Amazon EBS に gp3 が登場
re:Inventが始まりましたね。
本日の発表で Amazon EBS に無料利用枠対象のSSDタイプ gp3 が登場しました。
しかも今日から使えます!
1. 無料利用枠対象で高速なgp3
無料利用枠対象(基本性能のみ)なのにかなり良いです。
性能はおよそこんなとこ。
- 最低保証IOPS 3000
- 1GiBあたり 3 IOPS なのは変わりません(つまり1TiBまでは性能が変わらない)
- gp2では最低保証 100 でした。従来1000GiB(1TiB) 必要だった性能を無料利用枠の30GiBでも使えます
- 追加料金でプロビジョンドIOPSを 16000 まで設定可能
- gp2は容量による性能固定(33MiBまでは100 IOPS固定)でしたが性能設定可能に
- gp2よりも20%程度安い
2. しかしさっそく試すと
2.1. 2020/12/2現在
既存のEC2インスタンスで使用しているEBSも無停止でgp3へ変更可能と聞いてさっそく試します。
すると。。
なななんと、起動ディスクとしては使えないようです><
2.2. 2020/12/6追記
何の前触れも無く、使えるようになっていました。
30GiBのボリュームでは数十秒変更がで完了しました。
もちろん新規インスタンス作成時も最初から設定可能です。
ここで注意が必要です。デフォルトの IOPS
がなんと 15000
になっています。
容量1000GiBまでのボリュームで無料利用枠対象となるIOPSは 3000
です。忘れずに3000と手動入力しましょう。
同様に無料利用枠対象となるスループットは 125MB/秒
です。
3. 性能を試す
gp2 と gp3 どのぐらい性能が違うのでしょうか。
無料利用枠の範囲である30GiBで試します。
試験方法:
dd if=/dev/xvda1 of=/dev/null bs=1M
試験結果(MB/秒):
タイプ | t2.micro | c4.xlarge | c4.8xlarge | c5.24xlarge |
---|---|---|---|---|
gp2 | 64.1 | 94.0 | 119 | 119 |
gp3 | 64.1 | 97.2 | 100 | 132 |
考察:
t2.microは何度試してもgp2でもgp3でも64.1MB/秒で固定でした。
ディスクI/OもCPU資源を使いますからこの試験を行っていると常にload 1.00であったことから
CPU資源が枯渇しこれ以上の性能は出ないようです。
c4.xlargeも誤差程度で性能差はほぼ無しと思って良さそうです。
謎なのはc4.8xlargeで何故かgp2の方が常に高速でした。
何度か試してもgp2は120~130MB/秒、gp3は100MB/秒前後で逆転しませんでした。
いずれにせよ、小容量では劇的な性能の違いは無いと思われます。
4. まとめ
良いことだらけのgp3ですが、現時点では起動ディスクとしては使えないようです。
起動ディスクだからこそ高速に使いたかったのですが、アップデートに期待しましょう。
リリース発表時、ブートデバイスに使えないとは何も言及されておらず使えなかったgp3。
そしていつの間にか使えるようになっているということは元々使える予定だったのでしょう。
AWSお得意の見切り発車リリースだったのかもしれません。
ブートデバイスにも使えるようになった gp3 は無料利用枠対象で gp2 を使い続ける理由は無くなりました。
既存のgp2ボリュームも簡単にgp3へ切り替え可能です。
やっぱりgp2の方が良かったと思ったら6時間以上経過すれば元に戻せますから大丈夫。
お試しあれ。