はじめに
Databricks を導入する際、多くの企業が悩むのが「まずはPoCで検証する? それとも最初から本番環境を見据える?」というポイントです。
我々のチームでは、最初から本番前提の構成を検討しつつも、PoC(概念検証)フェーズでは「AWS Marketplace経由」での導入を選びました。
AWS Marketplace 経由でPoCを始めた理由
1. 導入が数クリックで完了
- AWS Marketplaceにログインし、「Databricks」を検索してSubscribe → Launchの数ステップでワークスペース作成が可能
- IAMロールやネットワークなどがテンプレート化されているため構築が簡易
- TerraformやVPC設計がわからなくてもすぐ使い始められる
2. AWS請求に統合できる
- Databricksの料金がAWS請求書に含まれるため、経理処理がとてもシンプル
- 新たなベンダー登録やドル建て請求の対応が不要
- AWSアカウントのコスト管理やタグ付けと一元管理できる
3. AWSクレジットが使える
- AWSから提供される PoCクレジットやスタートアップ支援枠 がそのまま使える
- 実質的に無料 or 大幅割引でDatabricksを試せる
- 上長や経理にPoC予算の承認を得やすい
実際に使ってみて分かったこと
良かった点
- Databricksの操作感、ノートブック、Sparkジョブ、MLflowなどを素早く触れる
- Unity CatalogやDelta Lakeの基礎動作をチーム全体で理解できた
- 環境構築ではまる時間がなく、本質的な評価に集中できた
気になった点(あくまでPoC用)
- ネットワーク構成(VPC、Private Subnetなど)が柔軟に選べない
- IAM権限設計は自動で生成され、本番セキュリティ要件を満たしにくい
- Unity Catalogが一部制限されていることがあった
- Terraformと連携したコード管理(IaC)が限定的
PoCと割り切って使うならベストな選択肢
本番構成を検討する前に、まずDatabricksの基本機能やパフォーマンス、APIなどを触ってみるには、Marketplace経由のPoC導入が最適でした。
まとめ
- 数クリックで環境構築できる
- AWS請求に統合されて管理が楽
- PoCクレジットが使える
- ただし、本番環境には制約があるため過信は禁物