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Raspberry Pi4とCoral USB Acceleratorで行う機械学習

Last updated at Posted at 2020-02-18

はじめに

本記事はエッジデバイスで機械学習を行う方法として、Raspberry Pi4とCoral USB Acceleratorの導入手順についてまとめています。

Raspberry Pi4は現行機種の最新世代になります。CPUやメモリ性能が大幅に向上し、USB3.0にも対応しています。

写真 2020-02-17 0 31 29.jpg

Coral USB AcceleratorはGoogleがエッジデバイスで機械学習を行うために開発したGoogleの専用ASICです。

写真 2019-12-30 0 02 35.jpg

この専用ASICはEdge TPUと言われ、エッジで推論を行うことに特化したTensorFlow Liteのフレークワークが利用できます。なお、TensorFlow Liteのフレークワーク以外はサポートしていません。また、Coral USB Acceleratorの性能を最大限に発揮するためには、USB3.0の接続が必要です。要約するとCoral USB Acceleratorの性能を引き出すのにRaspberry Pi4は最適です。

Raspberry Pi4

公式サポートではないですがGoogleからEdge TPUを使用するために、EdgeTPU Platformsというコンパイル済みのRaspbery Piのイメージが用意されています。

学習済みの画像分類モデルなどが組み込まれているため、Raspberry Piで機械学習を行うのに役にたつでしょう。

EdgeTPU Platformsから、Raspberry Pi 4のイメージを利用する手順について解説します。

なお、Raspberry Pi 4の留意事項として、電源がUSB Type-C、HDMIはMicro HDMIとインターフェースが変更されているのでご注意ください。

EdgeTPU Platforms

  1. google-coral/edgetpu-platformsから、Raspberry Pi 4, Buster, Edgetpu 2.11.1のイメージをダウンロードします。
  2. ダウンロードしたイメージをSDカードに書き込みます。SDカードへの書き込み方法については以前書いたRaspberry Pi の基本を参照。
  3. SDカードへの書き込み終了後、Raspberry Piを起動し、初期セットアップを行います。

ダウンロードしたイメージで起動した場合は、ファイルシステムをSDカードのサイズに合わせて拡張を行う必要があります。

ファイルシステム拡張

ファイルシステム拡張前のシステム領域(/)は以下の状態となっています。

pi@raspberrypi:~ $ df -h
ファイルシス   サイズ  使用  残り 使用% マウント位置
/dev/root        3.3G  3.0G  100M   97% /
devtmpfs         1.8G     0  1.8G    0% /dev
tmpfs            1.9G     0  1.9G    0% /dev/shm
tmpfs            1.9G  8.6M  1.9G    1% /run
tmpfs            5.0M  4.0K  5.0M    1% /run/lock
tmpfs            1.9G     0  1.9G    0% /sys/fs/cgroup
/dev/mmcblk0p1   253M   41M  213M   16% /boot
tmpfs            386M     0  386M    0% /run/user/1000

以下のコマンドを実行し、raspi-configを起動し対話的に操作を行います。

$ sudo raspi-config

スクリーンショット 2019-12-30 17.38.27.png

はじめに**「7 Advanced Options」**を選択します。

スクリーンショット 2019-12-30 17.38.38.png

つぎに「A1 Expand Filesystem」を選択します。

スクリーンショット 2019-12-30 17.38.54.png

了解を押下します。

スクリーンショット 2019-12-30 17.39.42.png

以下のコマンドを実行し、再起動を行います。

$ sudo systemctl reboot

再起動後、システム領域(/)が拡張されていることが確認できます。

pi@raspberrypi:~ $ df -h
ファイルシス   サイズ  使用  残り 使用% マウント位置
/dev/root         29G  3.1G   24G   12% /
devtmpfs         1.8G     0  1.8G    0% /dev
tmpfs            1.9G     0  1.9G    0% /dev/shm
tmpfs            1.9G  8.6M  1.9G    1% /run
tmpfs            5.0M  4.0K  5.0M    1% /run/lock
tmpfs            1.9G     0  1.9G    0% /sys/fs/cgroup
/dev/mmcblk0p1   253M   41M  213M   16% /boot
tmpfs            386M     0  386M    0% /run/user/1000

Coral USB Accelerator

Coral USB Acceleratorを使うためには、以下の作業が必要になります。

  • Edge TPUランタイムのインストール
  • TensorFlow Liteライブラリのインストール

Edge TPUと通信するには、Edge TPUランタイムをインストールします。
また、TensorFlow LiteをPythonで使用するためにライブラリ等が必要になります。本記事では、PythonでTensorFlow Liteモデルを使用するのに簡単なtflite_runtimeライブラリをインストールします。

準備作業

Coral USB Acceleratorの入っている箱を開封します。

写真 2019-12-30 17 08 16.jpg

Raspberry Pi4にCoral USB Acceleratorを接続します。
USB3.0は**青色**のインターフェースになります。

写真 2020-02-16 23 52 49.jpg

Edge TPU runtimeのインストール

  • リポジトリの追加
    $ echo "deb https://packages.cloud.google.com/apt coral-edgetpu-stable main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/coral-edgetpu.list
    $ curl https://packages.cloud.google.com/apt/doc/apt-key.gpg | sudo apt-key add -
    $ sudo apt-get update

  • インストール
    $ sudo apt-get install libedgetpu1-std

TensorFlow Liteライブラリのインストール

  • ライブラリのダウンロード
    $ wget https://dl.google.com/coral/python/tflite_runtime-1.14.0-cp37-cp37m-linux_armv7l.whl

  • ライブラリのインストール
    $ pip3 install tflite_runtime-1.14.0-cp37-cp37m-linux_armv7l.whl

TensorFlow Lite APIの実行

Get started with the USB Acceleratorを参考に、画像分類機を実行してみましょう。

$ python3 classify_image.py --model models/mobilenet_v2_1.0_224_inat_bird_quant_edgetpu.tflite --labels models/inat_bird_labels.txt --input images/parrot.jpg

INFO: Initialized TensorFlow Lite runtime.
----INFERENCE TIME----
Note: The first inference on Edge TPU is slow because it includes loading the model into Edge TPU memory.
18.6ms
4.6ms
4.6ms
4.6ms
4.6ms
-------RESULTS--------
Ara macao (Scarlet Macaw): 0.76562

TensorFlow Liteを使用して、Edge TPUで推論を実行しました。
ちなみにUSB2.0で実行した場合の出力結果は以下になります。USB3.0に比べて遅いのが分かります。

INFO: Initialized TensorFlow Lite runtime.
----INFERENCE TIME----
Note: The first inference on Edge TPU is slow because it includes loading the model into Edge TPU memory.
120.5ms
11.5ms
11.5ms
11.7ms
11.6ms
-------RESULTS--------
Ara macao (Scarlet Macaw): 0.76562

おわりに

これでエッジデバイスで機械学習ができます。

次はTensorFlowでモデルを作成し、モデルをTensorFlow Liteに変換します。

参考

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