どうもこんにちは。普段はQAエンジニアとして自社サービスのSaaSの品質管理をしています。
突然ですが、みなさんは開発物のロジック確認、どのようにされていますか?
特に複雑な条件分岐やループ処理が入ったソースコードの差分をレビューする際、「頭の中だけでロジックを追うのが辛い……」 と感じることはないでしょうか。
私はあります。正直に言うと、テキストのコードだけを見つめていても、「ループ後の変数の初期化は大丈夫か? 」「例外処理のルートは考慮されているか? 」といった細かい点を見落としてしまいそうで、いつも不安と隣り合わせでした 。
しかし、最近Geminiを使ったある方法を試してから、その景色が一変しました。
コードを読むのではなく、「図解されたフローチャートを見る」。たったこれだけで、デバッグや仕様把握の効率が劇的に上がったのです 。
今回は、このGemini活用法を共有します
なぜこれをやるのか?
一言で言えば、「怪しい箇所」が一瞬で可視化されるからです 。
コードを目視で追っていると、どうしても人間の認知リソースには限界が来ます。
しかしフローチャートになっていれば、以下のようなポイントが驚くほどクリアに見えてきます。
- 処理の流れの可視化: 全体の流れが直感的にわかります 。
- バグの早期発見: ループ処理後の値の整合性や、例外発生時のフローなど、怪しい箇所をデバッグしやすくなります 。
「コードを読む」という重労働をAIに任せ、人間は「ロジックの正しさを判断する」という本質的な作業に集中できる。これが最大のメリットです。
実践:Geminiに「プロンプト」と「差分」を投げるだけ
手順は本当にシンプルです。誰でもすぐに試せます 。
1. 以下のプロンプトを用意する
プロンプトはこれだけです。ぜひコピーして使ってください 。
*添付したソースコード差分について、フローチャートを作りHTML形式で出力してください。
*日本語で出力してください。
*ノード内のテキストに「"(ダブルクォーテーション)」や「&」、「>=」、「:」などの記号が含まれる場合、テキスト全体をダブルクォーテーションで囲んでください。
ここがポイント!
Mermaid記法ではなく、あえてHTML形式で出力させています 。
また、3行目の「記号が含まれる場合〜」という指示は、フローチャート生成時のエラーを防ぐための非常に重要な呪文です 。これを入れることで、特殊記号による表示崩れを防げます。
2. ソースコード差分を貼り付けて送信
プロンプトの下に、Gitのdiffや確認したいコード片を貼り付けて、Geminiに送信してください 。
GitLabなら、マージリクエスト画面の「コード>テキスト差分」でダウンロードできます。
3. 生成されたHTMLを保存して開く
GeminiがHTMLコードを書いてくれるので、それをPC上のテキストファイルに貼り付けます。
保存時は以下の設定にしてください 。
- 文字コード: UTF-8
-
拡張子:
.html
保存したファイルをブラウザで開けば ……
複雑だったあのコードが、綺麗なフローチャートとして目の前に現れます! これを見た瞬間、きっと感動していただけるはずです。

さらに効率を追求するなら「Gem」を作ろう
「毎回プロンプトをコピペするのすら手間だ!」という方、お気持ちよく分かります 。
Gemini Advancedなどの機能をお使いであれば、ぜひ「Gem(カスタム指示)」を作成しましょう。
手順のプロンプトをそのままGemの指示(Instructions)に登録しておけば、あとはソースコード差分を投げるだけになります 。
設定するカスタム指示:
*添付したソースコード差分について、フローチャートを作りHTML形式で出力してください。
*日本語で出力してください。
*ノード内のテキストに「"(ダブルクォーテーション)」や「&」、「>=」、「:」などの記号が含まれる場合、テキスト全体をダブルクォーテーションで囲んでください。
これこそが、私がたどり着いたロジック確認の最短ルートです。
まとめ
この方法を取り入れてから、レビュー時の心理的な負担が驚くほど軽くなりました。
QAエンジニアの方はもちろん、ご自身のコードをセルフレビューする開発者の方にも、心からおすすめしたい手法です。
ぜひ一度、騙されたと思って試してみてください。
可視化されたロジックの分かりやすさに、きっと驚かれると思います!
補足
もしHTMLを開いた際にsyntax errorになったら、Geminiに「エラーになったので直して」といえば修正してくれます!