase に流し込む側は、Button の OnClick に次のコードを記載します

  FDBatchMove1.Execute;  // Reader -> BatchMove -> Writer にデータを流し込みます
  FDQuery1.Open;         // 流し込んだデータを下の StringGridに表示する

注意: エラー処理は行なっていません

実行してみる

Get ボタンを押すと、REST API で JSON データが読み込まれ、BatchMove ボタンを押すと、そのデータが InterBase 側に流し込まれて、StringGrid上に表示されます
batch19.png
batch20.png
batch21.png

InterBase の操作

今回使用した InterBase 側の操作

  • サーバーの起動
  • データベースの作成
  • テーブルの作成

をまとめておきます

InterBase Server の起動

InterBase を使うには、最初に InterBase Server を起動しておく必要があります
Windows のメニューから InterBase Server Manager を起動します
batch01_1.png

"InterBase サーバーの状態"の横に「停止中」と赤文字で表示されている場合は、サーバーが停止していますので [起動] のボタンをクリックしてサーバーを起動します
batch02.png

"InterBase サーバーの状態"の横の文字が、緑色で「動作中」と表示されていれば OK です
batch03.png

もし、エラーが表示されて起動できない場合は、ライセンスの登録状況を確認(大抵が必要なライセンスが無かったり、間違った認証を行ったりしているのが原因)して、それでも分からなければエンバカデロのインストールサポートに問い合わせましょう

データベースの作成

Windows のメニューから IBConsole を起動します
batch01_2.png

メニューの [データベース|データベースの作成] を選択します
batch04.png

ファイル名など必要な情報を設定して [OK] ボタンをクリックするとデータベースファイル(.ib/.gdb)が作成されます
batch05.png

テーブルの作成

IBConsole でデータベースとの接続が確立している状態で、テーブルを作成します
テーブルエディタや、SQL(DDL)文でテーブルを作成できます

テーブルエディタを使って定義する手順
  1. データベースのツリー構造を展開して、テーブルを選択します
  2. 右側の "データベース" タブの画面内で、マウスの右ボタンをクリックします
  3. 表示されたポップアップメニューから「作成」を選択します batch06.png
  4. テーブルエディタが表示されますので、テーブル名を入力します
  5. [フィールドの追加]ボタンをクリックしてフィールドを追加します
    batch09.png
SQL(DDL) を使って定義する手順
  1. メニューより [ツール|対話型SQL]を選択します batch08.png
  2. ISQL(Interactive SQL)が開くので、テーブルを定義する SQL文(DDL)を記述します
  3. 稲妻マークのボタンをクリックすると、記述した SQL文が実行されてテーブルが作成されます
    batch07.png

あとがき

この記事では、「FDBatchMove」で流しこむことをメインとしたかったので、流し込む先の InterBase 側のフィールドをすべて varchar 255 にしています

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