この記事は AIHubMix が作成しました。料金と仕様は2026年10月27日時点の情報で、AIHubMix での実測も同日に行ったものです。ベンチマークはすべて OpenAI の発表資料にもとづく自己申告値で、第三者による再現はありません。
TL;DR
- GPT-6.1 Terra は2026年10月26日に公開されました。100万トークンあたり入力 $1.00、出力 $5.00 で、GPT-5.6 Terra の $2.00 / $12.00 から下がっています。
- 既存の連携で必要な変更は、たいていモデル ID を
gpt-6.1-terraにすることだけです。コンテキスト長、effort の段階、入力の種類は変わりません。 - 変わるのは請求額と、リクエスト時に大きな音を立てて失敗するか、本番で静かにお金を食う3点です。sampling パラメータ、ツール呼び出しのエンドポイント、272,000トークンの境界線です。
- 請求書抽出を10,000件処理する仕事は、同じトークン数なら $215.00 から $91.25 になります(試算)。
- ただし effort を medium から max に上げると出力トークンが数倍に増え、値下げ分は簡単に消えます。
変わらないもの、変わったもの
| 項目 | GPT-5.6 Terra | GPT-6.1 Terra |
|---|---|---|
| コンテキスト長 | 1,050,000トークン | 1,050,000トークン |
| 入力 / 出力の上限 | 922,000 / 128,000 | 922,000 / 128,000 |
| reasoning の effort | none、low、medium、high、xhigh、max | none、low、medium、high、xhigh、max |
| デフォルトの effort | medium | medium |
| 入出力の種類 | テキストと画像を入力、テキストを出力 | テキストと画像を入力、テキストを出力 |
| ロングコンテキストのしきい値 | 入力272,000トークン | 入力272,000トークン |
| 学習データの締め | 2026年2月16日 | 2026年6月1日 |
表の外にも、中立的でない変更が2つあります。学習データの締めが前に進んだので、2026年2月から6月のあいだの日付について検索で補っていた処理は、その足場を外して再テストできます。もう1つは、OpenAI がこのモデルのツール呼び出しを Responses API でのみ文書化していることです。Chat Completions 経由で出しているツール呼び出しは移す必要があります(モデルページ)。
料金
100万トークンあたりの標準料金です。入力が272Kトークンまでのリクエストが対象で、OpenAI のモデルページと料金表によります。AIHubMix も4モデルとも同じ料金です。
| モデル | 入力 | キャッシュ入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
| GPT-5.6 Terra | $2.00 | $0.20 | $12.00 |
| GPT-6.1 Terra | $1.00 | $0.05 | $5.00 |
| GPT-6.1 Sol | $2.00 | $0.10 | $10.00 |
| GPT-6 Astra | $10.00 | $1.00 | $50.00 |
入力は従来の半額、出力は約58%安く、OpenAI のローンチ記事にある「50% lower」より下げ幅は大きくなっています。キャッシュ入力は4分の1になりました。デフォルトの30分の保持期間でのキャッシュ書き込みは100万トークンあたり $1.25 で、入力の1.25倍です。
1つのワークロードでいくらになるか
コストを1つ計算します。文書パイプラインで、請求書抽出のリクエストを10,000件送る仕事です。各リクエストは、毎回同じ2,500トークンのプロンプト(指示とスキーマで、最初の1回以降はキャッシュ)、ページ画像とテキストの新規入力1,500トークン、reasoning を含む出力1,500トークンで構成されます。合計は新規入力15M、キャッシュ入力25M、出力15Mです。
| モデル | 新規入力 | キャッシュ入力 | 出力 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| GPT-5.6 Terra | $30.00 | $5.00 | $180.00 | $215.00 |
| GPT-6.1 Terra | $15.00 | $1.25 | $75.00 | $91.25 |
| GPT-6.1 Sol | $30.00 | $2.50 | $150.00 | $182.50 |
これは同じトークン数で計算した試算で、実測ではありません。キャッシュ書き込みは除いています。プロンプトは30分の枠ごとに1回書き換わり、2,500トークンの書き込みは1セント未満だからです。どの行でも出力が総額の大半を占めます。だからこそ、見出しの入力の値下げより出力単価のほうが効いてきます。
効いてくるのは effort で、料金ではない
上の試算は、両方のモデルが同じトークン数を消費するという前提に立っています。実際はそうなりません。Artificial Analysis(AA)は GPT-6.1 Terra を、medium で1タスクあたり約6k、max で約35kの出力トークンと測っています(AA のレポート)。medium から max に移すパイプラインは出力の請求額が数倍になり、これが値下げを失ういちばん簡単な道です。
同じレポートは、low と medium を AA のコスト効率のフロンティアに置いています。medium では指数スコア41で1タスク $0.10、max では48で $0.40 です。max は4倍の金額でより高いスコアを買う形になります。
ベンチマークの数字が主張していること
以下の数字はすべて OpenAI 自身のもので、ローンチ時のチャートを Kingy AI が文字に起こしたものから取っています。独立に再現されたものはありません。
| ベンチマーク | effort | GPT-5.6 Terra | GPT-6.1 Terra |
|---|---|---|---|
| Agents' Last Exam v1 | medium | 42.6% | 57.6% |
| Agents' Last Exam v1 | max | 50.7% | 60.0% |
| MMMU-Pro | max | 81.7% | 85.5% |
| OSWorld 2.1 offline | max | 57.1% | 74.2% |
| Terminal-Bench 4.0 | max | 21.5% | 50.3% |
| 事実誤認、難しいプロンプト | low | 53.6% | 16.7% |
| 事実誤認、難しいプロンプト | max | 22.3% | 4.3% |
事実誤認の2行以外は、高いほうが良い数字です。effort の列はスコアと同じくらい重要です。MMMU-Pro では新しいモデルが medium で84.6%に達し、すでに旧モデルの max を上回っています。OSWorld では medium で66.7%で、旧モデルの max の57.1%に対してです。事実誤認のセットは利用者が報告したプロンプトから作られており、システムカードはこの割合を本番のエラー率として読まないよう注意しています。
HealthBench の2つのサブセットは逆方向でした。Professional は57.7から62.7に上がった一方、HealthBench は57.0から55.1に、HealthBench Hard は32.7から31.4に下がっています。
AA の独立した実行も方向は一致しており、抽出の仕事で重要な数字を加えています。ハルシネーションの指標は88%から38%に下がり、正確さは47%から49%にしか動いていません。正解ではない回答のうち、自信のある誤りではなく回答の保留が大幅に増えた、ということです。
ハマりどころ
reasoning を有効にすると sampling パラメータが400エラーになる
none 以外の effort では、OpenAI の移行ガイドが temperature、top_p、top_logprobs を外すよう指示しています。Responses API はこのリクエストを拒否します。temperature を固定値で書いているクライアントは、effort を設定した瞬間に400を受けます。対策は effort で分岐するか、temperature に依存するプロンプトでは effort を none に固定して、reasoning が弱くなることを受け入れることです。
ツール呼び出しが間違ったエンドポイントにある
ツール呼び出しは Responses API でのみ文書化されています。Chat Completions の function calling のループは、2番目に監査すべき箇所です。Terra に向ける前に、ループを Responses に移してください。
272K のラインを静かに超える
入力が272,000トークンを超えると、リクエスト全体が入力とキャッシュの2倍、出力の1.5倍で課金されます。1.05M のウィンドウは使えますが、見出しの料金では使えません。長い文書を扱う経路がこれを静かに超えると、入力とキャッシュで2倍、出力で1.5倍を払うことになります。ただし AIHubMix の Terra ページに載っているのは $1 / $0.05 / $5 の標準料金だけで、ロングコンテキストの行がないため、AIHubMix で272Kを超えた場合の請求額は未確認です。対策は、エンドポイントごとに入力長の分布の裾を測ることで、平均を見ることではありません。
Batch と Flex の割引は AIHubMix では使えない
4つ目は不具合ではなく、予算の罠です。OpenAI の Batch と Flex の処理は50%引き、Fast モードは2倍の料金ですが、いずれも OpenAI の提供です。AIHubMix は OpenAI の Batch API を提供しておらず、Terra の料金表も標準料金のみなので、AIHubMix では標準料金で計画してください。
乗り換えると悪くなる場面
安いトークンは、安い仕事ではありません。Terminal-Bench 4.0 では、Sol の medium が1タスク約 $1.02 で52.7%、Terra の max が $1.84 で50.3%です。OSWorld 2.1 の max では、1タスクあたり Terra が $1.19、Sol が $1.15 です。AA の指数では、Terra の max と Sol の medium がどちらも48で、$0.40 と $0.21 です。max でしか合格しない仕事なら、移行前に Sol の medium と比べてください。
システムカードは、エージェントを切り替える前にテストすべき、費用以外の理由を加えています。警告の遵守を測る統制されたテストで、Terra の max は29.6%のロールアウトで示された制限を回避しました。仲間のエージェントを装った相手からのメッセージでは、13.75%(80件中11件)で許可のない操作を行い、Sol は1.25%でした(システムカード)。
動くリクエスト
AIHubMix が10月27日に行った確認では、gpt-6.1-terra は Chat Completions、Responses、Anthropic Messages で応答し、料金は OpenAI の標準料金と同じでした(モデルページ)。Responses を選ぶ理由は reasoning の effort です。6段階すべてが受理され、none から max に移すと、あるプロンプトの reasoning トークンが0から1,078に増えました。試した小さなプロンプトでは、Chat Completions の reasoning_effort に一貫した違いは見られませんでした(none でも max でも reasoning トークンは200〜300程度で、実行ごとにばらつきました)。コストを動かすつまみとしては信用しないでください。
import os
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
api_key=os.environ["AIHUBMIX_API_KEY"],
base_url="https://aihubmix.com/v1",
)
response = client.responses.create(
model="gpt-6.1-terra",
reasoning={"effort": "medium"},
input=[{
"role": "user",
"content": [
{"type": "input_text", "text": "Return the invoice number, date and total as JSON."},
{"type": "input_image", "image_url": "data:image/png;base64,<your-image>"},
],
}],
)
print(response.output_text)
エンドポイントの詳細は AIHubMix の Responses API ドキュメント にあります。
検証できること、できないこと
10月27日に実測したのは次の点です。上の3つのエンドポイントが応答すること、6段階の effort が Responses で受理されること、none から max にすると使ったプロンプトで reasoning トークンが増えること、料金が OpenAI の標準価格表と一致すること。上のリクエストから再現できます。
ベンダー申告で、ここでは再現していないもの。この記事のベンチマークはすべて、Kingy AI が文字に起こした OpenAI のローンチ時のチャートか、システムカードによるものです。改善の方向は AA の独立した実行と一致しますが、数字は違います。AA は Terminal-Bench 4.0 を mini-swe-agent で66タスク実行し、GPT-5.6 Terra が35.4%、GPT-6.1 Terra が55.6%でした。OpenAI の21.5%と50.3%とは異なります。
どれにも当てはまらないもの。あなたのトークン数です。effort を medium にして自分のタスクセットを流し、トークンあたりのコストではなく、合格した結果1件あたりのコストで比べてください。
まとめ
- 移行はモデル ID を
gpt-6.1-terraに変えるだけです。コンテキスト長、effort の段階、入出力の種類は同じです。 - 料金は入力が半額、出力が約58%安く、キャッシュ入力は4分の1です。請求書抽出の試算は $215.00 から $91.25 になります。
- 壊れる箇所は3つです。none 以外の effort での sampling パラメータ、Chat Completions のツール呼び出し、272,000トークンの境界線です。
- 値下げを失ういちばん簡単な道は、effort を上げることです。1タスクあたりの出力は medium で約6k、max で約35kになります。
- max でしか通らない仕事は、Terra の max ではなく Sol の medium と比べてください。
AIHubMix では1つのキーで両方のモデルを呼び比べられます。AIHubMix の GPT-6.1 Terra モデルページから試せます。
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参考
- OpenAI: Introducing GPT-6.1 Terra(OpenAI)
- GPT-6.1 Terra モデルページ(OpenAI)
- GPT-6.1 Terra API(AIHubMix)
- GPT-6.1 Terra benchmarks, pricing, specs, and how it compares(Kingy AI)
- GPT-6.1 Terra pushes the cost-efficiency frontier(Artificial Analysis)