1.はじめに
業務効率化の一環として、Excelやスプレッドシートで管理していた業務データをkintoneアプリに置き換える事例で既存の帳票やロジックを再現するために、フィールド数が百近くに及ぶ大規模なアプリとなることよくあります
このような大規模アプリの初期構築において、手動で行うフィールドの設置作業はミスも多く工数も膨大です。
本記事で紹介する手法は、大規模な置き換えの初期設定の負担を軽減するものです。
初期設定の負担を解消するため、kintone環境と連携する ローカルMCPサーバー を活用し、大量のフィールド設定を簡易化し、効率的にアプリ構築を進める手順を紹介します。
またClaude Desktopの拡張設定(kintoneMCPサーバ設定)は説明からはスキップ致します
2.開発における課題と提案
従来のアプリ構築プロセスは、初期設定の手間や設計情報の管理の煩雑さにより、開発スピードが犠牲になりがちでした。
2-1.従来のアプリ構築が抱える課題
従来のアプリ開発プロセスにおける主な課題は、「設定の工数」と「情報の管理」に集約されると思います。
- フィールド設定の膨大な手間
フィールド数が多数に及ぶ場合、手動でフィールドタイプを設置しフィールドコードやフィールド名を定義する作業は時間もかかり、単純なミスが発生しやすくなる。 - 設計情報の管理
項目設計情報を別で管理している場合に、実際のkintoneアプリの設定と項目管理情報にズレが生じやすく、後の管理・改修のボトルネックになる。
2-2.課題解決方法:項目設計アプリとツール連携
これらの課題に対して、本記事で提案する解決策は以下の2つの要素から成り立ちます。
- kintone:項目設計アプリ
アプリのフィールド情報や設定値を一元的に管理するアプリとして機能させます。
※設計書をkintone上で管理するイメージです。 - Claude Desktop(kintoneローカルMCPサーバ設定済)
設計アプリから情報を読み込み、kintoneアプリの初期設定を一気に自動化することで、大量のフィールドの設定負担を軽減します。
3.新しいアプリ構築フローの全体像
STEP1.アプリ設計情報の整備
kintone上に設置された 項目設計アプリ に開発対象のアプリのフィールド情報(フィールドコードなど)を格納します。
STEP2.Claude Desktopによる初期設定準備
Claude DesktopがkintoneローカルMCPサーバーを利用し項目設計アプリの情報を読み込み、開発対象のアプリに追加すべき項目情報を整理します。
STEP3.アプリ設定の実行
Claude Desktopが整理された項目情報からkintoneへアプリ開発を実施します。
STEP4.アプリ構築の完了
自動開発されたアプリを確認し、その他の設定を実施します。
4.STEP1.アプリ設計情報の整備
アプリ構築のデータとなる「項目設計アプリ」の準備を行います。
4-1.項目設計アプリの設置
kintoneへ項目設計アプリを用意します。
- メインフィールド一覧
| フィールド名 | フィールドコード | フィールドタイプ | 説明 |
|---|---|---|---|
| レコード番号 | レコード番号 | RECORD_NUMBER | 自動採番 |
| アプリID | apri_id | NUMBER | 作成対象のアプリID |
| アプリ名 | apri_name | SINGLE_LINE_TEXT | 作成するアプリの名称 |
| 所属スペースID | space_id | NUMBER | アプリを作成するスペースのID |
| 設計書 | apri_design | SUBTABLE | フィールド定義を管理するテーブル |
- テーブル「設計書」のフィールド一覧
| フィールド名 | フィールドコード | フィールドタイプ | 説明 |
|---|---|---|---|
| フィールドコード | code | SINGLE_LINE_TEXT | 作成するフィールドのコード |
| フィールド名 | label | SINGLE_LINE_TEXT | 作成するフィールドの表示名 |
| フィールドタイプ | type | DROP_DOWN | フィールドの種類 |
| 必須項目にする | required | DROP_DOWN | 必須入力設定(TRUE/FALSE) |
| 値の重複を禁止する | unique | DROP_DOWN | ユニーク制約(TRUE/FALSE) |
| 桁区切りを表示する | 区切り文字 | DROP_DOWN | 数値フィールドの桁区切り表示(TRUE/FALSE) |
| オプション | options | SINGLE_LINE_TEXT | 選択肢などの追加設定(JSON形式) |
| テーブルコード | tableCode | SINGLE_LINE_TEXT | テーブル内フィールドの場合の親テーブルコード |
- フィールドタイプの対応表
| 表示名 | kintone API型 |
|---|---|
| 文字列1行 | SINGLE_LINE_TEXT |
| 数値 | NUMBER |
| 日付 | DATE |
| 時刻 | TIME |
| 日時 | DATETIME |
| ドロップダウン | DROP_DOWN |
| ラジオボタン | RADIO_BUTTON |
| チェックボックス | CHECK_BOX |
| 複数選択 | MULTI_SELECT |
| テーブル | SUBTABLE |
| ユーザー選択 | USER_SELECT |
| 組織選択 | ORGANIZATION_SELECT |
| グループ選択 | GROUP_SELECT |
| 添付ファイル | FILE |
| リンク | LINK |
| 計算 | CALC |
| 文字列(複数行) | MULTI_LINE_TEXT |
| リッチエディッター | RICH_TEXT |
※選択項目は日本でも問題無いです
4-2.アプリへの情報の登録
用意した項目設計アプリに実際の情報を入力します。krewSheetがあるとより便利だと思います。
新規登録時にはアプリIDは空白でスペースIDは指定してください。
5.STEP2.Claude Desktopによる初期設定準備
Claude DesktopへのkintoneMCPサーバーの拡張機能設定はスキップします
- Claude DesktopのGUIから以下のプロンプトでClaudeに指示します
kintoneからアプリID[項目設計アプリID]のレコード番号[項目設計を保存したレコード番号]のレコードを取得してください
実際の使用例:
kintoneからアプリID2282のレコード番号2のレコードを取得してください
6.STEP3.アプリ設定の実行
Claudeが回答した結果は以下の通りです
アプリID 2282のレコード番号2のレコードを取得します。アプリID 2282のレコード番号2を取得しました。このレコードは「XXXXXXXXXX」というアプリの設計情報を含んでいます。
**基本情報:**
- レコード番号: 2
- アプリ名: 122.003.XXXXXXXXXX管理データ
- スペースID: 122
- 作成日時: 2025-12-03T01:28:00Z
- 更新日時: 2025-12-03T08:47:00Z
**apri_designサブテーブル (29フィールド):**
このレコードには、アプリのフィールド設計情報が含まれています。主なフィールドは以下の通りです:
1. **基本情報フィールド:**
- year (年) - 数値
- month (月) - 数値
- week (週) - 数値
- shop_id (店番) - 数値
2. *XXXXデータ:**
- XXXXXXXXXX - 数値・区切り文字あり
- XXXXXXXXXX (XXXXXXXXXX) - 数値・区切り文字あり
- XXXXXXXXXX (XXXXXXXXXX) - 数値・区切り文字あり
- XXXXXXXXXX (XXXXXXXXXX) - 数値・区切り文字あり
3. **XXXXデータ:**
- XXXXXXXXXX (XXXXXXXXXX)
- XXXXXXXXXX (XXXXXXXXXX)
- XXXXXXXXXX
4. **XXXXデータ:**
- XXXXXXXXXX (XXXXXXXXXX)
- XXXXXXXXXX (XXXXXXXXXX)
- XXXXXXXXXX
- XXXXXXXXXX - 文字列1行
全てのフィールドは必須項目ではなく、ほとんどのフィールドで区切り文字が設定されています。
次に以下のプロンプトで指示を出します
上記の設計情報を元に指定されたスペースにkintoneアプリを作成してください
Claudeは以下の手順で処理を進めます
1.kintoneにアプリを作成する
2.作成されたアプリにフィールドを追加する
3.フィールドレイアウトを設定する
4.アプリをデプロイして本番環境に反映する
結果返ってきた回答が以下の通りです
✅ アプリの作成が完了しました!
作成されたアプリ情報:
アプリID: 2333
アプリ名: XXXXXXXXXXXXXデータ
スペースID: 122
デプロイ状況: 成功
追加されたフィールド (29個):
基本情報:
年 (year)
月 (month)
週 (week)
店番 (shop_id)
xxxxxデータ (区切り文字あり):
XXXXXXXXXXXXX (XXXXXXXXXXXXX)
XXXXXXXXXXXXX (XXXXXXXXXXXXX)
XXXXXXXXXXXXX (XXXXXXXXXXXXX)
XXXXXXXXXXXXX (XXXXXXXXXXXXX)
xxxxxデータ (区切り文字あり):
xxxxx、xxxxx、xxxxx・xxxxx(10項目)
xxxxxデータ (区切り文字あり):
xxxxx、xxxxx (10項目)
xxxxx(xxxxx)
アプリは本番環境にデプロイされ、すぐに使用できる状態になっています。
7.STEP4.アプリ構築の完了
これによりkintoneにアプリが作成されている状態になるので
他に必要な設定をkintoneで実施してください
8.まとめ
kintoneで設計情報の取りまとめとその設計情報を元にアプリを作成するができました。
- 初期設定作業工数の削減
- 設定ミスの発生防止
- 設計情報の一元管理
- 自然言語による処理命令の実施
が効果としてあげられると思います。
またこの方法を流用することで既存アプリから項目設定情報を項目設計アプリに反映させることも可能です。
ぜひこの効率的なアプリ構築フローを実践してみてください!




