概要
商談の各データ内の[総額入力]ボタンをクリックすると、[総額]項目に関連付けられている見積書の総計を入力する方法を紹介します。
利用する機能
- カスタムボタン
- 関数
設定方法
- [設定] > [タブ&項目] > [商談]をクリック
- [リンクとボタン]より[最初のボタンの作成]をクリック
- ボタン名や詳細を入力し、ボタンの配置では[ページの表示]を選択
- "ユーザーが..どのような処理を行いますか?"にて[関数の作成]を選択
- 関数名/表示名/詳細を入力
- 自動的に Deluge を記述する画面に移動するので、関数を記述(下記コードを参照)
- [Edit Arguments]にて引数を設定
- 関数を保存
- ボタンを表示する権限を指定
- リンクとボタンの[保存]をクリック
Deluge コード
//関連リストの見積書を取得
quotes = zoho.crm.getRelatedRecords("Quotes","Deals",dealId);
//見積書の総計を取得
all_total = 0;
for each quote in quotes
{
total = quote.get("Grand_Total");
info total;
all_total = all_total + total;
}
info all_total;
//総額項目を更新するための辞書を生成
amount = Map();
amount.put("Amount",all_total);
info amount;
//商談の総額項目を更新
updete = zoho.crm.updateRecord("Deals",dealId,amount);
info zoho.crm.getRecordById("Deals",dealId).get("Amount");
return "Successfully updated!";
※実装は自己責任でお願いいたします。
※仕様が変わる場合があります。
補足:Edit Arguments の設定
手順 7 の"[Edit Arguments]にて引数を設定"では、商談の ID を渡すように設定します。"#"を入力するとパラメータを入力できます。今回は商談の ID を設定しましたが、この機能を利用するといろいろと出来そうですね。
余談:Deluge とは
Degule とは、Zoho 独自のスクリプト言語です。Zoho CRM をはじめとして Zoho のいろいろな製品で利用できる言語みたいです。
自分はプログラマではないので専門的なことはできませんが、Zoho 製品を活用するために Deluge を少しずつ覚えてみたいと思い、下記のサイトを使って学びました。最近は Google 翻訳や DeepL 翻訳などの自然言語処理が素晴らしいので英語が苦手な自分でも何とかやれました。
結果
今回作成した[総額入力]ボタンをクリックすると、見積書の総計の合算値が[総額]項目に入力されました。
②[総額入力]ボタンをクリックすると、2つの見積書の総計(990,000 + 1,100,000 = 2,090,000)が[総額]に入力される
【重要】
関数の実装は自己責任でお願いします。またこのような記事を書いておいて言うのもなんですが、関数を利用したカスタマイズを手放しで推奨しておりません。Zoho CRMだけでなくSalesforceなどの製品でもそうですが、できるだけカスタマイズせずともうまく行くように運用側を少し妥協するなどの気持ちが必要だと自分は考えています。CRMをゴリゴリにカスタマイズした結果、身動きが取れなくなったところや活用できなくなったところをよく聞くので...
まとめ
今回は、関数とボタン機能を利用して商談の総額項目を 1 クリックで更新する方法の備忘録でした。総額項目は、売上予測タブなどでも利用される重要な項目なので、簡単かつミスなく入力できるようにしたいと考えている方の参考になれば幸いです。
ではでは、よい ZOHO ライフを!