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1.58ビットLLM「Bonsai」は10年前のi7ノートPCを救うか? 0.7 t/s の絶望と物理限界の壁

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はじめに

最近、AI界隈で 「1.58ビット量子化(Ternary)」 が話題です。

「モデルが軽量化され、iPhoneや数年前のPCでも爆速で動く!」という夢のような記事(TechnoEdgeさんのMacBook Neoの記事など)を目にし、私は思いました。

「俺の10年来の相棒(第8世代i7ノート)でも、ローカルLLMが実用レベルで動くんじゃないか?」

さらに、OllamaでGGUFが直接実行可能になったというニュースが背中を押し、検証をスタートしました。

検証環境:2010年代を支えた戦友

今回使用したのは、一世代前…いや、今や「古参」の部類に入るスペックのノートPCです。

  • CPU: Intel Core i7-8650U (4C/8T, 1.90GHz)
  • Memory: 16GB (LPDDR4-2400MT/s)
  • OS: Windows 11 + WSL2 (Ubuntu 24.04)
  • Docker: Open WebUIを同居
  • モデル: prism-ml/Ternary-Bonsai-8B-GGUF (Q2_0 / 約2.18GB)

実行結果:0.7 t/s の衝撃

llama.cppをビルドし、いざ実行!……
しかし、ターミナルに表示されたのは無情な数字でした。

[ Prompt: 0.8 t/s | Generation: 0.7 t/s ]

0.7 t/s。
文字通り「2秒に1文字」です。

Bonsai(盆栽)という名の通り、成長をじっくりと、気の遠くなるような時間で見守るような生成速度でした。

なぜ「1.58ビット」でも遅いのか?

この「絶望的な遅さ」の正体を分析してみました。

1. 「容量」と「帯域」の罠

「モデルが2GBまで軽くなったなら、16GBメモリなら余裕だろ?」
そう思っていた時期が私にもありました。

しかし、LLMの速度を決定するのは容量(GB)ではなく、 帯域(MT/s:道路の幅) だったのです。

2. メモリ32GB増設で解決するか?

「あと約1万円出して32GBにすれば…」という誘惑がありますが、
この比喩を思い浮かべて踏みとどまりました。

メモリ増設は 「駐車場の面積を広げる」 行為です。

多くのコンテナやタブを開いてもフリーズしなくなりますが、
1つのモデルをCPUに流し込む 「道路(帯域)」 が太くなるわけではないのです。

生成速度 (t/s) と実用性のリアル

実際に動かしてみての体感温度です。

速度 (t/s) 体感レベル 実用性
0.5 ~ 1.0 1文字ずつタイピングを待つ 非実用的。 盆栽鑑賞モード。
2.0 ~ 5.0 ニュースのテロップ ギリギリ。 短文なら耐えられる。
10.0 速読スピード 実用的。 開発の壁打ちが可能。
30.0~ 文字の塊が「ドン!」 快適。 思考を追い越す。

まとめ:盆栽(BONSAI)を育てるには、道路拡張が必要だった

今回の検証で得られた教訓は以下の通りです。

  1. 1.58ビット化は神技術。 2GBで8Bモデルが動くこと自体が魔法。
  2. しかし、ハードの物理限界は超えられない。 古いPCのDDR4-2400帯域では、モデルがいくら軽くなってもデータの転送が追いつかない。
  3. メモリ容量より帯域。 32GBにするより、LPDDR5やユニファイドメモリへの乗り換えが正解。

この「0.7 t/s」という記録を胸に、私は心に決めました。
「なんとか30万円稼いで、帯域の太い最新マシンに買い換えてやる」 と。

同じように「古いPCでローカルAIを…」と考えている方の参考(あるいは警鐘)になれば幸いです。

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