過日…と言いつつ、なんだかんだで1年位前になってしまうのですが、LinuC 101を受験しました。
そのときに実践した学習法をメモしており、折角なので備忘として残します。
この記事は何でないか
- バイブル。
- あくまで普通に覚えようとしたうえで、こんがらがっている部分・ミスしやすい部分はこうやって整理したよという記事です。
ふつうの方法である程度理解できていることが前提になります。
先ずはPing-Tや参考書を片手にターミナルを叩きましょう。
- あくまで普通に覚えようとしたうえで、こんがらがっている部分・ミスしやすい部分はこうやって整理したよという記事です。
- "正しい"説明。
- この記事に書いてあることの一部はこじつけや語呂合わせです。
要は算数でいったら「みはじ」、理科で言ったら「右ねじの法則」です。
ひとまず覚えて使えたもん勝ちという思想で書いているので、ご了承ください。
- この記事に書いてあることの一部はこじつけや語呂合わせです。
全体で意識しておきたいこと
事前の対策系
- 手を動かして覚える。Linux環境を用意する。下記のような選択肢が取れる。
- 持ち運べるノートパソコンに、デスクトップLinuxの直接導入。Windowsと共存させたければWubiUEFI使って入れるも吉。
- クラウド環境、仮想化環境など。
- Windows上のWSL2環境。ただし標準状態ではsystemd周りのコマンドが使えないので対策が必要→WSL2でsystemctlを使う方法 #Windows - Qiita
- メインがDebian系の場合、仮想環境でもいいのでRedHat系にも触れる環境を用意する。逆もしかり。
- わからないコマンド・オプション等があったら
man コマンド名を叩く。
問題演習で間違えたときもman コマンド名を叩く。
メリットは以下のとおり:- 一次情報であり、当然よくまとまっている。
-
manコマンド自体も101試験の出題範囲である。 -
manはlessページャを使って表示されるが、lessのページ・カーソル移動や検索の操作はほぼviと同じ。manを引いて使うことがviの操作を覚えることにも繋がる。 - とはいえ英語で読みづらい、というひとはmanを日本語化するをしちゃいましょう(私はしてない)1
- 長い方のオプションも覚える。
- コマンドによっては
-lと--listのように、長短両方のオプションが使えるものがある。 - ロングオプションが問われることは体感少ないが、その頭文字などがショートオプションの語源になっていたりするので、覚えておくとその単語の意味が字引になってショートオプションも覚えやすくなる
- ただし大文字・小文字は覚えなくちゃならないし、例外も有り(
tarのj・Jとかdpkgの-Cとか……) それらは意識して叩き込む
- ただし大文字・小文字は覚えなくちゃならないし、例外も有り(
- コマンドによっては
- 勉強に疲れたらシス管系女子を読め 疲れてなくても適宜シス管系女子を読め (ステマ)
- コマンド一個一個の役割をキャラクター化したり、実用例を紹介したり、イメージとして覚えるのには非常にこころづよい。
- なにより面白くてかつ力になる。ビスコか?
- LinuC 101の試験範囲にあたる部分は、日経XTECHでのよりぬき無料公開と特別編 シス管系女子BEGINSだけでもだいぶカバーできる
- いいと思ったら単行本を買おう
本番のやらかし系
- typo
隣のキー叩いちゃうとか。とくにテストセンターで受ける場合、慣れないキーボードなのでいつも以上に注意すること。 -
含まれない行を抽出、正しくないものを選ぶ とかの見落とし
選択肢の選び間違えはもちろん、LinuC 101ではgrep -vの-vなんかを忘れる結果にも繋がる。 - 問題文で指示されたファイル名の指定を忘れる
たとえばchmod 755 hogeまで書かなきゃいけないところを❌chmod 755だけで答えてしまうミス。
chmod・chown・chgrp系、grep系、viの:eとかでやりがち。- 特に普段ファイルのgrepを
cat hoge | grep fugaでやる癖のある人は、grep単独での出題でファイル名を忘れがちになるので注意が必要。
- 特に普段ファイルのgrepを
Linuxのインストールと仮想マシン・コンテナの利用(1.01)
SSH
-
101試験では「設定ファイル・鍵の配置」と「接続手順」の二点を押さえればOK。
- OpenSSHのインストールや設定はLinuC 102の試験範囲となり、101では出ない。
-
ずば抜けて出題されやすい。 しかも初っ端に出題されるのでここで悩むと調子崩す。
- その割に認証周りがヤヤコシイので整理が必要。
-
シス管系女子の公開鍵認証回には目を通しておくべし。
-
検証が2段階あることを押さえ、区別する
① ホスト認証
接続先のサーバが信頼できるか、接続元のクライアントが検証する。
③ ユーザ認証
接続元(クライアント側)のユーザが信頼できるか、接続先のサーバが検証する。 -
整理
下記の表はあくまでLinuC レベル1に必要な理解の整理であり、ファイルの配置と用途に注目しています。認証の仕組み全体を表しておらず、実際の認証の仕組みはもっと複雑です(とくに①ホスト認証)。
詳しく・正しく知りたい方は下記の記事など読まれるといいと思います
SSHの公開鍵認証における良くある誤解の話 #暗号 - Qiitaサーバ
(remotehost)クライアント
(localhost)/etc/ssh/sshd_config 設定ファイル /etc/ssh/ssh_config /etc/ssh以下に自動生成 鍵のありか ssh-keygenで生成サーバの公開鍵 ①ホスト認証
==公開鍵を送信=>~/.ssh/known_hosts
に予め登録された
サーバの公開鍵と
突き合わせる②暗号化通信スタート! ~/.ssh/authorized_keys
に予め登録された
ユーザの公開鍵で検証③ユーザ認証(公開鍵認証)
<==署名を送信===ユーザの秘密鍵を
使って署名をつくる
XサーバとXクライアント
- どっちがどっち?となりがち。
- X転送を使用する場合、遠隔地のマシンでアプリケーション(Xクライアント)を実行し、その出力結果を手元のマシンのXサーバで表示・操作する……というのが主な使用法と思われる。
- この場合、マシンの位置関係が普通のサーバクライアントモデルと違うのでこんがらがる。
- おつかいに例えて理解する
-
シス管系女子のssh回にあるX転送の説明も参照。最初期回なので主人公がCLIアレルギーを発症していてかわいいです
- Wayland絡みの補足は、101試験範囲ではたぶん覚える必要ないです
ファイル・ディレクトリの操作と管理(1.02)
ファイル圧縮・書庫系
Linux初心者の場合は圧縮と書庫(アーカイブ)が分かれていることにまず戸惑うところだろうが、それが理解できていてもテストだとこんがらがる。
問題文冒頭に"gzip形式で圧縮された…"などとあっても、そこを見てgzipコマンドに飛びつかないこと。常にtarコマンドとgzip(gunzip)・bzip2(bunzip2)・xz(unxz)各種の二系統あるという意識が大事。
tarコマンド
- 複数ファイルの集合体=書庫(アーカイブ)の作成・展開を扱うコマンド。
圧縮された書庫(.tar.gzとか)を扱う場合に限り、ついでに圧縮・伸長も扱える。 - オプションは原則下記4点で構成される(欠けていてもOK)。問題文から対応する条件を読み取って機械的に組み合わせる。
なお下記表では出題範囲外とおぼしきものを省いている。実行するアクション(必須) c=--create書庫作成/t=--list内容表示/x=--extract展開圧縮形式の指定 z=--gzip/j=--bzip2/J=--xz書庫ファイル名を指定するか f=--file書庫のファイル名を指定する場合、必須。詳細情報が必要か v=--verbose詳細情報表示 - 上記のなかでロングオプションがイメージに反するものは、下記の語呂合わせで覚えた。
-
t=--listの尻文字だがわかりにくい- 展開の試行ととらえ
testのイメージで覚えることにした
- 展開の試行ととらえ
-
jとJはなんで???としか言いようがない- 「圧縮形式が増えるごとに無理矢理なオプションを当てはめざるを得なくなった」というストーリーを自分の中で勝手につくり、圧縮効率順に
z→j→Jと覚えることにした - 実際の由来は知らん
- ちなみに大文字の
Zはcompressでの圧縮に割り当てられている(拡張子.Zそのままなので一番わかりやすい)が、Linuxではあまり使われないらしく、模擬問題にもなかった為覚える必要なしと判断。
- 「圧縮形式が増えるごとに無理矢理なオプションを当てはめざるを得なくなった」というストーリーを自分の中で勝手につくり、圧縮効率順に
-
- 下記の記事のやり方も参考になりそう
tarコマンドのオプションが覚えられない自分を救いたい よってイメージで脳に刻み込むことにした!
gzip・bzip2・xzコマンド
-
単一ファイルの圧縮・伸長(=解凍)を扱うコマンド。
- "圧縮"の反対語なので"伸長"が適当と思われるが、多くの方には馴染みのない語だろうため、Windows等で俗に使われる "解凍"で理解して良いと思う。
- 間違っても(書庫の)"展開"とは異なる概念なのでそこだけ混同しないように。
- "圧縮"の反対語なので"伸長"が適当と思われるが、多くの方には馴染みのない語だろうため、Windows等で俗に使われる "解凍"で理解して良いと思う。
- 基本的に3コマンドのオプションは共通と思って良さそう。
- オプション無しだとファイルを圧縮する。このとき元ファイルは消える。
-
-d=--decompressファイルを伸長(=解凍)する。このとき元ファイルは消える。 -
-k=--keep無条件で元ファイルが消えない。 -
-c=--stdout圧縮結果の出力先を標準出力に変える。このとき元ファイルは消えない。 -
-r=--recursiveディレクトリを指定すると下位のファイルすべてを処理対象とする。複数の圧縮ファイルができるだけで、書庫としてひとつにはまとまらない。
-
-cのみ直感的でない。これはリダイレクトやパイプラインの一部として使うときに使うので、commandlineの語呂合わせで覚える。- 圧縮前のファイルを残したいとき(
-k=--keepオプションを使わないとき)
gzip -c hoge > hoge.gz- 処理としては`gzip -k hoge と等価
- 展開した出力をtarコマンドとかに渡すとき
gzip -cd hoge.tar.gz | tar -tv- 処理としては
tar -tvf hoge.tar.gzと等価
- 処理としては
- 圧縮前のファイルを残したいとき(
- 伸長(解凍)系コマンド
gunzipとbunzip2は、❌ungzipなどと間違えやすいので注意。
FHS
- Linuxのファイル配置を定めた基準。
- ファイル配置スタンダード(File Haichi Standard)で覚えちゃう。
-
Filesystem Hierarchy Standardの略らしいが如何せん覚えづらいので……
-
GNUとUnixのコマンド(主題1.03)
この単元明らかに分量が多いです。
- コマンド・パイプ・リダイレクトに関する内容
- 正規表現・エディタに関する内容
…に分けて考えたほうがいい気がします。
コマンド
nl・cat
- どちらも行番号をつけて出力することができるが、それぞれ空行の扱いと
-bの意味が違うので注意。空行付番 nl cat 要る nl -b a hoge(-b=--body-numbering [style])cat -n hoge(-n=--number)要らない nl hogeまたはnl -b n hogecat -b hoge(-b=--number-nonblank)
od
- コマンド名自体が直感的ではない。Octal(8進数)Dump が由来らしいが8進数以外も出せるし……
- バイナリを実行せず中身をぶちまけるコマンド、ということでバカっぽいイメージからゴブリンに結びつけ、一人称odの語呂合わせで覚えた。
-
-tオプション指定-
-t c…文字(Character)とエスケープ\で表示。 -
-t o…8進数(Octal)で表示。Octopass(タコ)で覚えた。語源は一緒だし。 -
-t x…16進数(heXadecimal)で表示。heXとだけ覚えておけばよし。
-
sort, join, cut, paste
- パイプラインで絡めて使われることの多いコマンドだが、オプションの語彙が協調性皆無。
- 整理。ショートオプションと頭文字が共通しないロングオプションは省きました
sort join cut paste 区切り文字 -t
(Tabで覚える)-t
(Tabで覚える)-d--delimiter-d--delimitersフィールド
指定-k--key-j
(Joinで覚える)-f--fields- -
テスト対策という意味で考えるなら捨てでもいいと思う。
- そもそも
1.03.2 フィルタを使ったテキストストリームの処理自体が単元重要度3に対してやたらめったら覚えることが多い。下記uniqを絡めたパイプ順序の問題とか、sedやtrの問題とかも出ることを考えると、ここからの出題期待値は0〜2問くらい。
- そもそも
- シス管系女子の中でcutとsortのオプションの比較とかも触れられてるんでご参考に。
uniq
- オプション指定
-
-u=--uniqueユニーク(重複ない行)だけを表示。 -
-d=--repeated重複行だけを表示。Duplicateの語呂合わせで覚える。
-
- 上記のsortと絡めて、順序が聞かれやすそうな気がした。
- sortされていないと正しく重複行を検知できない。よってsort→uniqの順。
- 特定の行をcutで抜き出して比較する場合、先にuniqすると比較したい行が一致していても他の行が違うとユニーク行扱いになってしまう。
$ cat testtable.tsv #1つ目(苗字の行)で比較。なお区切りはタブ文字なので区切り指定は不要 田中 洗濯機 山田 まな板 田中 掃除機 $ sort -k 1 testtable.tsv | uniq | cut -f 1 # 間違い。田中が重複している。 山田 田中 田中 $ cut -f 1 testtable.tsv | sort -k 1 | uniq # 正しい。 山田 田中 -
sort -u≒sort | uniqとなることにも注意。-
sort -u と sort | uniq は同じじゃないよ ~ 文字の順番とロケールとPOSIXと現実の実装のめんどくさい話 #Linux - Qiitaのような話もあるが、テスト問題上は
㋿などの問題が生じる文字は扱わない(はず)
-
sort -u と sort | uniq は同じじゃないよ ~ 文字の順番とロケールとPOSIXと現実の実装のめんどくさい話 #Linux - Qiitaのような話もあるが、テスト問題上は
tail
-
-f=--followでリアルタイム表示。
find
独特のクセつよ検索式は覚えるしかないから覚えるとして、-execのあとに続く書式をちゃんと理解していなくて本番で焦った。
-
-exec なんちゃら {} \;の最後の{} \;-
{}…findからexec内のコマンドに渡す処理対象ファイルが代入される。 -
\;…;がexecの記述終わりを表す。bashの区切り文字と被るため、\でエスケープしている。 - このとき、
-exec以下のコマンドはfindでヒットしたファイルの個数分だけ実行される。
参考:find の -exec optionの末尾につく ; と + の違い。 #Linux - Qiita
-
リダイレクト
- 要確認ポイント
- 追記
>>なのか上書き>なのか。 - 聞かれているのは標準出力か標準エラー出力か、はたまた標準入力か。
- 追記
-
2>&1- 2> &1 というイメージで覚える。さもなくば油断すると
❌2&>1とかやりがち。 - あんま使わない気がする
1>&2もテストだと普通に出てくるので混同しないように。 - リダイレクトとの位置関係
- 下記のコマンドを例に用いる(一行目が標準エラー出力、二行目が標準出力)
user@ubuntu:~$ ls -l 存在するファイル 存在しないファイル ls: '存在しないファイル' にアクセスできません: そのようなファイルやディレクトリはありません -rw-rw-r-- 1 user user 0 10月 11 16:15 存在するファイル - 標準出力リダイレクト(
>,>>)との組み合わせ-
2>&1は最後に指定するuser@ubuntu:~$ ls -l 存在するファイル 存在しないファイル > test 2>&1 user@ubuntu:~$ cat test ls: '存在しないファイル' にアクセスできません: そのようなファイルやディレクトリはありません -rw-rw-r-- 1 user user 0 10月 11 16:15 存在するファイル - ❌ 先に
2>&1を指定すると、標準エラー出力が画面に出てしまうuser@ubuntu:~$ ls -l 存在するファイル 存在しないファイル 2>&1 > test ls: '存在しないファイル' にアクセスできません: そのようなファイルやディレクトリはありません user@ubuntu:~$ cat test -rw-rw-r-- 1 user user 0 10月 11 16:15 存在するファイル
-
- パイプラインとの組み合わせ
-
2>&1はパイプの前に指定する- 下記の例では、
cowsayコマンドはlsコマンドの標準出力と標準エラー出力の両方を受け取っている
user@ubuntu:~$ ls -l 存在するファイル 存在しないファイル 2>&1 | cowsay ___________________________________________________________ / ls: '存在しないファイル' にアクセスできません: \ | そのようなファイルやディレクトリはありません -rw-rw-r-- 1 | \ user user 0 10月 11 16:15 存在するファイル / ----------------------------------------------------------- \ ^__^ \ (oo)\_______ (__)\ )\/\ ||----w | || || - 下記の例では、
- パイプ後に指定すると、期待通りに動作しない
- 下記のNG例では、
cowsayコマンドはlsコマンドの標準出力のみを受け取り、標準エラー出力は渡されずにそのまま画面に流れている。cowsayコマンドの標準エラー出力がリダイレクトされているが、エラー吐いていないので意味がない
user@ubuntu:~$ ls -l 存在するファイル 存在しないファイル | cowsay 2>&1 ls: '存在しないファイル' にアクセスできません: そのようなファイルやディレクトリはありません ______________________________________ / -rw-rw-r-- 1 user user 0 10月 11 \ \ 16:15 存在するファイル / -------------------------------------- \ ^__^ \ (oo)\_______ (__)\ )\/\ ||----w | || || - 下記のNG例では、
-
- 下記のコマンドを例に用いる(一行目が標準エラー出力、二行目が標準出力)
- 2> &1 というイメージで覚える。さもなくば油断すると
vi
個人的にかなり苦労したところです。
なんせ普段手元PCからの貼り付け機能に逃げてしまい、vimの編集機能をあんま使わないので……
vimtutor
基本的にはvimtutor(vimが用意してる公式チュートリアル)やっとけば基本操作は身につくのですが、ここに一つ罠があります。
日本語Linux環境のvimtutorはちゃんと日本語化されているんですが、こっちが入力する例文までご丁寧に日本語訳されていて、日本語入力の切り替えがストレスフルな仕上がりになっています。
※ディストロやバージョンによって違う可能性はあり。
←入力後、escで抜けてlで右へ移動…できない
LANG=C vimtutorと打鍵して、英語版で履修したほうが要らん引っかかりがなくて良いと思います。
幸い平易な英語で書かれていますので、高校卒業レベルの英語力があれば支障ないでしょう。
jキーとkキー
十字ボタンを使った者は信心深いvimmerにより異端者として燃されるかどうかはさておき、LinuCにおいては(Vimではなく)viが前提になるのでhjklでのカーソル移動はマストです。そしてLinuCの受験環境はADM-3A端末ではないため、キーボードを見ても答えは書いてありません。
hが左でlが右なのはキーボード見れば一目瞭然なのでまあいいとしましょう。筆者みたく左右盲ぎみだと安心できませんが、これはもう気をつけろとしか言いようがなし。
ただjキーとkキーは割とどっちがどっち?になりがち。なんか先に来るのが上っぽく感じてしまうのと、実用上は触ってみて逆に動いたらもう一方を押せばいいという甘ったれた思考が原因だと思います。
色々覚え方があると思うんですが、私が迷わなくなった方法を書きます。
←こちらvimのアイコンです。GVimとか入れてる方なら見たことあると思います。
このロゴの中のVの字を、頭の中でキーボードのJキーとKキーの上に重ねます。2

でっかい「V」の字の斜めの線が、右側(Kキー)に重なっている部分のほうが高くなっていますね。
なのでKが上↑です。
HキーとLキー
viに関する記述では、大文字で記載する場合はShiftと同時に入力(=大文字でコマンドを入力)することを指します。
カーソルを画面上端と下端に移動するキー。それぞれHighとLowで覚えました。
ところで、カーソル左右移動とキーがかぶってる割に方向が違うので悪意がありますね。
Ctrl+b / Ctrl+f ( Ctrl+u / Ctrl+d )
画面を一画面づつ上下にスクロールするキー。()内は半ページづつ。
半ページづつの方はUpとDownだと思うのでそのまま覚えました。
一画面づつの方はBackward↑とForward↓そのまま…ですかね。
テキストファイルの話なのでForwardが下方向(=ファイルの続き)を表すことに注意です。
それにしても方向を表すキーがとっ散らかりすぎており、いただけません。
あれ、ここはVim教の異端審問会でしたっけ。
その他個人的見直しポイント(vim)
- 何を対象とした操作を聞かれているのか確認する。
"削除"と書いてあるからxや!と答えてしまったら、実際は"単語を削除"する方法を聞かれていてdwが正解とか。
リポジトリとパッケージ管理(主題1.04)
鬼門でした。
まず、初心者は経験がDebian系かRedHat系のどちらかに偏りがち。
私の場合は8割Ubuntuで生きてきたので、パッケージ管理で主に使うのはaptでした(私用環境ではsnapやflatpakも使うが出題範囲外)。
RedHat系は業務で廃却前の確認を担当したCentOS7と、一瞬だけ触ったFedoraのデスクトップ版くらいしか経験ナシ。よって、まずrpmとyumが鬼門になります。
そしてUbuntu使っていても9割方がapt(apt-get/apt-cache/apt-file)で事足りてしまってきたので、dpkgを直接触った経験もほぼ皆無。おまけに結構オプションが独特ですし。
rpmのfreshenとかdpkgのpurgeとか独特の用語は案外覚えやすかったりするんですが、rpmのeraseみたいに地味な違いが結構見落としやすい印象です。
以下独特なもの、覚えにくいものだけ抜粋。
dpkg
-
-E(--skip-same-version):同じバージョンがインストール済の場合はインストール処理をしない。- EqualのE、で覚える
-
-G(--refuse-downgrade):より新しいバージョンがインストール済の場合はインストール処理をしない- GreaterのG、で覚える
-
-r(--remove):アンインストールするが設定ファイルは残る。- 下記
-Pと違って小文字なのに注意。(-Rは複数パッケージの再帰的インストール)
設定ファイル消せない小心者、のイメージ。
- 下記
-
-P(--purge):設定ファイルごとアンインストールする。 -
-C(--audit):ちゃんとインストールできてないパッケージを検出する。- Chu途半端のC、で覚える
-
-s(--status):インストール済パッケージの詳細情報を表示。 -
-S(--search):ファイルを指定すると、そのファイルのインストール元のパッケージを表示。 -
-L(--listfiles):パッケージ名を指定すると、パッケージ内のファイルを一覧表示。
apt (apt-get, apt-cache, apt-file)
公私ともにUbuntu使いの私としては基本的に見知ったところ。
-
apt-file listまたはapt-file showでパッケージに含まれるファイルの一覧を見られる。 -
apt-cache pkgnamesでインストール可能パッケージ一覧を表示。- なんだかサブコマンドの命名センスがaptらしくない感じがする(個人の感想)
rpm
併用オプションの概念がある。
-
-U(--upgrade):アップグレード…なのだがインストールされていないパッケージだと新規インストールされる -
-F(--freshen):アップグレード。こちらだとインストールされていないパッケージは処理されない -
-e(--erase):アンインストール。- 他のコマンドが軒並み
removeとかのなか、こいつだけ異例の--erase - 消えちゃったCentOSのe、で覚える……は流石に語弊がありすぎるか。
- 他のコマンドが軒並み
-
-q(--query):単体で打つと指定したパッケージがインストール済かどうか確認できる。
併用オプションに覚えづらいものが多い。-
-f(--file):ファイルを指定すると、そのファイルのインストール元のパッケージを表示。-
dpkg -Sと概ね同じ
-
-
-l(--list):パッケージ名を指定すると、パッケージ内のファイルを一覧表示。-
dpkg -Lと概ね同じ
-
-
-c(--configfiles):パッケージ名を指定すると、パッケージ内の設定ファイルだけを一覧表示。 -
-p(--package):インストール済パッケージ名ではなく、パッケージファイル名を指定する。
-
yum
検証環境のAlmaLinux9含め、RHEL8系以降全般のyumはdnfと同じコマンドへのシンボリックリンクになっています。
yumとdnfの相違についての公式ドキュメントを読むかぎり大筋で互換性があり、少なくとも本試験の出題範囲内でこの違いが関係することは少ないと思われます。
仮に将来LinuCに改訂が入ってdnfでの出題となったとしても、下記の内容はyumをdnfと読み替えれば基本的に使えるはず。
$ type yum
yum は /usr/bin/yum です
$ ls -l /usr/bin/yum
lrwxrwxrwx. 1 root root 5 4月 2 2024 /usr/bin/yum -> dnf-3
$ ls -l /usr/bin/dnf
lrwxrwxrwx. 1 root root 5 4月 2 2024 /usr/bin/dnf -> dnf-3
-
updateとupgradeは基本的には同挙動で、パッケージの更新をする。- メタデータが古い場合は自動でキャッシュの更新も実施される。このへんDebian系というか
aptに慣れてると戸惑うところ。 -
yumがdnfのシンボリックリンクになっていない環境では挙動が違う場合があった模様。そろそろ過去の話だし、この試験で気にする必要はなさそう。
- メタデータが古い場合は自動でキャッシュの更新も実施される。このへんDebian系というか
- パッケージグループ関係の操作も記述方法が二種類ある。
-
yum groups list=yum grouplist -
yum groups install=yum groupinstall
-
-
yum check-updateでアップデート対象の確認ができる。 - 下記のファイルやディレクトリを(
❌/etc/yumの下ではなく)/etc直下にぶち撒く。-
/etc/yum.conf…yum自体の設定ファイル。 -
/etc/yum.repos.d…リポジトリ設定ファイルが格納されるディレクトリ。
-
ハードウェア、ディスク、パーティション、ファイルシステム(主題1.05)
学習環境を実機上で構築している場合、この項のコマンドをむやみに実行するとデュアルブート先のWindowsとかを巻き込んで壊す危険性があります。
全般
- 実用上現代ではレアキャラの/dev/hda1とかが出てくることがある
- IDE(ATA)接続のドライブに割り当てられるデバイスファイル名。
- /dev/sda1(SATA接続)と見間違え・勘違いをしやすいので注意。
仮想ファイルシステム
-
/proc…認識しているデバイスの情報 -
/sys…各種システム情報
パーティション
- MBR(BIOS)特有のパーティション事情
- 基本パーティションは4つしか作れない。それ以上切りたいときは、うち一つを拡張パーティションにして、その中に論理パーティションを配置する。
- 基本/拡張パーティションが/dev/*da1〜4、論理パーティションが/dev/*da5以降で固定されている。
- GPT(UEFI)なシステムでは上記の考慮は不要。
fdisk/gdisk
-
コマンド引数と、fdisk起動中に対話形式で使うサブコマンドと別々に把握が必要。
-
対話型サブコマンドはこの辺を覚えておきたい。概ね英単語どおりなので覚えやすいはず。
サブコマンド 覚え方 詳細(抜粋) dDelete パーティションを削除します lList 既知のパーティションタイプを一覧表示します nNew 新しいパーティションを追加します pPertition パーティション情報を表示します tType パーティションタイプを変更します mMenu このメニューを表示します wWrite パーティション情報をディスクに書き込んで終了します qQuit 変更点を保存せずに終了します -
コマンド引数としては
-lを覚えておけば大丈夫そう。-
-l/--list:後ろにつけたデバイスのパーティションテーブルを表示する- 対話型サブコマンドの
lとは機能が違うので注意。
- 対話型サブコマンドの
-
mountコマンド
オプション無しで実行すると現在マウントされているパーティションが一覧される。
これは一抹の迷いもなく覚えておかないと、不安になって業務で活用できないので確実に。
以上!
過去問題は解きましょう。
受験完了後、完了ボタンを押すその指に勇気を。
近日中に102も受験予定なので、そしたらまた記事にしようと思います。
