背景・目的
Direct Connectについて整理します。
過去には下記の記事をまとめました。一部内容は重複いたします。
まとめ
下記に特徴をまとめます。
特徴 | 説明 |
---|---|
接続 | 利用者ルーターとAWSルーター間の接続を指す 下記の3つがあります。 ・占有 ・ホスト接続 ・共有 |
VGW | 仮想プライベートゲートウェイ |
DXGW | Direct Connect Gateway 異なるリージョンのVirtual Private Cloud(VPC)とオンプレミスネットワークをAWS Direct Connectを介して接続するためのゲートウェイ 最大20個のVGWまで接続が可能 |
TGW | VPCを5,000個までアタッチできる VPC同士の通信が可能 IPは重複しないように注意が必要 |
VIF | Direct Connect ロケーションとAWS間の接続インターフェイス AWS上の何とつなぎたいかにより、作るべきVIFのタイプが変わる。 3つの仮想インターフェイス(VIF)がある ・Private VIF ・Transit VIF ・Public VIF |
BGP | ボーダーゲートウェイプロトコル インターネット上のデータ転送に最適なネットワークルートを決定する一連のルール BGPはデータが移動する可能性のあるすべての経路を調べて、最適な経路を選択すること |
AS | ネットワークの塊、郵便局のようなもの 郵便物は郵便局から宛先の郵便局に送信され、その街の郵便局がその町内で郵便物を配達する データパケットは、宛先インターネットプロトコルアドレスを含むASに到達するまで、ASからASにホップしてインターネットを通過する そのAS内のルーターは、パケットをIPアドレスに送信する |
ASN | ASNは、ネットワークルーターとの外部通信にのみ必要 AS内の内部ルーターおよびコンピューターは、そのAS内のデバイスとしか通信しないため、AS番号を知る必要はない |
概要
下記の資料がとてもわかりやすく、参考にさせていただきました。感謝です。
オンプレミスとAWS間の接続する方法
下記の3つが考えられます。
通信経路 | 特徴 |
---|---|
インターネット | 手軽 |
Site-to-Site VPN | セキュア |
Direct Connect | 高帯域 |
Direct Connectとは
クラウドからDirect Connect ロケーションまでの専用線を提供してくれるサービス
- データセンターのルーターとDirect Connect ロケーション間を利用者側でつなぐ
- Direct Connect ロケーション間は、NW事業者がつなぐ
- AWSアカウントのVGWは、自分で作成する
- AWSルーターと、VGW間はNW事業者にVIF作成を手配する
接続
利用者ルーターとAWSルーター間の接続方法は、下記の3種類があります。
種類 | 説明 | 接続 | VIF |
---|---|---|---|
占有型 | 帯域は全部自分たちで利用できる。 VIFに制限なし |
ユーザ | ユーザ |
ホスト接続 | 一部帯域を占有できる。 VIFは1本だけ利用できる |
ユーザに一部提供 | ユーザ |
共有型 | 他社と相乗りする | NW事業者 | ユーザ |
Virtual Private GW / Direct Connect GW / Transit Gateway
VGW
下記を基に整理します。
- 仮想プライベートゲートウェイを指します
- 仮想プライベートゲートウェイは、接続する VPC にアタッチされている必要があります
- VPCとオンプレミス環境を接続するためのゲートウェイです
- VPCがAWS Direct ConnectやVPN接続を通じて、オンプレミスのネットワークと安全に通信します
- VGWを利用することで、企業のオンプレミスネットワークとAWS上のVPC間で、インターネットを経由しないプライベートな接続を確立できます
VGWの課題
VPCが増えるたびに、VGWとVIFを作成する必要があります。
その都度、費用が発生する。
DXGW
下記を基に整理します。
Direct Connect Gateway(DXGW)とは、AWSのサービスで、異なるリージョンのVirtual Private Cloud(VPC)とオンプレミスネットワークをAWS Direct Connectを介して接続するためのゲートウェイです。
DXGWを使用して VPC を接続します。AWS Direct Connect ゲートウェイは、次のいずれかのゲートウェイに関連付けます。
- 同一リージョン内に複数の VPC がある場合は Transit Gateway
- 仮想プライベートゲートウェイ
一つのVIFで複数のVGWを関連付けられます。
DXGWの課題
下記の課題があります。
- 関連付けできるVGWは、20個まで
- VPC同士の通信ハブとしてはりようできない、VPC間の通信には利用できない
Transit Gateway
Transit Gateway(TGW)により、上記のDXGWの課題を解決できます。
- VPCを5,000個までアタッチできる
- VPC同士の通信が可能
- IPは重複しないように注意が必要
VIF
3つの仮想インターフェイス(VIF)があります。
AWS上の何とつなぎたいかにより、作るべきVIFのタイプが変わる。
プライベートVIF
プライベートIPを用いてオンプレミスからVPC間で通信する。下記のとおり、VGWに直接つなげるパターンと、DXGWを経由してVGWに接続するパターンの2つがある。
パブリックVIF
S3などのVPC外のAWSサービスと、専用線接続する際に使用します。両端のルーターにグローバルIPが必要になります。
また、名前解決の手段を別途確保する必要があります。
Transit VIF
Transit Gatewayとつなげたい場合に、使用する。
接続タイプとして、「専有型」と「ホスト接続」のみ利用可能。(共有型はTransit VIFが使用できない)
共有型接続におけるTransit VIF
VPC間の接続に使用するだけ、Transit VIFを使用しなくてもよい。しかしDXGWとVGWの接続数は20個が上限。
BGP
ネットワーク機器どうしで経路情報を交換するプロトコル。
ボーダーゲートウェイプロトコル (BGP) は、インターネット上でのデータ転送に最適なネットワークルートを決定する一連のルールです。インターネットは、標準化されたプロトコル、デバイス、通信技術によって相互に接続された何千もの民間、公共、企業、および政府のネットワークで構成されています。インターネットを閲覧すると、データは配信先に到達する前に複数のネットワークを経由します。BGP の責任は、データが移動する可能性のあるすべての経路を調べ、最適な経路を選択することです。たとえば、米国のユーザーがヨーロッパのオリジンサーバーでアプリケーションをロードする場合、BGP はその通信を迅速かつ効率的に行います。
- インターネット上のデータ転送に最適なネットワークルートを決定する一連のルール
- BGPはデータが移動する可能性のあるすべての経路を調べて、最適な経路を選択すること
AS
ネットワークの塊、郵便局のようなもの
ASを町の郵便局のようなものとして想像してみてください。郵便物は郵便局から宛先の町の郵便局に送られ、その町の郵便局がその町内で郵便物を配達します。同様に、データパケットは、宛先インターネットプロトコル(IP)アドレスを含むASに到達するまで、ASからASにホップしてインターネットを通過します。そのAS内のルーターは、パケットをIPアドレスに送信します。
- 街の郵便局のようなもの
- 郵便物は郵便局から宛先の郵便局に送信され、その街の郵便局がその町内で郵便物を配達する
- データパケットは、宛先インターネットプロトコルアドレスを含むASに到達するまで、ASからASにホップしてインターネットを通過する
- そのAS内のルーターは、パケットをIPアドレスに送信する
すべての郵便局がその町内のすべての住所(アドレス)に郵便物を配達するのと同じように、すべてのASが特定のIPアドレスのセットを制御します。特定のASが制御できるIPアドレスの範囲は、「IPアドレス空間」と呼ばれます。
- すべての郵便局画素の町内のすべての住所(アドレス)に郵便物を配達するように、すべてのASが特定のIPアドレスのセットを制御する
- 特定のASが制御できるIPアドレスの範囲は、IPアドレス空間と呼ばれる
通常、各ASは、インターネットサービスプロバイダー (ISP)、大規模なエンタープライズテクノロジー企業、大学、政府機関などの 1 つの大規模な組織によって運営されます。
- 各ASは、ISP,大規模なエンタープライズ企業、大学、政府機関などの大規模組織により運営される
ASN
他のASと番号が重ならないように裁判される。IPアドレスのようにプライベートASNがある
各ASには、自律システム番号(ASN)が割り当てられており、これは各企業が固有のビジネスライセンスを持つ方法と同様です。しかし、企業とは異なり、外部の第三者が、その番号だけでASを参照することがよくあります。
AS番号(ASN)は、1~65534の間の固有の16ビット番号、または131072~4294967294の間の32ビット番号です。これらは、AS(番号)という形式で表示されます。たとえば、CloudflareのASNはAS13335です。ある統計によると、世界中で90,000件以上のASNが使用されています。
ASNは、ネットワークルーターとの外部通信にのみ必要です(下記の「BGP とは?」をお読みください)。AS内の内部ルーターおよびコンピューターは、そのAS内のデバイスとしか通信しないため、AS番号を知る必要はありません。
- ASNは、ネットワークルーターとの外部通信にのみ必要
- AS内の内部ルーターおよびコンピューターは、そのAS内のデバイスとしか通信しないため、AS番号を知る必要はない
ASNを割り当てる管理機関から番号が付与される前に、ASN は特定の資格を満たす必要があります。ASNは特定のサイズで、明確なルーティングポリシーを持ち、他のASEへの複数の接続が必要です。利用可能なASNの数は限られており、制限なく配布すると、供給が枯渇し、ルーティングがはるかに複雑になります。
- ASNを割り当てる管理機関から番号が付与される前に、ASN は特定の資格を満たす必要がある
GWにASNを設定する必要がある
- オンプレミスとクラウドのGWでは、ASNは重複が不可である
- DXGW以降は、ASNは重複可能
考察
今回、下記の資料をもとにあらためて整理してみました。
今まで、個別にふわっと覚えていた内容が、少し繋がった気がします。大変わかりやすく感謝です。今後も理解を深めていきたいと思います。
参考