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ELECOM WRC-X3200GST3 の設定について

Last updated at Posted at 2024-03-02

なぜこの記事を書いたか

ELECOM WRC-X3200GST3 の設定をしてみて、いろいろと驚くことがありました。😮

どのような設定をして、どのようなことが起こったかを、画像も使いながら書いていきます。

今までいろいろなネットワーク機器に触れてきましたが、こんな製品は初めてです。

ELECOM WRC-X3200GST3 はどのように評価されているか

価格.com での ELECOM WRC-X3200GST3 に対する評価 は、その 3 分の 2 が ★1 を付けるという、今まで見たことがない低評価。😮

実際に使用してみて、その 低評価 に納得しました。🤔

ELECOM WRC-X3200GST3 の何が問題なのか

価格.com での ELECOM WRC-X3200GST3 に対する評価で書かれているのは以下の 2 点。

  1. Wi-Fi が遅い 😠
  2. 切れる (🔥 有線接続でも切れる 🔥) 😠

この 2 点を改善するための設定をしていく過程で、信じられない状況に直面しました。
それは、以下の 2 点です。

  1. 🔥🔥 設定が保存できない 🔥🔥
    (設定が保存できるかどうかは本当に運。 初回で保存できる時もあれば、何度も繰り返してやっと保存できる時もある。)
  2. 🔥🔥 Wi-Fi チャネルを固定したのに、なぜか違うチャネルに変更される 🔥🔥 (設定画面では保存したチャネルのまま)

そして変更を行うたびに、機器が再起動され、1 分~ 2 分の待ち時間が発生します。

その長い待ち時間の後に、動作確認をすると、更新した設定が保存されていなかったり、設定と違った挙動をしたり、この 遅くて設定が保存できないルーター を買った人、ほんと怒っていいですよ。

ELECOM WRC-X3200GST3 で行った対応

以下の 4 点について設定しました。

  1. Wi-Fi の「バンドステアリング」を無効にし、さらに 2.4GHz と 5GHz の SSID を別々にする
  2. Wi-Fi の 5GHz で使用するチャネルを「Auto」から変更し、DFS の影響を受けない「36 ~ 48」の範囲で固定する
  3. WAN 設定の「WAN アクセスタイプ」を「自動判定」ではなく、使用する環境に合わせて固定する
  4. 「WAN アクセスタイプ」を「DHCP」にして、DNS の値を指定する
    (例. DNS1: 1.1.1.1, DNS2: 1.0.0.1)

対応 1. Wi-Fi の「バンドステアリング」を無効にし、さらに 2.4GHz と 5GHz の SSID を別々にする

バンドステアリングは万能ではなく、通信が遅くなる場合もあるため、バンドステアリングを無効にしました

同時に 2.4GHz の SSID も変更しました。

WiFi_withoutBandSteering

対応 2. Wi-Fi の 5GHz で使用するチャネルを「Auto」から変更し、DFS の影響を受けない「36 ~ 48」の範囲で固定する

上記、対応 1.で設定した 5GHz の SSID に接続できなくなったため、 inSSIDer 3.1.2.1 で確認すると、5GHz の電波が停止していていました。

そのため、5GHz で使用するチャネルを DFS の影響を受けない「36 ~ 48」の範囲で固定しました。

WiFi_5GHz_48ch

👉 5GHz 帯は、気象レーダー、航空レーダー、軍事レーダー、衛星通信などでも使用されているため、Wi-Fi 利用前にそのチャネルがレーダー等で使用されていないかどうか確認し、使用されている場合は違うチャネルを使う必要があります。

DFS が正常に機能していれば、自動で使用チャネルが変更され、そのまま 5GHz Wi-Fi を継続して使うことができるのですが、時々停止したままになることがあります。

そこで DFS の影響を受けない 36 ~ 48ch を使用することにしました。

DFS についての詳しい説明は以下のページで。

対応 3. WAN 設定の「WAN アクセスタイプ」を「自動判定」ではなく、使用する環境に合わせて固定する

設定画面の [WAN & LAN] の部分を見ていると、頻繫に「タイプ:AUTO(識別中)」になっていることに気づきました。

WAN_Auto

「タイプ:AUTO(識別中)」となっている間は 🔥🔥🔥🔥 ネットワークが止まります。 🔥🔥🔥🔥

大事なことなのでもう一度書きます。
「タイプ:AUTO(識別中)」となっている間は 🔥🔥🔥🔥 ネットワークが止まります。 🔥🔥🔥🔥

そのため環境に合わせて、WAN アクセスタイプを「DHCP」として固定しました。

DHCP_withoutDNS

対応 4. 「WAN アクセスタイプ」を「DHCP」にして、DNS の値を指定する

Wi-Fi の速度を確認するために、 FAST.com や Cloudflare の Speed Test ページにアクセスすると、速度計測開始までの立ち上がり時間が遅いです。

頻繁に「タイプ:AUTO(識別中)」になるということから、上流回線の情報の取得がうまくできないのではないかと考え、DNS を設定しました。

DHCP_withCloudflareDNS

それでも切れるし、それでも遅い。 さらに他の Wi-Fi の通信を妨害するし、上流回線を詰まらせる。 😱

ここまでやっても、 FAST.com などでの速度測定開始までの立ち上がりは遅く、
Google 検索でも、読み込みエラーが発生し、ページの再読み込みが必要になったりします。

inSSIDer 3.1.2.1 の画面を見ていると、固定したはずのチャネルから勝手に W56(100 ~ 144ch)のチャネルに移動していました。

W56 120ch

W56 144ch

固定した 48ch から、勝手に 100ch に変更した時のスクリーンショットが取れました。

W56 144ch

そして、違う Wi-Fi ルーターに接続しているにも関わらず、同じ部屋で使用しているスマートフォンでの通信ができなくなりました。😮
さらに、WRC-X3200GST3 が接続されている回線が、WRC-X3200GST3 を経由しない部分でも、有線で使えなくなりました。🤮
そこで、WRC-X3200GST3 から電源を抜くと、全ての不具合は解消されました。😇

もし ELECOM さんが、 WRC-X3200GST3サボタージュ機器として開発したのであれば、史上最高の傑作商品だと思います。 🎉🎉🎉

補足1:「トレンドマイクロ スマートホームネットワーク」について

WRC-X3200GST3 にインストールされている「トレンドマイクロ スマートホームネットワーク」は、ルーターに接続されているネットワークカメラなど、ネットワーク機器を保護する機能のようです。

セキュリティ的にガバガバな機器や、適切にパスワードが設定されていないネットワーク機器は、侵入されて踏み台に使用される場合が多くなっているため、その対策のための機能だと思います。

私が確認した限りでは、「トレンドマイクロ スマートホームネットワーク」を動作させている場合と止めている場合でルーターの速度に変化はありませんでした。

ただ今回の設定では、WRC-X3200GST3 の「トレンドマイクロ スマートホームネットワーク」を止めて検証しています。

TrendMicro_SmartHomeNetwork

👉 「トレンドマイクロ スマートホームネットワーク」について補足すると、
2024 年 3 月時点では WRC-X3200GST3 より高速の 5 機種 、 WRC-XE5400GS-GWRC-X6000XST-GWRC-X6000XS-GWRC-X6000QS-GWRC-X5400GS-B のうち「トレンドマイクロ スマートホームネットワーク」が搭載されているのは 1 機種しかないため、「トレンドマイクロ スマートホームネットワーク」については、ELECOM 自身が必須ではないと判断したのだと思います。

補足2:ルーターでなく、アクセスポイントとして使用すると?

アクセスポイントとして使用しても、速度の向上はありませんでした。

アクセスポイントとして使用している時は、 Wireless Network WatcherAdvanced IP Scanner を使って WRC-X3200GST3 の IP アドレスを確認し、ブラウザでその IP アドレスにアクセスすると設定画面に入れます。

補足3:問題なく使える場合もある

自宅には、元々設置されている回線と、追加で設置した回線があるため、それぞれで WRC-X3200GST3 を接続してみたところ、追加で設置したフレッツ光では問題は発生しませんでした。

フレッツ光の RX-600MI に接続した場合は、設定の保存に失敗することもなく ✅、Wi-Fi が指定したチャネル以外に変更されることも、上流回線を詰まらせることもありませんでした ✅。

しかし、特定の環境でのみサボタージュ的な状況が発生するため、2010 年にイランの核施設を狙って使われた Stuxnet や、ポーランドで Newag 社製の列車の多くが走行不能になった件を思い出しました。😵

補足4:多重 NAT も IPv6 も原因ではなかった 🤔

WRC-X3200GST3 がサボタージュ活動を行う回線は以下の通り

WRC-X3200GST3 が問題なく動作する回線は以下の通り

  • 1 重 NAT (フレッツ光のルーターのみ)
  • IPv6 の通信可 ✅
  • 最高速度 1Gbps
  • フレッツ光

そこで、両者が同じような環境になるように、フレッツ光側に以下の設定を追加してみました。

  • フレッツ光側のルーター (RX-600MI) の後ろに 2 つのルーターを追加して、3 重 NAT に (👉 その後ろに WRC-X3200GST3 を接続)
  • フレッツ光の IPv6 通信を停止

それでも、フレッツ光の回線で WRC-X3200GST3 は問題なく動作しています。

補足5:正常に動作しているように見えて、他の Wi-Fi のジャマーとなっている時がある 😵

上記補足3で「問題なく使える場合もある」と書きましたが、そんなことはありませんでした。

家族から「他の部屋での Wi-Fi の繋がりが悪くなった」と言われます。😵

確かに、 WRC-X3200GST3 の近くでは他の Wi-Fi の使用で異常を感じることはなかったのですが、少し(4m 以上)離れると、Wi-Fi の繋がりが悪くなります。

inSSIDer 3.1.2.1 を見ていても、 WRC-X3200GST3 の設定変更時に、周囲の全ての SSID の電波が途絶えてしまう期間が発生することがあるため、 WRC-X3200GST3 は電波法で定められた出力を超えて電波を送信しているのではないかと思います。

他の機種では体験したことのないトラブルがこれだけ続くと、前モデル (WRC-X3000GS) と同様に、ファームウェアの更新では解決できない問題を、部品や実装に抱えているのだろうと思います。
(👉 前モデルに対する価格.com での評価を読んでみても、ELECOM 社は「設計」という抽象的なことができない会社なのではないかと感じます。)

このジャマー機能について考えると、隣家で Wi-Fi の使用ができなくなる可能性があるため、 WRC-X3200GST3 の利用は停止し、リコール対象になるのを待つことにしました。

航空レーダーや気象レーダーに干渉する可能性のある地域では、この機種は使うべきではないですね。😵

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