この記事の目的
OpenWrt 歴 4 年の私ですが、4 年前の自分を思い出しながら、その時の自分でも分かるように、この記事を書いています。
OpenWrt 歴
最初の OpenWrt 機器は、Xiaomi 4A Gigabit Router です。
中国語 firmware の製品に英語 firmware をインストールした結果、正常に動作しなくなってしまい 😱、その回復過程で OpenWrt について知り、以降 OpenWrt 機器を使用しています。
それ以降は以下の 10 モデルを使用。
Model | SoC / CPU | TechInfoDepot |
---|---|---|
Xiaomi Mi Router 4C | MediaTek MT7628DAN | 4C |
Xiaomi Mi WiFi Router 3 | MediaTek MT7620A | R3 |
Xiaomi Mi Router AC2100 | MediaTek MT7621A | AC2100 |
Xiaomi Mi Router 3 Pro | MediaTek MT7621A | R3P |
TP-Link Archer C7 AC1750 ( v4 , V5 , C7R v5 ) |
Qualcomm Atheros QCA9563 | v4 , v5 |
Buffalo WSR-1166DHP | MediaTek MT7621AT | WSR-1166DHP |
Netgear GS308T V1 | Realtek RTL8380M | GS308T |
GMKtec NucBox 7S | Celeron N5105 | ( GMKtec 公式サイト ) |
そして現在は、Buffalo の WSR-2533DHP2 、Linksys の E8450 、 NETGEAR の WAX206 を使用しています。 (複数台あるのは DAWN のためです。)
当初、 Xiaomi と TP-Link でいろいろと試しているのは、1 台 1000 円~ 2000 円程度で入手できたことと、公式サイトでの情報が充実していたためです。🎉
(🔥🔥🔥🔥 Xiaomi の Wi-Fi ルーターは、基本的に中国仕様のため、5GHz は 149ch ~ 165ch もカバーしますが、2025 年 2 月現在、 Xiaomi の Wi-Fi ルーターで技適を取得しているものはありません。🔥🔥🔥🔥)
OpenWrt のインストール後(firmware の導入後)の注意事項
1. ルーターの IP アドレスは、 192.168.1.1
に設定される
そのため、ブラウザからは http://192.168.1.1 へ、ターミナルからは ssh root@192.168.1.1
でアクセスする。
2. パスワードは設定されていない
ブラウザからアクセスした場合は、 Username
は root
。
Password
にはどんな値を入力してもログインできる。
ターミナルから ssh root@192.168.1.1
でアクセスした場合は Password
は空欄。
3. Wi-Fi は off の状態になっている
OpenWrt のフォークの X-Wrt の場合は、firmware 導入直後でも Wi-Fi が使用できるが、OpenWrt では明示的に Wi-Fi を on にしない限り Wi-Fi は使用できない。
そのため初回は、 PC の有線 LAN ポートとルーターの LAN ポートを接続して設定する。
OpenWrt 機器の選択
完全初心者 🔰 なら、WSR-2533DHP2 か AC1750 で選択
2025 年 2 月時点であれば、まずは Buffalo の WSR-2533DHP2 を基準に考える。
メモリサイズがそこそこ大きく(256MB)、追加パッケージのインストールに使える Flash RAM の領域がそこそこ大きく(約 40MB)、そこそこ速い CPU (MT7622)を積んでいて、OpenWrt 導入可能なルーターが 2000 円程度で買えるというのは世界的に見ても希少なので、まずはこれを基準に考える。
ただし、日本語がよく分からない場合や、使用しなくなった後にメーカー firmware に戻して再度売りたいという場合には、TP-Link の Archer C7 AC1750 が、多言語対応しているし、メーカー firmware に戻すのも簡単なので、その場合にはこの機種でも良いのではないかと思う。
価格は、消費電力の小さい v5 や C7R v5 で 2000 円程度。
ただし、ハードウェア的には WSR-2533DHP2 に比べてかなり劣る。
USB ポートの有無は最初は考慮しなくて良い。
設定が煩雑になるし、消費電力も増えるので、結局私は USB ポートがあるモデルでも使っていない。
(ルーターはルーター、NAS は NAS。 分けて運用した方が認知負荷が軽減される。)
OpenWrt の公式推奨
- Flash RAM は 32MB 以上、メモリは 128MB 以上
- OpenWrt 21.02 では、Flash RAM 8MB、メモリ 64MB が最低限のスペック
https://openwrt.org/supported_devices/432_warning - 今後は、Flash RAM 8MB、メモリ 64MB では足りなくなる可能性が高い
https://openwrt.org/supported_devices/864_warning
- OpenWrt 21.02 では、Flash RAM 8MB、メモリ 64MB が最低限のスペック
個人的なお気に入り
-
2025 年時点で気に入っているのは、 MT7622 を搭載した以下の 3 機種です。
(👉 MT7622 は ARMv8 アーキテクチャの ARM Cortex-A53 コアを使用した SoC です。)Model Generation RAM /overlay
Buffalo WSR-2533DHP2 Wi-Fi 5 256MB 39MB Linksys E8450 Wi-Fi 6 512MB 83MB NETGEAR WAX206 Wi-Fi 6 512MB 18MB
- 👉 Buffalo WSR-2533DHP2 は入手と導入のしやすさで強くお勧めできるので、WSR-2533DHP2 への OpenWrt 導入方法について書きました。 😊
- 👉 Linksys E8450 では強烈なトラブルに遭遇したため、その解決方法について書きました。 😯
- 👉 NETGEAR WAX206 は追加パッケージで使える容量が 18MB と小さいのですが、容量が小さい機器でも Tailscale をインストールできる方法を見つけたので、元々のハードウェアの設計の良さを存分に楽しめる状態になっています。 😍
次は、MT7622 (Filogic 800) よりさらに速い MT7981 (Filogic 820) か MT7986 (Filogic 830) を搭載したデバイスを購入する予定です。 😎
地雷は君を強くしてくれるかもしれない 🫡
以下のモデルは元々の Flash が 128MB あるのに、OpenWrt 化すると追加パッケージのインストールに使える領域が 10MB 未満しかない。 😵 トテモツライ
ELECOM WRC-X3200GST3 は ⚡ メーカー出荷時 ⚡ からそもそも地雷 💣
2025/2/9 追記
すごい! 😯
10MB 以下だった WSR-3200AX4S の使用領域を拡大する方法を見つけてくれた人がいる!
ありがとうございます!! 😊😊
2025/2/15 追記
Buffalo WSR-3200AX4S と ELECOM WRC-X3200GST3 の空き容量を使用可能にするコードが公開されました! 💃🕺
wget -O /etc/init.d/mount_vacant_space https://pastebin.com/raw/XDja96GT
sed -i 's/\r//' /etc/init.d/mount_vacant_space
chmod 755 /etc/init.d/mount_vacant_space
/etc/init.d/mount_vacant_space enable
必要があれば追記します。 😊
OpenWrt の設定時にあると便利なツール
- SSH アクセス用
- ファイル転送、設定ファイル(
/etc/config/*
)の書き換え-
WinSCP
👉File protocol
はSCP
で
-
WinSCP
- Wi-Fi 電波の状況確認
-
inSSIDer 5
( ユーザー登録が必要ですが無料で使えます。 inSSIDer 3.1.2.1 より使いやすくなっています。)
-
inSSIDer 5
- 速度計測
- Waveform ( Fast.com , Cloudflare )
それぞれの機器の最新の firmware はどこにある?
最新の firmware は以下のページから入手するのが簡単です。
おすすめの追加パッケージ
2022 年に追加された Attended Sysupgrade を使うと、ファームウェアアップデート時の苦労をかなり軽減できます。
OpenWrt でファームウェアをアップデートすると、OS を再インストールした時と同じように、使っていたパッケージを再度インストールする必要があります。
しかし、Attended Sysupgrade を使うと、インストールされているパッケージを調べて、それらが含まれたファームウェアを作成&ダウンロードし、アップデート時に元のパッケージが含まれた状態で更新できます。 🥳
VPN を使ってリモートでアップデートをする場合には、こういった機能は本当に本当に助かります。 😂
また、 nano
や curl
は基本的なイメージには含まれていないため、luci-app-attendedsysupgrade
と一緒にインストールしておくと便利です。
opkg update
opkg install luci-app-attendedsysupgrade nano curl
おまけ
OpenWRT 誕生の経緯(きっかけ)は Gigazine さんの こちらの記事 へどうぞ。
たかだか 16MB 程度の Flash メモリしかなくても、ちゃんとした Linux が動くのは驚きです。
さらなるおまけ
以下のページでルーター用 SoC の速度をざっくり比較できます。 😊
Reddit に OpenWrt の subreddit があります。
👉 Reddit で、Linux の wireless driver のメンテナーの方が、メンテナーの役割から降りたということを知りました。😱
https://www.phoronix.com/news/Linux-Wireless-Maintainer-2025
そして、中文ですが中国の 恩山无线论坛 もかなり充実しています。
サイトの自動翻訳機能で、英語や日本語に翻訳して利用できます。
Reddit や恩山无线论坛に比べると情報量は少ないですが、5ch にも OpenWrt の情報があります。
👉 OpenWrt Forum は表示が遅く、トピックを読んでも役に立った経験がほとんどないため、困った時は、生成 AI -> Google -> Reddit の順で検索しています。