こんばんは。座禅いぬです。今回は話題のcline(というかRooCode)を試して自分が不安に思ったことと、その解決策について考えます。
あるある:「AIにコードを書かせたいけど、ぶっ壊れるの怖い」
「普段はデータ分析メインで、最近ちょっとpython書いたり簡単なアプリを組む程度。だからAIにコードを書いてもらえたら助かる!」
「Qiitaのコピペで動いてたコード、AIに頼んで機能追加したい!」
「FlaskでAPI作ったり自分用サービス作ってるけど、デザインがイケてないから何とかしたい!」
まあ僕の話ですけど。そう思ってVSCodeの拡張機能であるclineや、その派生版のRoo Codeを使ってみようとすると…「本当にAIが書いたコードに変えちゃって大丈夫なの? 既存のコードが動かなくなって、取り返しつかなくならない?」という不安が湧いてきませんか?
職業エンジニアじゃない初心者にとって、コードの自動生成は大助かりな反面、「既存コードを壊してわけがわからなくなるリスク」への恐れが大きいのは当然ですよね。本記事では、そんな不安を解消する具体的な取り組みや、さらにコードを安全に管理するためのアイデアをなるべく簡単に紹介します。
エージェント、これまでとどう違う?
生成AIにコード書いてもらうには3段階あると思います。
第一段階は、ChatGPT, Claude, GeminiなどのウェブUIで、対話型のやり取りでできたコードをコピペして実装。質問等もしやすいし、まとまった形でコードが生成される。ただし、ディレクトリ構成や複数のデータが必要なものは自分で頑張るしかない。
第二段階はコード補完。GitHub Copilotなどですね。コードを書いていると予測変換のようにコードが生成されて補完されます。定型的なコードを書くのがとても早くなる。また、うろ覚えのコードもすぐに生成されるので、調べものが減る。Pandasとかも書いてくれるので楽ちんです。
第三段階がAIエージェントですね。Cline, RooCode、Cursor,Windsurfなど。
自分でファイルを読み、構成を把握したうえで、最適な解決策を提案。さらに、実際に作業も自律的に行うことが可能。ファイルごと自動生成し、構成を作ってくれる。LLMのAPIが必要ですが、作業がとても速くなります。
「コードが壊れる」って、具体的になんやろか
1. 自分がちゃんとAIにコード書かせられるか不安ですよね
AIは大量の学習データをもとにコードを生成しますが、必ずしも常に最適解を出してくれるわけではありません。古い書き方や依存パッケージのバージョンが合わない場合などもあり得ます。特に、学習した時期以降でライブラリに大きな変更があったりするともうダメ。
2. 既存コードとの整合性が取れなくなりそう
プロジェクト固有の構造や依存関係までAIが十分考慮している保証はありません。一部のコードを変えてしまった結果、他の箇所が動かなくなるリスクも。さらに、今まで作ってきた自分が望んでいるものと本当に合致するの?って不安もありますよね。
3. AIが触ったところがなにしてるかわからなくなる
AI任せにしてブラックボックス化すると、「なぜそう書いているのか」が分からず、いざトラブルが起きたときに対処しにくいです。書き換えてしばらくしてから異常に気付いたりするとかなりしんどい。
こうしたリスクは、「AIに任せた結果、既存の動作が破綻するのでは?」 という不安に直結します。でも大丈夫。あきらめましょう。あらかじめ「壊れてもすぐに戻せる&影響範囲を絞れる仕組み」を用意しておけば、十分にリスクを低減できるんです。
ポイント①いつでも“巻き戻せる”ようにする: Git
一番の要は「最悪壊れても戻せる」環境を作ること。これこそが、AIのコード生成を気軽に試すカギです。そのために必須なのがGitによるバージョン管理。そう、「一人でコード書いてるだけだし、Gitはなんかややこしいからいいや」って思ってたあなた。いよいよGitを学ぶ最高のタイミングです。
Gitのメリット
- 差分が分かる:AIが生成した部分を簡単に比較できる
- 巻き戻せる:壊れたら前の状態に戻せる
- ブランチを作れる:実験用ブランチで試して、問題なければメインにマージすればOK
「ぶっ壊さない」のためだけなら超簡単!
Gitを使いこなすには多少の学習コストがかかりますが、最低限以下の流れを押さえておけば大丈夫。
-
VSCodeとGitを連携し、初回に
git init
(リポジトリ初期化) - 変更前の状態をコミットしておく
- AI提案のコードを適用後、コミットして差分を確認(ここ大事)
- 万が一トラブルが起きても、
git checkout
やgit revert
などで元に戻す
「試してダメなら戻す」という安心感があれば、AI生成コードを怖がらずに試行錯誤できます。ちなみにgitやっぱだるい!という人はOneDriveのフォルダ上でやれば実は無敵です。でもファイル一個ずつ全部復元するのは超めんどいし流れを忘れちゃうんですよね。僕は両方の併用+バックアップです。
ポイント②コードを分割して影響範囲を可視化しよう
役割をわけて“壊れやすい巨大関数”を作らない
初心者のよくあるパターンは、機能を1つのファイルや関数に詰め込みすぎること。こうなると少しの変更で全体が壊れるリスクが跳ね上がります。いわゆる単一責任原則を適用するとよいのです。
-
単一責務原則 (Single Responsibility Principle)
→ 1つのモジュール・クラス・関数には1つの役割だけを与える
部分的にAI生成コードを差し込む
大きいコードに一気にAI生成コードを混ぜると、「どこが壊れたか」すら特定しづらいです。 小分けの関数をAIに生成させ、一個ずつテストしてから既存コードに組み込むと安全。
こうした設計上の工夫で、もしAIが生成した一部のコードが不具合を起こしても、被害が局所的で済み、対処しやすい状態を保てます。
もっと工夫するなら:テスト・視覚化で安心度アップ
ここからの部分は、最初は見なくても全然いいです。
自動テストで“壊れていない”を確認
- 初心者だとそこまで大規模なテストは不要かもしれませんが、pytest (Python)などで最低限のテストだけ用意しておくと安心感が違います。
- AIが生成した関数をテストし、動作OKであれば次のステップへ進むというフローを作るわけです。そう、とうとう「テスト駆動開発」を学ぶ絶好のチャンスが来ました!
- もちろん、テストも書かせるわけです。
コードの動きを視覚化する
- VSCodeのデバッグ機能やPython Tutorなどを活用し、AI生成コードをステップ実行で追うと、理解しながら検証できます。
- 「ブラックボックス感」を減らし、万が一の時も問題箇所を見つけやすくなります。
※ さらに余裕があればLintツール(flake8, ESLintなど)を導入すれば、自動で文法エラーやスタイル崩れを検知できます。ただし、必須ではないので、困ったときに検討する形でOKです。
Dockerで安全に実行環境を分離
Git+コード分割+テストなどをある程度使いこなして、「もう少し安全策を取りたい!」と思ったら、次のステップとしてDockerなどコンテナ技術を利用するのも手です。
-
Dockerメリット
- ローカル環境と切り離して安全な実験環境を作れる
- コンテナを破棄して作り直せば、いつでも“初期状態”に戻せる
- 本番同様の環境構成を容易に再現可能
ただし、Docker自体の習得ハードルはやや高いため、ライトユーザーが最初から無理に導入する必要はありません。まずはGitを徹底活用し、コードの分割とテスト体制を整えたうえで、ステップアップ的にトライするのがおすすめです。
まとめ
- Gitでいつでも“巻き戻せる”基盤を作ろう
- コード分割で変更の影響を局所化しよう
- テスト・視覚化で不安を解消しよう
- Dockerは余裕があれば検討しよう
AIエージェントが生成したコードには、ベースとして大きなメリットがある一方で、ライトユーザーにとっては“壊れるかも”という不安が大きな障壁になります。しかし、上記のポイントを押さえれば、その不安は大きく解消できるはずです。
いますぐできるアクションリスト
- まずVSCode入れよう!そして、Roo Codeを導入!
- OneDriveで作業すると後でよかったと思えるかも
- Geminiかgithub copilotでコストは安心!
- VSCodeでGit連携を有効化し、こまめにコミット&ブランチ活用
- AIに頼む時は「一つの関数」単位など、小分けして生成
- 簡単なテスト(pytest, Jestなど)を導入して実行
- もし余裕があればLintツールとかでコード品質チェック
- さらにステップアップしたいならDockerで環境を分離
おわりに
職業エンジニアじゃない人間としては、「勉強以外でコードを書くんならその時間で分析や他の作業にリソースを割きたい」って考えちゃいますよね。だからこそ、AIエージェントを味方につけ、スピーディかつ安全にコードを生成できる仕組みを整えるのは大いに価値があります。
本記事で紹介した方法を取り入れながら、まずは小さなプロジェクトを作って試してみましょう。「最悪壊れてもGitで戻せる」安心感があれば、AIにどんどんコードを書いてもらって、開発をスムーズに進められるようになるはずです。
あ。ちなみに費用も気になりますよね。基本geminiで無料で試せます。ただし、すぐにたくさん試したくなるので、github copilotに課金するのが圧倒的お勧めです(とても参考になったありがたい記事)。おまけにnotebookで分析も爆速になります。
僕は先週勇気出してみて、最高だぜ!という気持ちです。皆さんも、もう怖くないはず!この記事を読んだらすぐに始めてみてください絶対やってよかったと感じるはず。