はじめに
2025年12月12日、Kali Linux 2025.4 Release (Desktop Environments, Wayland & Halloween Mode))の通りにKaliの新しいリリースが公開されています。
今回のリリースでは、新しいツールの追加やパフォーマンスの調整などが行われました。詳細については、上記公式のブログ記事をご参照ください。
本記事では、今回のアップデート内容の一部について記載しています。
アップデート方法
公式ドキュメントのUpdating Kaliを踏まえて、Kaliのアップデート方法を以下に記載します。
前提として、/etc/apt/sources.listが適切に設定されていることを確認した上で以下のコマンドを実行します。
$ sudo apt update
$ sudo apt full-upgrade -y
上記コマンド実行後、OS再起動を行います。
OS再起動後、/etc/os-releaseファイルを参照してディストリビューションのバージョンが更新されたことを確認します。
$ grep VERSION /etc/os-release
VERSION_ID="2025.4"
VERSION="2025.4"
VERSION_CODENAME=kali-rolling
Desktop Environments
GNOME、KDE Plasma、Xfceについてそれぞれアップデートが行われました。
例えば、Xfceの場合、カラーテーマのサポートが追加されて、他のデスクトップ(GNOME及びKDE)で既に利用可能な設定と同等のものとなりました。
GTK3/4ウィンドウ、Qt5/6ウィンドウ、そしてXfce ウィンドウマネージャーデコレーション用の新しいテーマを使って、Kali インストールのカラーを完全にカスタマイズできるようになっています。
Xfce環境は、軽量で安定している一方、GNOME及びKDEのようなデスクトップ全体に適用するカラーテーマが課題でした。しかし、今回のアップデートにより、アイコンや各ウィンドウ及びウィンドウマネージャーデコレーションをカスタマイズ可能なカラーテーマが適用できるようになりました。
デスクトップの設定は「外観」アプリケーションを使用して変更できます。
Kali Halloween Mode
Kali Undercoverに、Halloween Modeが追加されました。
以下のコマンドを実行することで、Halloween Modeに変更できます。
$ kali-undercover --halloween
New Tools
今回のリリースも新しいパッケージが追加されています。
更に多数のパッケージが更新され、新しいライブラリが組み込まれました。また、カーネルも6.16にアップグレードしました。
evil-winrm-py
evil-winrm-pyは、WinRMプロトコルを使用してリモートWindowsマシン上でコマンドを実行するためのPythonベースのツールです。
オリジナルのevil-winrmは、Rubyで記述されていますが、このパッケージはPythonで書き直されています。
hexstrike-ai
hexstrike-aiは、150以上のセキュリティツールと、12以上の自律AI エージェントを備えた、高度なAI搭載侵入テストMCPフレームワークです。
hexstrike-aiは攻撃者にとって、魅力的なツールになるため、サイバー攻撃への悪用が観測されています。
以下Check Point社のブログ記事では、脅威アクターによって、hexstrike-aiを利用したゼロデイ脆弱性を狙う試みがあったと報告されています。
おわりに
今年最後のリリースとなりましたが、興味深い内容ばかりでした。
サイバーセキュリティに関するAIエージェントのツールは、来年も注目です。

