この記事は AIHubMix が作成しました。内容は2026年10月27日時点の情報です。料金は OpenAI のモデルページと AIHubMix の料金設定から、AIHubMix での挙動は同日の確認から取っています。試算は前提を本文に書いています。
GPT-6.1 Terra は2026年10月26日に公開され、料金は100万トークンあたり入力 $1.00、出力 $5.00です。1つ前の GPT-5.6 Terra の出力は $12.00 でした。AIHubMix は OpenAI と同じレートで gpt-6.1-terra として提供しています。単価だけを見れば安いのですが、実際の請求を決めるのは単価ではありません。その上に3つの仕組みが乗ります。思考トークンが出力として課金されること、入力が272,000トークンを超えるとリクエスト全体が値付けし直されること、キャッシュに載ったプレフィックスが入力の5%・書き込み125%で課金されることの3つです。うち2つは、レスポンスの usage オブジェクトを見ないと分かりません。
TL;DR
- 月1万リクエストのサポート業務を Terra のデフォルト(medium)で回すと、キャッシュ書き込みを除いて $91.25。うち $75 が出力で、82%を占めます。
- 入力が100万トークンあたり $1.00(GPT-5.6 Terra の $2 の半額)でも、請求が集まるのは入力ではありません。
- 請求を最も動かすのは料金表に載っていない設定、effort です。max にすると同じワークロードが $453.75、medium の約5倍になります。
- 入力が272,000トークンを超えると、リクエスト全体が長文コンテキスト料金で計算し直されます。270,000入力+20,000出力の $0.37 が、300,000入力では $0.75。入力11%増で2倍です。
- キャッシュ読みは入力の5%、書き込みは30分で125%、12時間で250%。書き込みは割増ではなく合計レートで、入力トークンは通常入力・読み取り・書き込みのどれか1回だけ課金されます。
- キャッシュが効かないと月 $115。キャッシュの価値は $23.75 で、その請求の約2割です。
- Chat Completions と Responses はゲートウェイでキャッシュを共有しません。同じプレフィックスに2回払うことがあります。
- Batch は AIHubMix では使えません(
GET /v1/batchesは404)。Flex / priority の課金レート、12時間キャッシュの $2.50 という単価は未確認です。
前提
-
AIHUBMIX_API_KEYに AIHubMix のキー、OpenAI Python SDK のbase_urlはhttps://aihubmix.com/v1。 - Responses API を使います。Terra の effort 設定は AIHubMix 経由ではこのルートでしか効かず(根拠は後述のハマりどころ)、12時間のキャッシュ寿命も Responses だけで有効です。
- キャッシュを使うなら1,024トークン以上の安定したプレフィックスが必要です。それ未満ではキャッシュのエントリが作られません。
- 通常料金で使うなら入力は272,000トークン未満。Terra は1,050,000トークンのコンテキスト内で最大922,000トークンの入力を受け付けますが、272Kを超えると請求が上がります。
適用される料金
100万トークンあたりの米ドル建て、OpenAI のモデルページより。AIHubMix は Terra について標準の入力・キャッシュ読み・出力しか載せておらず、キャッシュ書き込みと長文コンテキストの行はありません。キャッシュのドキュメントも書き込みを1.25倍の1本で示しているため、12時間の割増は公開されていません。
| トークンの種類 | 入力272Kまで | 入力272K超 |
|---|---|---|
| 入力 | $1.00 | $2.00 |
| キャッシュ入力(読み取り) | $0.05 | $0.10 |
| キャッシュ書き込み(30分) | $1.25 | $2.50 |
| キャッシュ書き込み(12時間) | $2.50 | $5.00 |
| 出力 | $5.00 | $7.50 |
この表には注意書きが2つ付きます。272K超の列は AIHubMix の料金行から取ったものではなく、OpenAI が規則として示している「入力とキャッシュのレートを2倍、出力を1.5倍にして、リクエスト全体に適用する」を当てはめた値です(12時間の書き込みは $5.00)。AIHubMix は Terra の長文コンテキストの行を公開しておらず、272K超でゲートウェイが何を請求するかは未確認です。そして12時間の書き込みレートは OpenAI のもので、AIHubMix の料金設定はキャッシュ書き込みを入力の1.25倍の1本で持っているため、ゲートウェイで12時間の割増がかかるかは確認できていません。
書き込みレートは割増ではなく合計レートとして読んでください。OpenAI のプロンプトキャッシュのガイドによると、入力トークンは通常入力・読み取り・書き込みのいずれかとして、ちょうど1回だけ課金されます。
OpenAI はこのほか Batch と Flex を5割引、Fast モードを2倍、リージョン処理を+10%で売っています。これは OpenAI の条件で、ゲートウェイでどこまで生きるかは「ゲートウェイでは確認できないこと」で扱います。
リクエストのどこにお金がかかるか
思考は出力です。 8,000トークン思考したあとに2,000トークンの回答を返す呼び出しは、10,000出力トークンとして課金されます。レスポンス本文はコストの指標になりません。見るべきは output_tokens_details.reasoning_tokens です。
272K は崖であって、なだらかな帯ではありません。 リクエスト内の入力トークンがすべて2倍になり、出力トークンも50%上がります。線を超えた分だけでなく、線より下のトークンも含めた全体が対象です。キャッシュなし、出力20,000トークンで比べます。
| リクエスト | 入力コスト | 出力コスト | 合計 |
|---|---|---|---|
| 入力270,000、出力20,000 | $0.27 | $0.10 | $0.37 |
| 入力300,000、出力20,000 | $0.60 | $0.15 | $0.75 |
入力が11%増えただけで請求はほぼ2倍です。必要に応じてチャンクを足していく検索ステップがあると、トラフィックの一部はこの境界の反対側に落ちます。そのリクエストは、境界のすぐ下にある同じリクエストの約2倍の費用になります。
キャッシュ書き込みは課金で、ルートを変えるともう1回。 プレフィックスの書き込みは、デフォルトの30分で入力の1.25倍、12時間で2.5倍。読み取りはどちらの寿命を選んでも0.05倍です。AIHubMix の確認では、9,623トークンの developer プレフィックスを最初の Responses 呼び出しで書き込み、2回目と3回目で読み取りました。ところが同じプレフィックスを直後に Chat Completions へ送ると、ヒットせずに書き込み直しになりました。ゲートウェイでは Chat Completions と Responses がキャッシュを別々に持つので、両方を混ぜたトラフィックは同じプレフィックスに2回払います。
月1万リクエストの試算
ワークロードは次のとおりです。各リクエストは2,500トークンの安定したプレフィックス(キャッシュにヒット)を持ち、1,500トークンの新規入力を足し、medium effort で思考込み1,500トークンの出力を返します。すべてのリクエストは272K未満です。キャッシュ書き込みは合計に含めず、別に扱います。
1か月で、キャッシュ25M、新規入力15M、出力15Mトークンになります。
| 項目 | トークン | 100万あたり | コスト |
|---|---|---|---|
| キャッシュ入力 | 25M | $0.05 | $1.25 |
| 新規入力 | 15M | $1.00 | $15.00 |
| 出力(medium) | 15M | $5.00 | $75.00 |
| 合計(medium) | $91.25 |
このプレフィックスサイズでは、書き込みは誤差です。2,500トークンを $0.05 ではなく $1.25/100万で請求されるので、1回あたり約 $0.003 増えるだけです。
2つの変種でリスクを金額にしてみます。プレフィックスが一度もヒットしない場合 — リクエストごとに内容が変わる、あるいはトラフィックがルートで分かれる — は、40Mの入力トークンすべてが $1 で課金され、入力+出力は $115 になります。キャッシュの価値は月 $23.75、その請求の約5分の1です。同じトラフィックを max effort で回す場合は、Artificial Analysis が測った「max で1タスク約35,000出力トークン、medium で6,000」(5.8倍)を使うと、1,500出力トークンが1リクエスト8,750、月で87.5Mになります。出力が $437.50、月合計は $453.75 で、medium の約5倍です。キャッシュを失うと請求の5分の1、max で回すと5倍。どちらも設定1つの違いですが、効き方が違います。
タスクあたりでは、同じトークン数なら Terra が $0.0091、GPT-6.1 Sol と Claude Sonnet 5.5 が $0.0183、GPT-5.6 Terra が $0.0215です。実測では、Artificial Analysis が Terra の medium を Intelligence Index で1タスク $0.10、max で $0.40、Sol の xhigh をより高いスコアで $0.39、Sonnet 5.5 の max を $5.46(1タスクあたり約197,000出力トークン)としています。
usage のフィールドを記録する
サンプルは OpenAI SDK を AIHubMix の Responses エンドポイントに向け、effort を設定し、prompt_cache_options を extra_body で渡し、レスポンスを標準料金で値付けします。設定そのものは AIHubMix の Responses API ドキュメント、ゲートウェイのキャッシュ挙動はキャッシュのドキュメントにあります。
import os
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
base_url="https://aihubmix.com/v1",
api_key=os.environ["AIHUBMIX_API_KEY"],
)
# Keep this identical across requests so it can be cached (1,024+ tokens).
STABLE_PREFIX = open("support_rules.txt").read()
# Terra standard rates, USD per 1M tokens, input up to 272K.
PRICE = {"input": 1.00, "cached": 0.05, "write_30m": 1.25,
"write_12h": 2.50, "output": 5.00}
resp = client.responses.create(
model="gpt-6.1-terra",
reasoning={"effort": "low"}, # none, low, medium, high, xhigh, max
input=[
{"role": "developer", "content": STABLE_PREFIX},
{"role": "user", "content": "Classify this ticket: refund not received."},
],
extra_body={"prompt_cache_options": {"ttl": "30m"}}, # or "12h"
)
u = resp.usage.model_dump()
inp = u["input_tokens_details"]
cached = inp.get("cached_tokens", 0)
writes = inp.get("cache_write_tokens", 0)
by_ttl = inp.get("cache_write_tokens_details") or {}
w12 = by_ttl.get("ttl_12h_tokens", 0)
w30 = writes - w12
ordinary = u["input_tokens"] - cached - writes
reasoning = u["output_tokens_details"].get("reasoning_tokens", 0)
cost = (ordinary * PRICE["input"] + cached * PRICE["cached"]
+ w30 * PRICE["write_30m"] + w12 * PRICE["write_12h"]
+ u["output_tokens"] * PRICE["output"]) / 1_000_000
print(f"input={u['input_tokens']} cached={cached} writes={writes} (12h={w12})")
print(f"output={u['output_tokens']} reasoning={reasoning}")
print(f"estimated cost=${cost:.6f}")
通常入力は input_tokens から cached_tokens と cache_write_tokens を引いたものです。書き込みの合計を、その内訳の上にさらに足さないでください。入力が272,000トークンを超える場合は、長文コンテキストのレートに差し替えます。入力 $2、キャッシュ読み $0.10、30分の書き込み $2.50、12時間の書き込み $5、出力 $7.50です。
ハマりどころ
Chat Completions では effort が何も変えない
Responses では、素数の和を求めるプロンプトが effort none で72出力トークン、max で1,153トークン(うち1,078が思考)を返しました。Chat Completions では同じテストで reasoning_effort を変えても一貫した差は出ず(none でも max でも reasoning トークンは200〜300程度で、実行ごとにばらつきました)、このルートは固定の effort で動いているように見えます。調整したいリクエストは Responses に送ってください。
思考を切っても安くなるとは限らない
Artificial Analysis の計測では、思考なしの Terra が1タスク $0.11・スコア33、medium が $0.10・スコア41でした。none が安いと決めつける前に、自分のプロンプトで品質と費用を測る必要があります。
安定して見えるキャッシュプレフィックスが安定していない
可変部分より前に入る編集(タイムスタンプ、ツール一覧の並べ替えなど)は、エントリを無効にして、もう1回の書き込みを課金します。システムプロンプト、ツール定義、参照資料を先頭に固定の順序で置き、リクエストごとの内容はその後ろに置いてください。1,024トークンの下限は変わりません。
explicit モードでブレークポイントを付けないと何もキャッシュされない
prompt_cache_options.mode を "explicit" にすると、マークしたブレークポイントだけが書き込まれ、最後のブレークポイントより後ろは書き込み課金のない通常入力になります。AIHubMix の確認では、このモードのリクエストは何も書き込みませんでした。ブレークポイントを付けるか、モードは automatic のままにしてください。
キャッシュの寿命を計算ではなく習慣で選ぶ
30分の書き込みはプレフィックス100万トークンあたり $1.25、12時間は $2.50、読み取りはどちらも $0.05です。12時間以内に30分の書き込みが3回($3.75)あると、12時間の書き込み1回より高くつきます。2回なら損益分岐で、30分のエントリを生かし続けられる安定したトラフィックは30分のままで構いません。AIHubMix は Terra で12時間の設定を確認しています。9,020トークンのプレフィックスが最初の呼び出しで ttl_12h_tokens として書き込まれ、2回目の呼び出しはそのうち9,007トークンを読み取りました。ただし請求される書き込みレートは、上で触れた1.25倍1本のままの可能性があります。
会話の途中でリクエストのフィールドから effort を上げる
OpenAI の GPT-6 モデルガイドは、リクエスト単位の effort は固定したまま、configuration_update の入力アイテムを足して変えることを勧めています。AIHubMix の10月27日の確認では、Terra でもこれが受理されました(200)。
ゲートウェイでは確認できないこと
この記事で扱ううち3つは OpenAI の条件で、ゲートウェイの挙動として確認したものではありません。請求を見積もるなら、この差は効いてきます。
Batch は OpenAI だけのものです。10月27日の AIHubMix の確認で GET /v1/batches は404を返したので、Batch の5割引はそもそも使えません。Flex は話が別で、service_tier の "flex" は受理されて "flex" のまま返り、"priority" は受理されて "fast" として返りました(OpenAI の2倍の Fast モード)。ただし AIHubMix の Terra の料金表は標準の行しか出していないため、どちらのレートで請求されるかは未確認です。割引を前提にせず、usage ログを読んでください。12時間キャッシュ書き込みの割増が3つ目です。OpenAI は $2.50 対 $1.25 としていますが、AIHubMix の料金設定は1.25倍の1本なので、12時間の書き込みも30分と同じ単価で請求される可能性があります。272K超の12時間の欄は $5.00 で、これは OpenAI の2倍の規則を当てはめた値です。AIHubMix は Terra の長文コンテキストの行を公開していません。OpenAI は長いコンテキスト向けのコンパクション機能も文書化していますが、AIHubMix は Terra で確認していません。
まとめ
- Terra の料金は100万トークンあたり入力 $1.00、出力 $5.00(272Kまで)。AIHubMix も同じレートです。
- 月1万リクエストの試算は $91.25 で、その82%が出力。最大の変数は effort です。
- 272Kを超えるとリクエスト全体が計算し直され、請求は約2倍になります。
- キャッシュ読みは入力の5%、書き込みは125%(30分)。書き込みは合計レートで、通常入力の上に足しません。
- Chat Completions と Responses はキャッシュを共有しません。Batch は AIHubMix では使えず、Flex の課金と12時間の割増は未確認です。
試算は自分のトラフィックで確かめるのがいちばんです。AIHubMix の GPT-6.1 Terra のモデルページから同じキーで呼べるので、上のスクリプトを1日走らせれば、usage のどの項目に請求が寄っているかがそのまま見えます。
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参考
- GPT-6.1 Terra モデルページ(OpenAI)
- Prompt caching(OpenAI)
- GPT-6.1 Terra(AIHubMix)
- GPT-6.1 Terra pushes the cost-efficiency frontier(Artificial Analysis)
- GPT-6.1 Terra: Benchmarks, Pricing, Specs, and How It Compares(Kingy AI)