この記事の目的
OpenWrt 歴 3 年の私ですが、「OpenWrt
という名前しか知らない、現時点の自分自身がいたら」という想定で、この記事を書いています。
OpenWrt 歴
最初の OpenWrt 機器は、Xiaomi 4A Gigabit Router です。
中国語 firmware の製品に英語 firmware をインストールした結果、正常に動作しなくなり、その回復過程で OpenWrt について知り、以降 OpenWrt 機器を使用しています。
それ以降は、Xiaomi の 4C 、 3 、 AC2100 、 3 Pro 、TP-Link の Archer C7 AC1750 の v4 , v5 , C7R v5 などでいろいろ試し、
現在は、Buffalo の WSR-1166DHP 、 WSR-2533DHP2 、Linksys の E8450 を使用しています。 (複数台あるのは DAWN のためです。)
当初、 Xiaomi と TP-Link でいろいろと試しているのは、1 台 1000 円~ 2000 円程度で入手できたことと、公式サイトでの情報が充実していたためです。
OpenWrt のインストール後(firmware の導入後)の注意事項
1. ルーターの IP アドレスは、 192.168.1.1
に設定される
そのため、ブラウザからは http://192.168.1.1 へ、ターミナルからは ssh root@192.168.1.1
でアクセスする。
2. パスワードは設定されていない
ブラウザからアクセスした場合は、 Username
は root
。 Password
はどんな値を入力してもログインできる。
ターミナルから ssh root@192.168.1.1
でアクセスした場合は Password
は空欄。
3. Wi-Fi は off の状態になっている
OpenWrt のフォークの X-Wrt の場合は、firmware 導入直後でも Wi-Fi が使用できるが、OpenWrt では明示的に Wi-Fi を on にしない限り Wi-Fi は使用できない。
そのため初回は、 PC の有線 LAN ポートとルーターの LAN ポートを接続して設定する。
OpenWrt 機器の選択
ルーターはスマートフォンと同じで、新しければ良いというわけではないが、ブラウザやコマンドラインでの反応が、数年違えば体感できるくらい速度が異なる。
また、名機と言われた TP-Link Archer C7 AC1750 でも、上流回線が 300Mbps 以上の場合、ルーターが速度のボトルネックとなる。
さらに、海外で人気の高かった Xiaomi 4A Gigabit Router も、ハードウェアの構成が変わって OpenWrt がインストールできなくなっていたりする。
OpenWrt の公式推奨
- Flash RAM は 32MB 以上、メモリは 128MB 以上
- OpenWrt 21.02 では、Flash RAM 8MB、メモリ 64MB が最低限のスペック
https://openwrt.org/supported_devices/432_warning - 今後は、Flash RAM 8MB、メモリ 64MB では足りなくなる可能性が高い
https://openwrt.org/supported_devices/864_warning
- OpenWrt 21.02 では、Flash RAM 8MB、メモリ 64MB が最低限のスペック
個人的なお気に入り
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2024 年時点で気に入っているのは、
ARM Cortex-A53
系の CPU の MT7622 を使用している機器
https://openwrt.org/docs/techref/instructionset/aarch64_cortex-a53
Flash が 128MB 以上、RAM が 256MB 以上ある機種が多く、速度の点でもパワーの点でも安心して運用できます。- Buffalo WSR-2533DHP2
- ELECOM WRC-2533GST2 (未使用)
- Linksys E8450 (Wi-Fi 6 (11ax) 対応)
- NETGEAR WAX206 (Wi-Fi 6 (11ax) 対応)
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私が使用している Buffalo WSR-1166DHP では MIPS 系 CPU である MT7621 が使われていますが、
Software flow offloading
もHardware flow offloading
も使用できるため、まだまだ現役で使用できます。
(上流回線が 1GHz でも問題なしです。)
ただし、MT7622 搭載機と比べると、設定時の反応、再起動完了までの時間で遅さを感じます。
また、 ZeroTier であれば問題なく使用できますが、 SoftEther 、 WireGuard 、 Tailscale ではパワーが足りず、ルーターの速度低下が顕著になります。
OpenWrt の設定時にあると便利なツール
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SSH アクセス用
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ファイル転送 , 設定ファイル(
/etc/config/*
)の書き換え-
WinSCP
👉File protocol
はSCP
で
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WinSCP
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Wi-Fi 電波の状況確認
それぞれの機器の最新の firmware はどこにある?
最新の firmware は以下のページから入手するのが簡単です。
おまけ
OpenWRT 誕生の経緯(きっかけ)は Gigazine さんのこちらの記事へどうぞ。
たかだか 16MB 程度の Flash メモリしかなくても、ちゃんとした Linux が動くのは驚きです。