はじめに:なぜこの違いを知る必要があるの?
最近、ビジネスの現場で「Data Lake(データレイク)」や「Data Warehouse(データウェアハウス)」という言葉をよく聞きますよね。
「どっちもデータを貯める場所みたいだけど、一体何が違うの?」「結局、どっちを使えばいいの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
本記事ではData LakeとData Warehouseについてイメージしやすい例え話で解説してみたいと思います。
結論から言うと、両者の役割は全く違います。 例えるなら、“とりあえず全部入れる倉庫”と“きれいに整頓された図書館”くらい違います。
1. Data Lake(データレイク)=「何でも入れられる湖」
データレイクは、いろんな種類のデータをそのまま(生データ) 貯めておける、広大な場所です。
湖の中に魚や石、木の葉、泥など、様々なものが混ざって入っている状態をイメージしてください。つまり、整理されていない生データ(Raw Data) を、将来の分析に備えてまるごと保存します。
✨データレイクの主な特徴
- データの状態:生のまま(未整理)。手は加えていません。
 - データ形式:自由自在! CSV、JSON、画像、動画、ログ、音声など、何でもOK。
 - 主な目的:とりあえず全部放り込んで保存。将来的な機械学習(AI) や新しい探索的な分析のために生データ(Raw Data)をためしておくのが目的。
 - 処理タイミング:後で必要な時に取り出して整理(ELTアプローチ)。
 - よく使われる技術:AWS S3、Azure Data Lake Storage、Google Cloud Storage など。
 
例え話
「とりあえず全部の資料を箱に入れておく倉庫」。必要なものが決まっていないけど、将来のためにとっておく場所です。後から「こんな分析がしたい!」となったとき、元々の生データがあるから対応できます。
2. Data Warehouse(データウェアハウス)=「整理整頓された資料室」
データウェアハウスは、すでに整理・整形・加工されたデータを保存し、すぐに分析できる状態にしておく場所です。
会社の資料室で「売上」「顧客」「商品」といったフォルダにきれいに分けて、分類されて並んでいる書類棚をイメージしてください。すぐに目的の資料が見つかり、ビジネスで使える状態になっています。
✨ データウェアハウスの主な特徴
- データの状態:加工済み(整理済み)。すぐに分析できるようになっています。
 - データ形式:表形式(構造化データ)のみ。分析ツールで扱いやすい形式に統一されています。
 - 主な目的:日々の売上分析や定型レポート作成など、ビジネスの意思決定を迅速かつ正確に行うこと。
 - 処理タイミング:事前にデータを整理・変換してから格納(ETLアプローチ)。
 - よく使われる技術:Snowflake、Google BigQuery、Amazon Redshift など。
 
例え話
「きちんと分類されて並んでいる書類棚」。すぐに目的の資料を見つけて、BIツール(Tableau, Power BIなど)で分析・報告に使えます。データが整理されているので、結果の信頼性が高いのが特徴です。
3. 違いまとめ:一目でわかる比較表
迷ったらこの表を見れば全てが分かります!
| 項目 | Data Lake | Data Warehouse | 
|---|---|---|
| データの状態 | 生のまま(未整理) | 加工済み(整理済み) | 
| データ形式 | 何でもOK(構造化・非構造化) | 表形式(構造化) | 
| 主な目的 | 保存・探索・機械学習 | 分析・レポート・意思決定 | 
| 処理タイミング | 後で整理する(ELT) | 事前に整理してから入れる(ETL) | 
| 例えると | 何でも入る湖(とりあえず倉庫) | 整理された資料室(書類棚) | 
4. 一言でまとめると&使い分けのヒント
最後に、それぞれの役割をもう一度確認しましょう!
💬 Data Lake は 「とりあえず全部集めて後で考える場所」
💬 Data Warehouse は 「すぐに分析できるように整理した場所」
結局、どう使い分けるの?
目的が次のどちらに近いかで判断できます。
- 
新しい取り組みに挑戦したい、将来の分析やAI/機械学習に備えたい
➡ Data Lake を活用するのが適しています。 - 
現在の状況を正確に把握したい、日々のレポートをすぐに出したい、意思決定をスピードアップしたい
➡ Data Warehouse が活躍します。